沖縄ならではの相続の特徴はどういったものがあるんでしょうか？
「はじめての相続」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください！


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聞き手:こんにちは。よろしくお願いいたします。
沖縄の相続の特徴はなにかありますか？

石川さん:多いのは地主さん案件です。預金は全然ないのですが、土地がたくさんある方ですね。あと特徴的なのが、底地が多いことです。

聞き手:そうなんですね。申告の際、地主さん案件で大変だったことはありましたか？

石川さん:そうですね。沖縄は地域によっては土地がめちゃめちゃだったりするんです。普通であれば、１つの土地の上に家が１つ建っていますが、とある地域では土地の区分が斜めになっていることもあります。
どういうことかというと、自分の土地と他人から借りてきた土地の上に、家が建設されているということですね。区画整理されていれば分かりやすいのですが、どうしてこんな形の土地があるんだろうという、変わった形の土地が沖縄には存在します。不思議なことに、3人ぐらいずつから土地を借りてきて家を建てていることもあります。

聞き手:それは大変ですね。

石川さん:評価単位というものがあり、建物が複数あったり、土地が分かれているような場合は計算も難しくなるので、すごく大変だった記憶があります。

聞き手:不動産をたくさん持っている方が多いとのことでしたが、納税資金がない方には、どういった対策をとられてらっしゃいますか？

石川さん:はじめに、お客様のニーズのヒアリングからスタートします。
底地の場合や土地を貸している場合は、びっくりするぐらい地代が安いことがあります。その方の収入が多いのであれば話は別なんですが、ケースによっては収入が全然ないのに、土地の評価が高いことがあります。その際は土地の評価をきっちりと行い、税金を下げられるだけ下げますが、相続税だけでも結構大きな金額になってきます。そのため、まずはお客様に「どうしたいですか？」とヒアリングをします。

お客様の声を聞かないと良い提案にはならないですし、やはりご先祖様の土地を代々守っていきたい人や財産の色分けをして売りたい土地、売りたくない土地を決めたい方もいらっしゃいます。
そこから、土地の一部を売却して相続税を払うのか、借り入れをして10年・20年かけて払っていくのかなどその方の希望に沿った提案をしていきます。

聞き手:まずはヒアリングをしてからそれに沿った提案をするんですね。
他にも沖縄ならではの特徴があったら教えてください。

石川さん:沖縄の場合「とにかく税金を安くしたいです」という税額を重視する方が多いです。これも大切なニーズですので、お客様が望むような形に導いけるように工夫しています。
また他の地域より、税金対策で借金をしてアパートを建てようとする傾向が高い印象です。私は9割方おすすめしていないのですが、借金をしてアパートを建てて節税しましょう、という提案が沖縄では流行っています。

東京で土地があれば、駐車場、コンビニ、老人ホーム等、いくつかの選択肢の中からアパート建設を選ぶことができますが、沖縄は業者が少ないのでどうしても不動産の節税対策がアパート一択になりがちです。アパートの立地が良い場合には、もちろんそれで良いのですが、立地が悪い場所でも建築屋は儲かるので節税でアパート建てましょうと推してくるみたいですね。

聞き手:節税対策の選択肢がそもそも少ないんですね。

石川さん:はい。また、沖縄は名義預金も多いです。経営者の預金が500万円で専業主婦の奥様の預金が1億円あったこともあります。また、沖縄は家族がすごく多いので、お孫さま名義で預金が1,000万円あったり、まだ赤ちゃんにも関わらず、2,000万円の預金があるような案件もあります。

聞き手:赤ちゃんに2,000万円の預金はすごいですね。
石川さんがこれまでお客様と接してきた中で思い出に残ったエピソードはありますか？

石川さん:特殊な軍用地の相続案件はよく覚えています。
沖縄では軍用地の相続というものがよくあるのですが、ある相談者さんは相続する土地について他の税理士さんに相談をしたら、評価額が10億円、相続税が4億円かかると言われたそうです。他にも事務所を4件ほど回ったそうですが、どこも同じ回答だったそうで、途方にくれて私のところに相談にいらっしゃいました。

私はその土地の内容を見た瞬間に特殊な案件だと判断しました。私の結論として、評価額は8,000万円で、相続税は約1,500万円とお伝えしました。流石に他の税理士さんたちとの結論が違いすぎるので、相談者の方は後日税務署に相談をして、評価額8,000万円で良いか確認したそうです。すると、私の見解が合っているとのことだったので、最終的に私に依頼をしてくださいました。
相談者の方には契約の段階から涙ながらに喜んでいただきました。今までは、相続が終わった後に喜んでいただける方は沢山見てきましたが、契約前から感謝されて業務が始まったことは、とても印象に残っています。

聞き手:沖縄だと軍用地の相続はよくあることなんですね。

石川さん:はい、3件に1件ぐらいの割合で軍用地をお持ちです。これは沖縄ならではのことなので、もし相続資産の中に軍用地がある場合は、沖縄の相続の専門家に依頼することをおすすめします。

聞き手:最後に沖縄のお客様へのメッセージをお願いします。

石川さん:そうですね。これは私の事務所にご相談にくる方だけなのかもしれませんが、申告期限ギリギリにいらっしゃる方が多いんです。なので、期限ギリギリではなく、早めにご相談いただけると、お客様のニーズに沿ったご提案できます。
業務的にも早めにご相談いただけると大変ありがたいので早めに連絡してください。今はコロナ延長がありますが、いつまで使えるかわからないので、何度でも言いますが相続人になったら早めに動いてくださいね。

石川さん:本日はありがとうございました



はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
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子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。