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■専門家インタビュー

2021/11/26

資産をお持ちの方は注意! 税務署からのチェックが入りやすい名義預金と特別受益とは!?

今回は、資産をお持ちの方によくあるという名義預金と特別受益についてお話をお伺いしました。


これらは被相続人が亡くなったときではなく、生きているときに対策が必要になってきます!
いったいどんなものか、またどうすればいいのか「公認会計士酒井健一事務所」代表の酒井健一さんにお話を伺ってきました!
ここだけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!


聞き手:こんにちは。よろしくお願いいたします。
酒井さんは、初回の相談のときに必ず聞いていることとして「名義預金」と「特別受益」について聞いているそうですが、それはなぜなんですか?

酒井さん:まず、名義預金から説明しますね。
名義預金とは、本来は亡くなった方の資産ですが、名義だけ相続人のものになっているものです。
例えばお父さんが作った口座だけれど、名義は娘さん、息子さんになっているものですね。
被相続人が生前に贈与税の申告がしてあればいいのですが、そうでない場合も多いです。
申告していないと、これを税務署は隠し財産だと認識して、相続財産に加えます(これを俗に持ち戻し、と言います)。
実はこの名義預金、相続税の修正申告になるケースが多いです。

聞き手:親の真心といいますか、よかれと思ってしたことが裏目に出てしまうんですね。
これは何か対策があるんでしょうか?

酒井さん:ありますよ。私は銀行で残高証明をとるときは、被相続人のものだけでなく、相続人の名前でも取るようにと言っています。
そうすることで自分の知らない口座にお金があれば名義預金を見つけることが出来るんでね。そうすると、相続財産として申告すれば良いです。
あとから税務署に見つけられると修正申告で無申告加算税や延滞金をとられることになります。

聞き手:そうなんですね。残高証明をとるときは相続人の分も取ったほうがいいのは初めて知りました。 では、特別受益については何故聞いているんですか?

酒井さん:これは女性の方に多いものですね。もちろん男性でもあるんですが、例えば過大な結婚資金を貰っていた場合は特別受益になります。

聞き手:結婚資金がですか!?

酒井さん:「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という制度があるので、300万円くらいまでは無税というか問題にされないことが多いですが、例えば500万とか600万とか貰っているケースがありますね。
お父さんから「多めにあげるから住宅資金にしなさい」とか「残りはなんかあったときに使いなさい」とかで多めに貰っているケースがよくあります。

聞き手:よくありそうな話ですね。

酒井さん:結婚資金だけじゃなくて教育資金とかもですね。
どちらも300万円くらいまでなら大丈夫ですけど、資産家の方とかはそれ以上に渡しているケースが多いので。
なので、申告していない大金の移動があったなと思ったら気を付けてください。

聞き手:よかれと思って渡してしまっていて後々そこが課税対象になってしまうのは大変ですね。

酒井さん:そうなんですよ。だからこそ早めの対策をおすすめしています。
生きているうちから動かすお金に対してしっかりと対策をしておかないと、困るのは貰ったほうですからね。真心や親心が裏目にでてしまってはかわいそうですから。

聞き手: 相続人もある程度の年齢、成人したら知っておいたほうが良いことは沢山ありますね。
なるべくちゃんと父親とあらかじめ話しておくのがいいんでしょうね。

酒井さん:あー。息子さんや娘さんがお父さんに直接相続とか税金の話をするよりは、お母さんに「ちょっと不動産とか遺産とかうちは大丈夫かしら」ってお父さんに相談してもらって、そこで娘さん息子さんが「だったら専門家に相談してみたら?」て言ったほうが案外お父さんも意地はらずに話聞いてくれますかね。

聞き手: 娘さんや息子さんからはダメなんですね。

酒井さん:すねちゃうんですよ。オヤジっていうのは・・・(笑)

聞き手:聞こえ方によっては早く遺産が欲しいといったニュアンスになってしまう可能性がありますもんね。

酒井さん:そうですね。最初は夫婦で話し合ってもらうのがいいですかね。
あとはとにかく資産をお持ちの方は早めに税理士に相談してください。
大金を動かすときなどは少し言ってくれたら問題がない方法を教えられますので。

聞き手:大切なことですよね。子どものためにしたことが裏目に出てしまわないよう、みなさん早めに生前対策をしてください!

公認会計士酒井健一事務所紹介ページはこちら!

専門家インタビュー
生前対策は早めにやりましょう。重要なのはよく話し合っておくことです!

はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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