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■専門家インタビュー

2021/11/19

おひとり様の生前対策について

今回はオネスタ税務会計事務所代表、田邊美佳さんにおひとり様の生前対策についてお話を伺ってきました。


お子さんや兄弟、家族がいたとしても疎遠で親族に頼れない方もいらっしゃると思います。
そういった方が安心して頼れるところがあるということを広めるために、日々田邊さんは活動されています。
事前にこんな対策ができるんだ、認知症の対策についても詳しく、そしてわかりやすくお話してくれました!
「はじめての相続」だけの特別なインタビューです!
ぜひご覧ください!

オネスタ税務会計事務所紹介ページはこちら!

聞き手:田邊さんはおひとり様の生前対策に力をいれていらっしゃいますが、おひとりで過ごされている方はまずどんなことを最初に考えればいいですか?


田邊さん:おひとりの方は、もしご自宅で倒れられたとき、気づいてもらえずに孤独死となる可能性が高いです。
なので、まずは孤独死を防ぐことを念頭に置いて考えることが大切です。
例えば、見守りサービスを活用して、万が一のときに早めに見つけてもらえる環境が望ましいですね。
また、生前にお金が置いてある場所を誰かに伝えて、「このお金で葬儀をあげて欲しい」と伝えたとしても、他人が勝手にそのお金を使うことはできません。
そのため、ご本人が望んでいた最後を遂げることが難しいです。誰かが亡くなれば手続きが必要となりますが、身寄りのいない方はそれにどう対応していくかを考えていく必要があります。


聞き手::そうなんですね。考えておくこととしてはどういったことがありますか?


田邊さん:ご自身の葬儀をどうしたいか、お骨をどこに納めてほしいか、また財産をどうするのか、といったことを考えておく必要があります。
財産に関しては相続人がいないと国のものとなりますので、もし寄付をしたい、といった願望があるならば遺言書を作成しておく必要があります。

また、疎遠でも相続人がいればその方が財産を相続します。もし渡したくない相手がいるなら、この場合も遺言書を作成するなど事前に対策を練る必要があります。
他にも施設に入る場合は身元保証人が必要ですが、おひとり様だとなかなか身元保証人を見つけるのが大変です。
しかし現在はこのようなおひとり様をサポートする団体(相続サポート専門の一般社団法人など)がありますので安心してください。


聞き手:考えなければいけないことは色々あるんですね。では、契約はどういったものがあるのでしょうか?


田邊さん:身元保証人が必要であれば、保証等委託契約が必要になります。
亡くなった後の葬儀や遺品整理、公共料金等の解約手続などをお願いしたい場合には死後事務委任契約が必要となります。
いずれもお元気な内に契約を結び、死後事務に関してはどのような葬儀をあげたいか、どこにお骨を納めるかなどを決めておくことになります。


聞き手:そうなんですね。では、おひとり様の生前対策で気を付けなければいけないことはなんですか?


田邊さん:認知症の対策ですね。
認知症になってしまった場合、財産を管理するために成年後見人をつけることになるのですが、そうするとご自身の思うような財産の使い方が難しくなります。外食をしたり、好きな洋服を1枚買うこともままならないケースもあります。
そのため、後見人や依頼内容を事前に自分で決めておくことができる任意後見契約をお勧めしています。

ですが一旦任意後見契約を結ぶと、その後認知症になっていないか定期的に確認が必要ですし、毎月の報酬が発生してしまうのでお客様にとっては金銭面で負担が増えます。なので、弊所では何でもかんでも提案するのではなく、お客様にとって必要なサービスを、必要な時期に提供する、というポリシーを大切にしています。

そしてお客様にとって何よりも大切なことは、元気な内に色んな制度を知っておくことと、信頼できる専門家を見つけておくことだと思います。
認知症になってからでは『対策』を行うことはできず、一旦後見人がついてしまうと、いくらその人が嫌だと言っても変えてもらうことはできません。 事前にいろんな専門家に相談し、自分に合う方を見つけておいて、いよいよ対策が必要になったときにすぐに依頼できる状態にしておいて頂ければと思います。


聞き手:そうですね。元気なうちに信頼できる専門家を作っておくことはとても大切なことだと思います。
認知症の対策には他にどんなものがあるんですか?


田邊さん:認知症対策には、先程お話しした任意後見制度の他、家族信託があります。
ただ、家族信託は、財産を管理してくれるご家族がいることが前提になりますので、おひとり様の場合は後見制度を利用せざるをえないですね。

また、認知症対策という部分だけでいうと、相続人に認知症の方、認知症になる恐れのある方がいるならば遺言書を作っておくことをおすすめします。
認知症の方は遺産分割を行うことができず、遺産分割のために後見人をつけなければなりませんので、遺言書を作成しておくことで、相続手続をスムーズに行うことが可能となります。
認知症はいつ誰がなるかわかりませんので、ある程度年を重ねたら、しっかりと対策を練って頂けたらと思います。


聞き手:おひとり様だけでなく、年を重ねたら認知症の対策も視野に入れて相続のことを考えなければいけないんですね。
では、最後に皆さんへメッセージをお願いします!


田邊さん:おひとり様が亡くなった場合、対策を打っておかないと葬儀すら開くことができず、供養したくても法律上勝手に故人のお金を使うことは出来ないので難しいということを知っていただきたいです。
そして、そうならないようにするための対策やサポートする団体があることも知って欲しいです。

とはいっても、このようなことを考えるのはご自身の死と向き合う必要があり、精神的に負担に感じる方もいらっしゃるかと思います。
ですが、対策は長期間かかるものではなく、手続自体は1か月程で終わります。後々後悔することがないよう、まずは信頼できる専門家を見つけ、どのような方法が適切か一緒に考えて実行していって頂ければと思います。


聞き手:本日はありがとうございました!

田邊さん:こちらこそありがとうございました!

はじめての相続編集部 情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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