■専門家インタビュー
2021/11/26
フリーランスの相続対策について
会社員とは違い、フリーランスは自分でお金の管理をしっかりとする必要があります。
ですが、その情報を家族はどこまで知っているでしょうか。フリーランスで働いている人は、残される家族に対してどんな情報を共有したほうがいいのか、また、小林さんご自身でされている対策についてもお聞きしました。
加えて、小林さんが参加されている一般社団法人かぶきライフサポートでの活動についてもお聞きしてきました。
フリーランスとして活動されている中で、法人として活動することの必要性を感じたことが、活動に加わるきっかけだったそうです。
フリーランスで働かれている方、これからフリーランスとして働く方、またパートナーがフリーランスの方など、皆様ぜひご一読ください!
また、小林さんの他の専門家インタビューもぜひご覧ください!
税務調査ってどんなことをするの?ドラマとは違う実際の調査とは
一般社団法人かぶきライフサポート紹介ページはこちら
一般社団法人かぶきライフサポート対談インタビュー
聞き手:こんにちは。よろしくお願いします。
早速なんですが、小林さんにお聞きしたいことがありまして、フリーランスの方の相続対策はどういったことをしておけばいいでしょうか?
現在小林さんはフリーランスとしてお仕事されていますが、何か対策などされていますか?
小林さん:そうですね。節税を考えるより先に、自分の財産に関する情報をまとめることが大事だと思います。
会社員の方が亡くなった場合は、会社に情報がある程度あるのでわかりやすいんです。
例えば、給与の支払口座や、どこの保険に加入していたか、といった情報を会社は把握しているので、相続人が聞けば教えてもらえます。
ただ、フリーランスの場合は取引銀行や仕事での取引先、まだ貰っていない請求や逆に払わなければいけないものなど、色々な情報が本人しか分からない状態です。
聞き手:そうですよね。またそれを相続人が1から調べるのも大変ですね。
小林さん:そうですね。ただ、できる対策はあります。
特別なことではないんですが、フリーランスは毎年確定申告のために必ず帳簿を作らなければいけないですよね。なので、そこでしっかりとした帳簿をつくることが大事になってきます。
借入金、売掛金、未払い金など、帳簿にある程度の情報を残して、家族に引き継げるようにする必要がありますね。
聞き手:家族のためにも、フリーランスの方はしっかりと自分でお金の管理をすることが大切になってきますね。
小林さん:はい。また、フリーランスの方が働いている途中で亡くなってしまうと、亡くなった方の確定申告を残された人がやらなくてはいけないんですよ。
聞き手:例えば、奥様がフリーランス、旦那さんが会社員だった場合、会社員は確定申告したことがない方が多いと思うので余計大変ですね。
小林さん: フリーランスの方が亡くなると、死亡日から4か月以内に所得税の申告を、10か月以内に相続税の申告が必要ですからね。
想像以上に時間がありませんし、お仕事されている中ですとより大変だと思います。
聞き手:ちなみに、小林さん自身はどういった対策をされているんですか?
小林さん:今まで帳簿の作成や確定申告は自分1人でやっていたんですけれど、これからは少し妻にもやってもらおうかと思っています。
また、私は会社も作っているんですが、会社に関しては税理士さんにお願いしようかと考えています。やはり会社の帳簿までは妻の負担が大きすぎますので。
個人のものも、会社のものも今までは自分1人でやってきましたが、相続のことを考えると家族にお金のことを知っておいてもらうのは大切だと思います。
聞き手:そうなんですね。
ご家族に伝える情報としてはどういったものを想定されていますか?
小林さん:口座情報はしっかりとまとめようと思います。今はどこもオンラインですし、IDやパスワード、またプライベート用とビジネス用でわけているのでそこは家族が把握できるようにしておきたいですね。
問い合わせ先などもしっかりまとめようと考えています。
遺言も大事ですけど、それ以外の情報も大事だと考えています。
聞き手:財産の一覧は大切ですよね。また働くようになったら、会社員でも自分の口座情報や財産についてはある程度しっかりと管理することが大切ですね。
小林さん:そうですね。全てを完璧にするのは大変なので、主要なものだけでもしっかりと対策をすることが大切だと思います。
聞き手:ありがとうございます。
そういえば、小林さんは一般社団法人かぶきライフサポートに参加されていますが、加わろうと思ったきっかけなどはあるんですか?
小林さん:そうですね。まずメンバーとの出会いからお話しますと、代表の植崎とは最近知り合ったんですが、私と同じく理事になっている吉岡とは7年ほど前から交流がありました。
まだその頃、私は国税局にいてビジネススクールに通っていたんですが、そのときに吉岡と知り合いました。吉岡は当時銀行に勤めていました。
そこから少し連絡は途絶えていたんですが、本を出したタイミングで吉岡から連絡をもらい、会って近況報告などをしたんです。
話を聞くと、吉岡も銀行を辞めて、植崎のACCESS税理士・不動産鑑定士事務所に移った頃だったんです。
タイミングよく、私は『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)という不動産関係の本を出したばかりでしたから、不動産関係で何か一緒にできることがあるかも、という話になりました。
聞き手:そうだったんですね。ちなみに、小林さんはこれまでに一般社団法人を立ち上げようと思われたことはあったんですか?
小林さん:実はちょうどその頃考えていたんですよ。本を出版したことがきっかけで、お金の教育に関わる依頼や相談が増えてきました。
ただ、肩書がフリーライターだったので動きづらかったんです。なので、お金に関する一般社団法人を立ち上げれば、活動の幅を広げられるかな、と考えていましたね。
ちょうどその時に、一般社団法人かぶきライフサポートに誘われたという形です。
聞き手:本当にタイミングがよかったんですね。もう活動は始まっているのですか?
小林さん:はい。私がもともとつながりのあった建築士の方を通じて、ある土地の再開発事業に関わらせていただくことになりました。いわゆるまちづくりにも関係するプロジェクトです。
不動産に関しては、やはり法律面で色々と問題が出てくるので、一般社団法人かぶきライフサポートもプロジェクトに参加させていただいています。
聞き手:一般社団法人かぶきライフサポートではリバースモーゲージといった不動産投資に関する部分で、少し自分とは縁がないな、と思われてしまう方も最初のうちはいらっしゃるかもしれませんが、まちづくりとなると、より多くの方の関心を引くかと思います。
小林さん:そうですね。これから色々な活動ができるよう頑張りたいです。
聞き手:活動の幅が増えたことで、より色々な方の目に小林さんの文章や考えが広まるかと思います。
本日はありがとうございました。
小林さん:こちらこそ、ありがとうございました。
フリーランスで働く方は自分のため、また自分に何かあったときのためにもしっかりとお金の管理をすること、またその情報を伝えておくことが重要になってきますね!
そして、このインタビューを読んで、もっと小林さんのインタビューを読みたいと思った方はぜひこちらの記事もご覧ください!
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はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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