■お役立ちコラム特集
2021/05/17
贈与税はいくらからかかる? 計算方法や対策方法など紹介
今回は、そもそも贈与税とはどういうものなのか、贈与税の計算方法、贈与税を非課税または減額できる制度など、贈与税について詳しく解説します。
贈与税とは?
贈与税とは、個人から年間110万円以上の財産を受け取った際に、贈与を受けた人が負担する税金のことです。
贈与税の算定期間となる年間とは、1月1日から同年12月31日までとなります。
この1年間に受け取った財産の合計金額が110万円未満の場合には、贈与税の負担は必要ありません。
なお、現在新型コロナウイルス感染症緊急経済対策により、贈与税の税制上の措置があります。
詳細については下記よりご確認ください。
贈与税の計算は自分で出来る!贈与税の計算方法
贈与税は、受け取った人と自分の関係性により、計算方法が変わります。
しかし、基本的には計算をするにあたり、初めに贈与額から基礎控除額である110万円を差し引きます。
ここでは、一般贈与財産用、特例贈与財産用、一般贈与財産用と特例贈与財産用の計算方法をご紹介します。
一般贈与財産用の計算
一般贈与財産とは、特例贈与財産の要件を満たさない贈与財産のことを指します。
主に配偶者や配偶者の兄弟姉妹などの直系尊属以外の親族または他人から贈与財産を受けた場合です。
また、直系尊属であっても、財産を受け取った人の年齢が、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳未満の場合も、一般贈与財産に該当します。
一般贈与財産の贈与額を計算する場合には、一般税率を用います。一般贈与財産の贈与税の計算方法は下記の通りです。
⑴ 1年間の贈与財産の合計を計算し、合計額から基礎控除額の110万円を差し引く
⑵ 税率を計算する
⑶ 控除額を差し引く
実際に贈与税を計算してみましょう。
例:贈与財産の価値が500万円の場合
・基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
・贈与税額の計算 390万円×20%-25万円=53万円
特例贈与財産用の計算
特例贈与財産とは、祖父母や父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上の子どもや孫が受け取る財産のことを指します。
特例贈与財産は、一般贈与財産用よりも税率が低いため、贈与税も安い場合がほとんどです。
計算方法は一般贈与財産用とほとんど変わりませんが、特例贈与財産用の贈与税の計算には、一般税率ではなく特例税率を用います。
実際に特例贈与財産の贈与税を計算してみましょう。
例:贈与財産の価格が500万円の場合
・基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
・贈与税額の計算 390万円×15%-10万円=48.5万円
一般贈与財産用と特例贈与財産用の両方の計算が必要な場合
財産を受け取った年の1月1日時点で20歳以上の人が、配偶者と両親の両方から贈与を受けた場合には、一般贈与財産用と特例贈与財産用の両方の計算をしなくてはなりません。
この場合、全ての贈与財産を一般税率と、特例税率をそれぞれ算出し、両方の増税額を合計します。
贈与税がかかる場合とかからない場合
個人から贈与を受けたからといって、必ず贈与税が発生するわけではありません。贈与税が発生するケースと、発生しないケースをご紹介します。
該当する場合
贈与税は、現金や不動産、有価証券など、経済的な価値のある財産は基本的に全て課税対象です。
また、これらの財産以外にも、1年間で受けた贈与額が110万円を超えた場合や、親に自分の借金を返済してもらった場合、家の名義を夫婦共有にしているものの、資金はどちらかしか出していない場合なども、課税対象となります。
該当しない場合
贈与税に該当しないケースは大きく分けて下記の5つです。
⑴ 個人ではなく法人から贈与を受けた場合
⑵ 扶養義務者から生活費や教育費などの費用を負担してもらった場合
⑶ 選挙運動時に寄附金を受け取った場合
⑷ 香典や年末年始の贈答、見舞金などの社会通念として認められる場合
⑸ 心身障害者共済制度に基づく給付金を受けた場合
贈与税を非課税・減額できる制度や特例
贈与税は一般贈与財産よりも特例贈与財産の方が安いことがほとんどです。
しかし、贈与税には非課税または減額できる制度や特例があります。
これらを把握しておくことで、贈与税の納税が不要になったり安くできたりする可能性があるのです。
ここでは、非課税制度や特例を4つご紹介します。
110万円の基礎控除(暦年贈与)を利用しよう
贈与税は一人につき、1月1日~12月31日までの間に得た財産の合計金額から、110万円の基礎控除額を差し引いた残りの金額に対して課されます。
つまり、1年間の贈与額が110万円を超えなければ、贈与税はかかりません。
例えば、1,000万円分の贈与を受ける場合には、毎年110万円ずつ10年間贈与し続けるなどの工夫をすることで、1年間の贈与額が基礎控除額以内にすることが可能です。
贈与税の配偶者控除を利用しよう
贈与税には配偶者控除という非課税になる制度があります。この制度に該当する場合には、上手に活用しましょう。
【贈与税の配偶者控除とは?】
贈与税の配偶者控除とは、夫婦間で居住用不動産を購入したり、その不動産の建築資金を贈与したりした際に2,000万円までは贈与税が非課税になるという制度です。
この制度に該当する場合には、2,000万円以内に抑えることで贈与税を控除できます。
【配偶者控除には条件あり】
配偶者控除の適用には、下記の3つの要件があり、全てを満たしておく必要があります。
① 夫婦の婚姻期間が20年以上であること
② 贈与を受ける人が住む住宅または住宅を取得するための資金の贈与であること
③ 贈与を受けた人が、その翌年3月15日までに贈与により取得した不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること
教育資金の一括贈与を利用しよう
祖父母から贈与した財産を教育目的のみに利用する場合は、子ども一人当たり1,500万円以内であれば、贈与税が非課税になる制度です。
なお習い事や塾など、学校以外の教育資金にあてる場合には、500万円以内になります。
教育資金の一括贈与には、贈与を受ける孫が30歳未満であることが要件です。また、贈与税は税務署で納税しますが、教育資金の一括贈与に限り、金融機関を通して手続きを行わなければなりません。
住宅取得資金贈与を利用しよう
住宅取得資金贈与は、住宅を新築または増築する際に、直系尊属から資金提供を受けた場合に、最大1,200万円までの贈与税が非課税になる特例です。
暦年贈与、つまりその年の1月1日~12月31日までの間に贈与を受けた財産額の合計が110万円まで基礎控除となるため、2つの合計で1,310万円まで贈与税がかかりません。ただし、非課税対象となるためには3つの要件があり、全てを満たしていなければなりません。
要件は下記の通りです。
・贈与を受けた年の1月1日時点で、贈与を受けた人の年齢が20歳以上であること
・贈与税の申告で、平成21年分から平成26年分までの期間に「住宅取得等資金の贈与の非課税制度」の適用を受けていないこと
・贈与を受けた人の、贈与を受けた年の合計所得が2,000万円未満であること
まとめ
個人から受けた年間の贈与額の合計が、基礎控除額である110万円を超えた場合には、贈与税を納税しなければなりません。
贈与税は直系尊属か、20歳以上かなどにより、一般財産贈与と特例財産贈与に分けられ、それぞれで税率が異なります。要件を正しく把握して、上記の計算方法で税額を算出しましょう。
また、贈与税には非課税や減額にできる特例も複数あります。要件を満たす場合には、これらを活用して税額を安くするのがおすすめです。
はじめての相続編集部
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