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■専門家インタビュー

2021/11/26

税務調査ってどんなことをするの?ドラマとは違う実際の調査とは

今回、元東京国税局の職員で現在はマネーライターとして活躍されている小林義崇さんに、これまでのご経験や広めたいことについてお話を伺いました。


税務調査と聞くと、ドラマなどの荒々しいものをイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、実際は違うようです。また、小林さんが参加されている一般社団法人かぶきライフサポートでの活動についてもお聞きしてきました。

ここだけの特別なインタビューとなっていますので、ぜひご覧ください。

また、他の小林さんのインタビューもぜひご覧ください。
フリーランスの相続対策について


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一般社団法人かぶきライフサポート対談インタビュー

小林義崇さんプロフィール
元国税専門官、フリーランスライター、Y-MARK合同会社代表。
西南学院商学部卒業後、 2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、
以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応等に従事。
2017年7月、フリーライターに転身。マネージャンルの記事執筆をはじめ、インタビュー記事作成やセミナーなどを行っている。
著書に『すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)
『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)
『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社)など

聞き手:こんにちは。よろしくお願いいたします。
経歴を拝見して気になったので単刀直入にお聞きしますが、国税局ではどういったお仕事をされていたんですか?

小林さん:主に相続税の税務調査をしていました。

聞き手:そうなんですね。税務調査というとドラマとかのイメージが強いのですが、実際はどうなんですか?

小林さん:市役所とかの職員のように、「お話お聞きしてもいいですか?」といった感じでご自宅にお伺いします。あらかじめ電話でアポを取りますし、ドラマのように最初からすごい剣幕で押しかけるといったことはしないので安心してください。

聞き手:そうなんですね。ちょっと安心です。

小林さん:税務調査はあくまでも任意調査です。
また、調査のときは必ず身分証と質問検査証という税務調査する権利がありますよ、といった書類を持っています。
そういえば一度、税務調査で話を聞いたらオレオレ詐欺と勘違いされて、後で職場に電話がかかってきたことがありましたね。(笑)

聞き手:えぇ!そうなんですか!?

小林さん:まあ、普段生活していたら中々ないですからね。不審に思ってしまうのも仕方がないのかなとも思います。
ですがそのことがあって、やはり税務署を語って家に入ろうとする人も世の中にはいるのかな、とも思いました。
もし税務調査で職員が来ておかしいな、と思ったら身分証を確認してみてください。顔写真もしっかりとあります。

聞き手:イメージでいうと警察手帳みたいな感じでしょうか?

小林さん:そうですね。必ず職員は携帯していますので、もし出し渋るようなことがあれは、それは犯罪の可能性もあるので気を付けてください。

聞き手:貴重な情報ありがとうございます。
小林さんは、これまで様々な税務調査をご経験されてきたと思いますが、その経験から広めたい知識や思いなどはありますか?

小林さん:そうですね。節税に関しては色々と細かいテクニックがあるのですが、よく税務調査に入られやすいのは、実は相続人同士の仲が悪いところなんです。

聞き手:そうなんですか!?

小林さん:相続人が情報を隠していたり、申告が別々であったりすると調査の対象になりやすいですね。
なぜかというと、例えば、同居している娘さんが1人で申告書を出して、あとの残りの相続人たちがグループで申告書を出したとします。
その申告書を見ると、片方は資産1億円で申告して、もう片方は資産1億2千万円で申告している。そうすると情報が違いますから、どちらが正しいのかを確認するために調査をすることになりますね。
税務署はそれぞれの申告書だけを見ているのではなく、その相続全体を見ますので、やはり相続人同士で協力して、情報をひとつにまとめて申告することをおすすめします。

聞き手::情報が違えばそれは当然調査の対象になりますね。
明らかに申告が違う場合以外だと、税務署はどういったところを見て調査対象かを判断するんですか?

小林さん:税務調査には2つパターンがあると思っていて、1つは生前の収入に対して遺産が少ないケース、もう1つは特例関係ですね。
例えば、生前の年収が3千万円あるのに遺産が1億しかなければ何故お金がないのかと疑問が出てきます。また、被相続人が住んでいた土地に小規模宅地等の特例を使っていたら、実際にそこに住んで生活していたのかを確認することがあります。

聞き手:そうなんですね。

小林さん:生前の収入に対して資産が少ないことに関しては、例えばギャンブルに使っていたとか、生活が派手だった、など、ありのままの理由をお話いただければ大丈夫です。
高収入だからといって、必ずしもお金が残っているわけではありませんから、調査の際はきちんと正直に話せばわかってもらえます。できれば、お金を使ったことの証拠となる領収書などを提示するといいでしょう。
また、知らないことがあったら、そこは正直に知らないと言っていただければ大丈夫です。どうしても税務署が知りたい情報であれば、しっかり銀行などを調べますから。

聞き手:調査と聞くと、わからなくても何かしら答えなければいけないと思ってしまいますが、知らないことは知らないと答えても大丈夫なんですね。

小林さん:はい。そこは心配されなくても大丈夫です。
やはり一番財産について知っているのは亡くなられた方ですし、相続人の方が全て知っているとは調査官も思っていないので、基本的にちゃんと説明して頂けたら大丈夫です。ただ、嘘をついているとか、何か隠していると思ったら調査官の態度が厳しくなることがありますね。
なので、しっかりと説明していただければそれほど問い詰められるといったこともありませんので安心してください。

聞き手:それを聞いて安心する方も多くいらっしゃると思います。
今のお話を聞いていると、よくドラマなどで見る家の中がぐちゃぐちゃになるといったこともないのでしょうか?

