今回はアーム税理士法人の代表、奥林礼寛 さんに「節税対策を考える上で大切なこと」についてお話を伺ってきました。

関西では有数の相続専門税理士が皆さんへ伝える、「はじめての相続」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください！


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聞き手：アーム税理士法人は相続が発生した場合以外にも、様々な相続に関わる税金の相談ができ、節税対策にも強いですよね。
節税を中心に生前対策を考えられる方も多いかと思いますが、どういったことを軸に物事を決めていけばいいのでしょうか？

奥林さん：税の負担を抑えて少しでも財産を多く残したい、守りたい、というご相談は多いです。
ご相談の際には、まず相続税やコストの面で有利になる様々な方法論をわかりやすくご説明いたします。
ただし、大切なのは、ご本人やご家族の考えや状況に沿う最適な方法は何かということを整理し、落とし込んでいくことだと思います。
いくら高い節税効果が見込まれる方法であっても、結局そのご家族にとって合わない対策をしてしまうと、あとで「やらなければよかった…」と後悔することになってしまう場合もあります。
ですので、私どもは、様々な方法を説明しながらも、初めからこの方法と決めつけるのではなく、お客様お一人お一人にとってどうするのが最適な選択であるのかを一緒に見つけていきます。
相続対策という意味では、相続税の節税も大事ですが、それよりもまず、財産を誰にどのように残したいのかをしっかり考えながら決めていくことが最も大切だと思います。

聞き手：将来的に何をどう分けるか、まず考えていくことが大事なんですね。

奥林さん：よくあるのが、節税効果ばかりに目が向いてどんどん生前贈与をしてしまった場合などで、それが結果的によかったというケースもありますが、後々よく考えたらその方法をとらなければ良かったと後悔される方もいらっしゃいます。
お考えになっている相続対策が本当に自分たち家族にとって最適な方法であるのかどうか、なかなかご自身では分かりづらいこともあるかと思います。
ですので、私どもは税金などの面での効果はもちろんですが、リスクの面もしっかりとお伝えし、お客様がしっかりとご理解・納得したうえで、後々「やってきてよかった」と思えるような選択ができるよう、対策をご提案します。

聞き手：相続について、税務調査のことが気になられる方も多いと思いますが、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか？

奥林さん：例えば子や孫に預金などを贈与することで相続税対策に取り組んでいる方も多いと思いますが、贈与が正しく行われており、その内容に基づいて相続税が正しく申告されているのであれば、その点について心配をする必要ありません。
問題になるのは、例えば子や孫がその贈与を認識していないこと等により、実質的に親の財産である『名義預金』とされてしまう場合などです。

つまり、間違ったやり方であれば贈与が成立せず、結果として何の効果もありませんし、もしその間違った内容をもとに相続税申告していた場合は、税務調査で指摘されペナルティの税まで発生することにも繋がりかねません。
大切なのは、相続対策を考える入口のところで間違えたやり方をしないことだと思います。
間違ったやり方をつづけていても、効果がないだけでなく、むしろ余計に税金がかかってしまう事態にもなりかねません。
また、きちんと贈与が成立する形で子や孫に贈与したとしても、無計画に贈与してしまうと、遺産分割の面で家族間の揉め事につながってしまう場合もありますし、親としてあげすぎてしまう場合もあり得ます。
節税を考えての対策であっても、遺産分割のこと等もふまえてしっかり検討したうえで、正しいやり方で進めていくことが大切です。

聞き手：そうなんですね…。
では、これまでやってきた相続税対策やこれから取り組もうとする対策について、税務調査のことが不安な方はどうするのがいいのでしょうか？

奥林さん：そうですね、もし不安に思うことがあったら、まずは相続に強い専門の税理士にご相談いただくことが不安解消の近道になると思います。
これまで行ってきた対策にご不安がある場合でしたら、詳しくお話を伺うことで、これまでのやり方に問題があるかどうかを指摘したり、改善する方法などを考えることもできると思います。
また、これからの対策を考えたいという場合であれば、税金面だけでなく遺産分割の面も考慮したうえで、そのご家族にとって最適な対策をご提案できると思います。

聞き手：自分だけで判断しないで、専門家に頼ることも大事なんですね。
相続におけるトラブルとして相続人の間での問題も多くあると思いますが、節税対策を考える上でも関係してきますか？

奥林さん：相続対策は、遺産分割の点からの対策と節税の点からの対策があるといえます。
節税の点からのアプローチだけでは、ご家族が「こうしたい」と思っている方向と一致しないケースもあります。
家族間での問題が起きないよう、一次相続や二次相続などの全体像を把握したうえで、お一人お一人に合った対策を決めていく必要があります。

将来の相続や税金のことなど気になっておられる方の中には、ご自身で色々と調べて勉強されている方も多くいらっしゃいます。ですが、世の中に情報が溢れているので、多くの情報をどう理解すればいいのか、あるいは自分の状況に置き換えるとどう整理すればいいのかなど悩まれる方も多いです。
そういったことでお悩みの方も、まずは専門家との相談を通して、ご自身の思いや状況・問題点などを整理ながら対策の方向性を決め、実行していくのがいいと思います。

聞き手：情報だけがたくさんあっても、きちんと整理し判断できていないと、選択した方法が自分にとって最善であるとは限らないということですね。

奥林さん：相談ではゆっくりご状況をお伺いすることで、その方にとって現時点での節税対策が必要なのか、将来的にどんな対策をするのがいいのか、あるいはこれまでやってきたことを見直すほうが先なのかなど、色々と課題がみえてきて、そこから考えられる対策をアドバイスすることができます。
また、相続税の負担は遺産の分け方によっても変わってくるため、遺言書を作るために内容を決めていく際は、遺産分割の面だけでなく税金の面など多角的に検討し、進めていくことが大切です。ご自身だけの判断ではなく、相続の専門家に相談しながら一緒に悩みや考えを整理していくのをおすすめします。

聞き手：専門家から適切なアドバイスを貰うことで、自分だけでは考えきれない自分にとっての最善な対策を見つけることができそうですね。
本日はありがとうございました。

奥林さん：こちらこそ、ありがとうございました。



はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。