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■専門家インタビュー

2021/12/17

遺言書の書き方について

今回はくさかり行政書士事務所、草刈直尋さんに相続についてわかりやすく解説してもらいました!遺言書はどういったものか、どんなことに気を付ければいいのか皆さんが知りたい事をたっぷりお聞きしてきました!


「はじめての相続」だけの特別なインタビューです!
ぜひご覧ください!

くさかり行政書士事務所HPはこちら

聞き手:こんにちは。よろしくお願いいたします。
まず、そもそもなんですが相続とはどういったものなんですか?

草刈さん:例えば相続で一番わかりやすいのは法定相続になるかと思います。法定相続とは民法で相続の割合が決められているので、決められた範囲の中で、この人にはどれくらい財産を残していくかが死後に分かります。

聞き手:よく相続などで被相続人という言葉を聞きます。被相続人とはどういった意味でしょうか?

草刈さん:被相続人とは、財産を残して亡くなっていった方のことです。自分が相続したい人を指名する人ですね。被相続人が誰に相続するか決めることが出来ます。遺言ですね。

聞き手:では、遺言とはどのようなものでしょうか?

草刈さん:例えば自分が病気で亡くなったときに、自分の持っている財産を誰に受け取ってもらい、相続してもらうのかというのを自分が元気なうちに遺言書にしたためておくものです。争いがないようにするには遺言書が必要になりますし、自分の意思を相続する方にしっかりと伝わります。

聞き手:行政書士に遺言を依頼するイメージが強いですが、実際はどのように進めていくんですか?

草刈さん:ご依頼者様が自分の財産を特定の方に残したいんだけど遺言書をどのように書いたらいいか教えてほしいと聞かれたとします。

最初に、遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などがあることを伝え、それぞれのメリットデメリットをご説明したのちにその方の金融資産や不動産についてお聞きし、誰に何を残したいかを確認します。
そして遺言書作成するにあたり、どのような手順でどれくらいの費用がかかるかをお知らせいたします。 公正証書遺言の場合ですと、原本を公証役場で原則20年保管しますし、保管の必要があるときは更に延長して保管してくれます。
公正証書遺言の場合は相続財産額により公証人にお支払いする費用が異なりますので概算のみをお知らせいたします。例えば、行政書士がご依頼者様から公正遺言書案の作成、戸籍・不動産登記等の調査等の報酬や公証人にどれくらいの費用がかかるのかを説明し、その上で委任していただけるかをお話していきます。

行政書士としては遺産の分割方法や割合・遺言執行者等ご依頼者様の要望に沿った内容の遺言書案を作成し、公証人と打ち合わせ行い、ご依頼者様にお伝えしした後、遺言書が正式に成立する日程を調整します。 場所は、最寄りの公証役場でもご指定場所(自宅)でも大丈夫です。
公正証書遺言は公証人によってご依頼者様と証人2名の立会いのもとで作成されますので効力が一番あります。
このように、行政書士は最初のご相談から立ち会って遺言書が成立するところまで関与できます。
ただし行政書士の業務では、この相続は争いになる可能性が場合は関与できませんので弁護士に依頼します。

聞き手:遺言の効力として強いのは、公正証書遺言ということで間違いないですか?

草刈さん:そうですね、ご自身で書く自筆証書遺言に比べると公正証書遺言の方が確実ですね。少しお金かかりますけど、20年間法律で保管される義務がありますし、保管の必要があるときは更に保管してくれますので、しっかりと残すことができます。

聞き手:遺言を書くときにどういった内容を書いていけばいいのでしょうか?

草刈さん:例えば公正証書遺言であれば、自分の名前と住んでいる場所、財産はどれくらいあって、この財産はどなたに渡すのかを書きます。1人に財産を渡すのか、複数の方に渡すのかなど様々なパターンが出てきます。ですので、事前に自分の財産を把握し、どの財産を誰に相続しておくか決めなければいけないですね。
我々行政書士でもお調べすることができますのでご安心してご依頼ください。

聞き手:遺言書の中には付言事項というものがありますが、これを書いておいて! というアドバイスはありますか?

草刈さん:実際の遺言書の中身に書かないような部分を書ける部分があるので、そのことを書いていけば良いと思います。
例えば、「私が亡くなった後、遺産分割で苦労しないようにこの遺言書を残します。」等です。

聞き手:遺言を書くときのコツはありますか?

草刈さん:実際に遺言を書くときは手紙を書いてるわけではなく、あくまでもどれぐらいの財産がどこにあるかを書いてください。銀行のお金は分かりやすいかと思いますが、不動産を所有しているかきちんと調べる必要があります。そうなると専門の方に依頼して調べた方が良いですね。

現在では、きちんと相続されてない土地が日本全国にかなりあります。固定資産税などが発生してないと、どの様な土地が何所にあるのか分かりません。何十年も経った後に「相続されてない土地がありますよ」と連絡が来て、その際に別途法定相続人を調べると、相続人がとても多くて、どこに住んでいるかも分からないことがあります。そうなった時に苦労しない様に不動産の把握や法定相続人がどれだけいるのかはなるべく事前に把握できた方が良いですね。
不動産はその土地の所有権を渡したのか、それとも貸しているのか、土地を取られてと勝手に人が住んでいるのかなど色々なケースがありますので注意が必要です。

聞き手:これから相続について考える方に対して何かしておいた方がいいことのアドバイスはありますか?

草刈さん:相続を考えるにあたり、遺言者が自分でしっかりと相続を決められる状態か分からないですよね。当然お年寄りになってから相続を考える方もいれば、病気が進行してから遺言を書く人もいると思いますので一概には言えないですが、どの財産を・誰に・どうしたいか・ということを決めてください。すごくふわっと曖昧な回答しか持っていない人もいるので、きちんと決めておくことをお勧めいたします。
ただし、遺留分がどれぐらいあるかなどもう一度調べる必要が出てくることもあります。
こうしたことを考えると、専門業者に任せることもおすすめです。例えば公正証書遺言は遺言書を書いた後に、公証人の先生も確認ができるため、きちんとした遺言書として認めてもらうことができます。
遺言書は残りの人生をしっかりと過ごすための決意書や宣言書のように捉える方もいらっしゃいます。

聞き手:最後に相続をする上で、注意するべきことを教えてください。

草刈さん:相続の中で、間違えやすいところは遺言書、そして遺産分割協議です。意味の違いが分からず勘違いする方が多くいると思います。
遺言書は先ほどもお話した通り、被相続人が遺産をどのようにするかを決めることが出来ます。
遺産分割協議は、亡くなられて遺言書がない場合に法定相続として、法律通りに分割するのか、もしくは自宅で療養介護をしていた人にも財産を渡すのかをするのかなどを話し合います。しかし、遺言書なしで財産を分け合うと争いが出やすいですね。
行政書士も遺産分割書を書きますが、そこで争いが起きるようだったら弁護士の業務になります。
相続というのは、あくまでもその方が亡くなられた方が次の世代にどのように財産を守って、受けとってもらえるかという話になります。
相続する本人が元気で生きてられて、遺言を書くのであれば、意思が受け継がれるので争いは起きにくくなります。そのことを考えて遺言書を作成してください。

聞き手:本日はありがとうございました。


はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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