小林さん:調査官は、たとえお金などを見つけても勝手に触りませんし、また故人のお部屋を拝見するときも、必ず許可を頂いてからになります。調べたいもの、見たいものがあれば逐一確認をとって、了承を得てからと規則でなっているので、ドラマのように一方的に荒らすようなことはしないです。

聞き手:じゃあ、ドラマとかで見る税務調査は演出なんですね。

小林さん:そうですね。脚色が強いものもあるなと思います。
また、個人的におすすめなのは、「書面添付制度」です。

聞き手:そういった制度があるんですね。
「書面添付制度」とはどういったものなんですか?

小林さん:申告の際に「書面添付制度」を活用すれば、もし税務署が申告されたものについて聞きたい事があったとき、納税者ではなく担当した税理士に話を聞くことになっています。なので、これを使えばいきなり自宅などで税務調査が行われるのを防ぐことができます。

聞き手:相続人の負担が減るのはとてもいいですね。ぜひこの制度がより広まるといいです。

小林さん:税務署側としても、税理士さんに話を聞いて、それで解決できれば調査を終えることができますので、もし税理士さんに申告をお願いされる場合は依頼してみてください。

聞き手:わかりました。では、他に何かご経験から「こういったことはやめたほうがいいよ」といったものはありますでしょうか?

小林さん:そうですね。税務職員をしていて思ったのは、不動産ばかり持っている人の相続はかなりしんどいなと思いますね。現金や預金と違って土地建物だと、そもそも相続人の間で分けづらいので。
それに、不動産があっても納税資金がなければ売る必要がありますし、物納といって不動産を税務署に納めることもできますけど、とにかくややこしい話がでてくるんですよ。

聞き手:不動産は金額もより大きくなりますし、相続人の負担はとても大きいですよね。

小林さん:多くの不動産を持っている方の中には、申告書上ではとても資産家なのに、実際の生活は厳しいといったケースもよくあります。
税金ばかりかかってしまって、現金が手元に残らないんです。
なので、そういった所を、私が参画することになった一般社団法人かぶきライフサポートでは、金融の仕組みをうまく利用する方法などを広めていきたいですね。

聞き手:一般社団法人かぶきライフサポートは2021年10月から本格的に活動をしていきますよね。小林さんはどういったサポートを行うんですか?

小林さん:一般社団法人かぶきライフサポートでは、主に相続と不動産を絡めたサポートを行っていきます。
相続の問題は明らかに今後世の中に広まっていきますし、その中でも不動産は重要になってくると思うからです。
これまでは親の家を子や孫が継いで、住み続けるのが一般的でしたが、今はそういったケースも少なく、家の処分問題というのは今後課題になってくると考えています。
その中で、私たちは「リバースモーゲージ」という、不動産を担保にいれて資金を借り入れする方法を広めたいと考えています。もちろん、リスクもありますが、それ以上にメリットもあるので、わかりやすく正しい情報を広めていこうと考えています。

聞き手: 不動産の話で資産活用まで話が膨らんでくると、多くの人は詳しくないと思います。それに投資となると、現在はiDeCoやNISAが広まっていて知識がある人は増えましたが、不動産となると動かす額が大きいのでなかなか手が出せないといった方も多いかと思います。

小林さん:おっしゃる通りです。
また、税理士や士業の方への相談のハードルの高さというのもあるかと思います。
かぶきライフサポートで一緒に活動するメンバーには税理士もいますが、私は税理士などではないのでかえって悩みを打ち明けやすいという部分もあるかと思います。
そのお悩みを噛み砕きながら、専門家に繋げることができるでしょう。
それにライターという部分で興味を持ってくれる人もいるかと思いますから、より相談者にとって身近な存在でありたいと考えています。

聞き手: そうですね。中々士業の先生に話を聞くのはハードルが高いっていう方も多いのかと思います。
ですが、私たちにとって身近な存在の小林さんにならそこまで気負わずに話せそうです。それに小林さんは著書もヒットされていますし、読者の方からそういった問い合わせや感想を聞く機会も多いのかと思います。

小林さん:そうですね。実際に本を読んで相談に乗ってほしいといった声をいただいたこともあります。
ただ、私は税理士ではないので今まではお応えすることが難しかったんです。
ですが、これからはかぶきライフサポートという受け皿があるので専門家に繋げることができます。
また、これからはセミナーなどを通じて、お金の教育として、元職員としての知識や経験を伝えていきたいなと思います。

聞き手:それは素晴らしいですね。
また、一般社団法人かぶきライフサポートではYou Tubeチャンネルも開設されるご予定だとか?

小林さん:はい。私自身もYouTubeチャンネルを持っているので、そういった部分で、他のメンバーの手の届かない部分でサポートができたらいいなと考えています。

聞き手:これからの活動が楽しみですね。
私自身小林さんのチャンネルはよく拝見しているので楽しみです。

小林さん:ありがとうございます。これからどんどん発展できるよう力を合わせてやっていくので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

聞き手:本日はありがとうございました。

小林さん:こちらこそありがとうございました。

小林さんのインタビューをもっと読みたい方はこちらの記事もぜひご覧ください! 【フリーランスの相続対策について】

はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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