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■専門家インタビュー

2022/01/06

相続で「もめない」ための最強の生前対策とは?

今回は「行政書士マルケン事務所」代表の福本健一さんに「行政書士がサポートする相続の手続き」について聞いてきました。


ここだけの特別なインタビューですので、ぜひご覧ください。

行政書士マルケン事務所紹介ページはこちら!

聞き手:こんにちは。お忙しい中ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。

福本さん:いえいえ。こちらこそよろしくお願いします。

聞き手:早速ですが、相続の手続きの面で行政書士としてどのようなサポートをされてきましたか?

福本さん:まずは人が亡くなりますと、葬儀業者が死亡届を出します。その後、死亡届は市区町村役場に反映されて、役場から本籍地の役場に連絡がいきます。そうすると、除籍、つまり戸籍の中からその人が除かれます。
相続の手続きとして、その人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を全て要求されるんです。なぜかというと、相続人が誰なのかを確定するためです。

多くの方は結婚などで転籍しています。そうすると、全ての役所に戸籍を請求しないといけないので、これがかなり煩雑な作業になります。 行政書士は、依頼があれば戸籍や住民票を職権で取れるんです。なので、こちらにお任せいただけますと、戸籍の請求を全て代行いたします。お客様の貴重なお時間を節約することができるんですね。

聞き手:煩雑な作業のサポートをされておられるんですね。

福本さん:そうですね。戸籍が全てそろうと、弊事務所の業務としては相続関係説明図というのを作成します。家系図のような形で、相続人、被相続人、亡くなった方が誰かという人間関係を書いていくわけです。
子どもがいない方の場合というのは、相続人は配偶者、そして自分の親になります。親がもう亡くなっている場合は、兄弟姉妹になります。そうすると、兄弟姉妹の戸籍を全部取らないといけなくなります。なので、戸籍を何枚か取って終わりの人もいますし、何十枚も取らなくちゃいけないという人もいます。これが非常に煩雑なんです。
お子さんがいないご夫婦で、相続財産の相続人が兄弟姉妹となる場合、これがけっこうもめる元になります。

聞き手:相続を争うことになるということですね?

福本さん:そうなんです。兄弟姉妹だと、音信不通になったりとか、あるいは仲たがいしていることがあるわけなんです。相続の手続きをするには、そういう人に連絡を取って印鑑をもらわないといけない部分が出てくるので、そこら辺が非常に煩雑なんです。
財産分与の割合は、兄弟姉妹が4分の1です。仮に4000万円の財産があったら、1000万円になります。1000万円は大きい額ですよね。それを仲たがいしていた弟なり妹なりにあげなくちゃいけない、あるいは小姑問題で折り合いが悪かったところにお金をあげなくちゃいけないというと、非常に嫌な思いをします。
聞き手:何か対処方法はありますか?

福本さん:そういう人たちには、「遺言を書いてください」とアドバイスしています。
通常は遺留分があります。要するに、認められた法定相続分の半分は相続人がもらえるという権利ですが、兄弟姉妹には遺留分はないんです。0なんですね。なので、遺言で「兄弟姉妹じゃなくて配偶者に全部財産をあげるよ」と言っておけば問題ありません。

聞き手:そうなんですか。

福本さん:だから、お子さんがいないご夫婦は、「自分の財産は全て配偶者にあげるよ」という遺言をしておけば、兄弟姉妹は文句を言えないんです。

聞き手:なるほど。

福本さん:今、お子さんがいらっしゃらない方も多いですから、いい歳になったときに、それは考えておいたほうがいいんじゃないかというお話はしています。

聞き手:お子さんのいないご夫婦に関しては、どちらかが亡くなったときの財産について前もって話しておくと、余計なもめ事がなくなるということですね。

福本さん:そうですね。昔、実際にあった事例で、被相続人の異母弟で全く縁がなかった人に1000万円を払った方がおられました。目をつぶってほしいと相続人の奥さんに言ったんですけど、相手は障害を抱えた子がいるという話で、もらえるお金はもらっておきたいということでした。
これも遺言しておけば相続の権利が発生しないので、兄弟姉妹にはお金を払わなくてよかったということになるんです。

聞き手:遺言がなければ、そういう兄弟姉妹に相続権が発生してくるということですね。

福本さん:法定相続分がありますから、それに従って払わないといけないという部分です。支払わないと印鑑を押してもらえなくて、印鑑がないと手続きができません。だから法定相続分の4分の1の財産をあげるので、印鑑を押してよという話になったわけです。

聞き手:そういうときのために、遺言が大切になってくるんですね。

福本さん:そうですね。今後はこういう問題が多くなってくると思うので、相続の中で遺言業務というのも一つ大きな業務になってくると思います。

聞き手:本日はありがとうございました。

福本さん:ありがとうございました。



はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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