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■専門家インタビュー

2021/10/08

書面添付制度とは? 実は税務調査対策の切り札なんです!

今回は「ベンチャーサポート相続税理士法人」代表の古尾谷裕昭さんに「税務調査に入られないためにどうすればいいのか」について聞いてきました。


 「書面添付制度」とは、税理士が「この申告は適正に行われていることを保証します」という保証書のようなものです。
対応している税理士もまだ少ない書面添付制度を「ベンチャーサポート相続税理士法人」では積極的に活用しています。
ここだけの特別なインタビューですので、ぜひご覧ください。

聞き手:こんにちは。お忙しい中ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。

古尾谷さん:いえいえ。こちらこそよろしくお願いします。

聞き手:早速ですが、「ベンチャーサポート相続税理士法人」では「書面添付制度」を積極的に活用されていますよね。
税理士さんにとってリスクの高いものだと聞いておりますが、どういった思いからこちらはされているんですか?

古尾谷さん:そもそも相続税の申告は他の税金と比べても税務調査が入りやすいんです。
相続税申告を完了したとしても、そのうちの約2割には税務調査が入ります。
基本調査となると、税務調査官が被相続人の自宅に来て、故人や相続人の質問を受けたり、過去の通帳の入出金記録等について使途を聞かれたり、家の大切なものを保管している金庫や場所を確認してきます。大抵1-2日間はかかります。

聞き手:聞いてはいましたが、税務調査に入られるのはとても負担になりますね。

古尾谷さん:ご年配の方ですと、ストレスや負担はより大きくなりますね。
おばあちゃんなんかはもう泣いてしまって、そういった状況を見ると心が痛みます。
税理士さんに頼んでやったのに、税務調査のとき必ずしも税理士が近くにいてくれるわけでもないですし。

聞き手:不安が大きいですよね。どうすればいいのかもわからないし、ただただ茫然としてしまいそうです。

古尾谷さん:そうですね。ですので、その対策として「書面添付制度」を積極的に使っています。

聞き手:「書面添付制度」とはどういったものなんですか?

古尾谷さん:「書面添付制度」とは、いわば申告の保証書のようなものです。税理士が「この申告は適正に行われたことを保証します」という表現がわかりやすいでしょうか。
書面添付のある相続税申告書であれば、もし税務調査の対象となった場合でも、税務署はすぐに実地調査に入ることができません。
まずは疑義がかかる内容を税理士に確認していくという流れとになります。
税務署と税理士との間で問題が解決すれば、税務調査は省略されます。

聞き手:それはとても安心ですね。「書面添付制度」があるだけでそんなにも違うんですね。

古尾谷さん:相続税の税務調査で指摘事項が出てくる可能性は非常に高くなっています。
その意味で、税務調査に入られると大半の方に延滞税などの罰金がとられることになり、最終的に多くの税金がかかりますし、調査に対応する時間であったり、心身的なストレスというのもかかってきます。
書面添付制度を行うことで調査確率を減らすことができるため、メリットは大きいと考えています。

聞き手:税理士に相続税申告を依頼するだけでは税務調査が入らないということにはならないということですね。

古尾谷さん:そうですね。相続専門の税理士に依頼して行った申告であっても関係ありません。
税理士に依頼をせずに自分で申告をした方については調査確率はより高まる傾向にあります。

聞き手:それは初めて知りました。だったら余計「書面添付制度」は必要になってきますね。

古尾谷さん:「書面添付制度」はその精度を求められますし、もし虚偽の記載等があった場合には最悪、税理士資格がはく奪されるといったこともありえます。
その意味で書面添付を行っている税理士がまだ少ないというのが現状です。
書面添付を行っている税理士かどうかを依頼前に確認していく必要があります。

聞き手:そうですね。古尾谷さんは「これだけはいろんな人に伝えたい」といった事柄などありますか?

古尾谷さん:う~ん。そうですね。やっぱり早めに相談しに来てほしいってことですかね。

聞き手:期限があるからですかね?

古尾谷さん:相続税は相続開始を知った日から10カ月以内に申告をしなければなりません。
意外に10カ月というのはあっという間に過ぎてしまうんですね。
相続税申告のためにやるべき手続きは非常に多いです。
財産の洗い出しにも時間がかかりますし、税理士による財産評価も時間はかかってきます。
期限直前の依頼となりますと、その後の相続人間で行う遺産分割協議はなかなかすぐに固まるものではありませんから遺産分割が確定せず、申告期限までに申告が間に合わないということになってしまいます。

聞き手:相続が起きたらなるべく早めの段階で相談するのが良さそうですね。本日はありがとうございました。

古尾谷さん:こちらこそありがとうございました

詳しくはベンチャーサポート相続税理士法人 東京銀座オフィス紹介ページをご覧ください。


はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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