遺言書は資産に関係なく誰もが用意しておくべきものとのことで、一体なぜなのか、詳しくご説明していただいています。

はじめての相続だけの特別なインタビューです！
ぜひご覧ください！

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聞き手：本日はよろしくお願いいたします。まず基本的なところからで恐縮なのですが、行政書士とはどのようなことをする先生なのでしょうか？

宮武さん：行政書士は「身近な街の法律家」と言われている存在です。役所への申請・届出、相続・遺言、契約書等の相談・作成を専門業務としています。行政書士の中には建設業許可申請や外国人の在留資格申請等を得意とされている方もいますが、私は相続遺言に特化した行政書士です。

聞き手：「遺言書を書いておいた方が良い」とはよく聞きますが、実際に遺言書を書かれている方は多いのでしょうか？

宮武さん：多くはありません。

聞き手：どうして遺言書を作る方が少ないのでしょうか？

宮武さん：日本人には死後のことを先々まで考える文化がないからだと思います。実際に、イギリスでは半数以上方が遺言を残しているようですが、日本は1割程度と言われています。日本では遺言書に対するイメージは明るくはないですし、終い支度だと認識してしまうことから、取り組むなかで気分が落ち込んでしまう方もいます。ただ遺言書は自分が死んだあとでも大事な人を守れる防衛の手段です。特に日本人は普段からお金のことについて話し合わないため、相続の場ではこれに関するトラブルが発生する可能性があります。私は遺言書こそ、相続における揉め事をなくす切り札的な存在だと思っています。

聞き手：具体的に遺言書はどんな方に有効なのでしょうか？

宮武さん：どなたでも遺言書があることが望ましいです。相続人の数が多い、家族の仲が良くない等の場合における遺産争いを未然に防ぐだけでなく、相続人の手続の負担を軽くしてあげることができます。また、再婚されている方や子どもがいない方、相続人が遠方にお住まいの方、財産が多い方には特に生前に遺言を用意することをおすすめしています。また相続人に未成年の子どもがいたり、認知症の方がいらっしゃる場合も事前に対策をしておくことでスムーズに相続ができます。

聞き手：相続の際に注意したほうが良い財産はありますか？

宮武さん：分けられない財産ですね。特に不動産や美術品、高価な自動車など、現金と違って分けて使うことが難しい財産をお持ちの方は注意したほうが良いです。

聞き手：分けられないとなると、相続人の人数が増えるとさらに複雑になりそうですね。

宮武さん：はい。だからこそ、遺言書が必要です。大人数の相続も遺言書があればスムーズにできますし、そもそも遺言があれば遺産分けの話し合いが必要ないことが大きいです。遺言書だけでなく、ご本人が生前にご家族と相続について話し合いの場を持つことが、円満でスムーズな相続につながると思います。

聞き手：相続をする上で重要な書類だからこそ、しっかりと士業の先生に作ってもらうのが重要ですね。

宮武さん：口頭の遺言だと効力がないので、ぜひ書面に残してほしいです。死後にすぐに揉めなくとも、後々問題になっていくこともあるので、対策はとても大切だと相続のセミナーでもお伝えしています。
遺言を作らない場合でも、せめて預金通帳の場所や、自分の財産のありかをリスト化するだけでもご遺族の方はすごく助かると思います。

聞き手：財産が少ない方でも遺言書は必要ですか？

宮武さん：そうですね。「お金持ってないから別に遺言とか作らなくていいや」と安直に考えてしまうのも良くありません。遺言で争うのは資産家のイメージがどうしても強いですが、たいていの方にとっては遺言書はあった方が望ましい思いますので、ぜひお気軽にご相談いただけると嬉しいです。

聞き手：事前に遺言書を作っておくことがどれほど大切なのかがよくわかりました。本日はありがとうございました！


はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。