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■お役立ちコラム特集

2021/05/17

親子間でも贈与税がかかる? 課税されないケースと節税方法解説

親子間で贈与を行う場合、マンションや住宅の購入資金や結婚や出産資金などある程度まとまったお金が必要となるタイミングで行われることが多いようです。

また、次の世代へ財産を残す方法として「生前贈与」があります。
親子間の贈与であっても、ある一定の金額を超えると贈与税が発生します。

どんな理由で贈与するかによっても変わってきますが、制度をよく理解してどんな形で贈与するのがよいのか検討する必要があります。

ここでは、贈与税がかかる条件と非課税になるケースや節税方法をパターン別に見ていきましょう。


贈与税とは? どんな時にかかるのかを解説

親から子へ一定額の財産を贈与すると、贈与税がかかります。

相続税を支払うことで一部のみに財産が集中するのを防ぎ、資産格差のない社会に近づけていこうという狙いがあります。

贈与税には非課税枠が存在するため、親が生きている間に子へ財産を贈与する場合、将来的に親が死亡して遺産を相続する場合と比較すると相続税対策として有効な手段となり得ます。

ただし、贈与税は申告しなければ支払わずに済むわけではありません。申告せずにいると様々なペナルティが課せられることになりますので正しく申告を行いましょう。


贈与額が年間110万円以下の場合

暦年(1月1日〜12月31日)ごとにお金を贈与することを、「暦年贈与」と言います。

1人あたり年間110万円までの非課税枠を利用し、資産を子や孫にうつすことができます。

一度に贈与しないで毎年小口で贈与することで税の負担なく、大事な資産を子に分け与えることができます。

また、必ずしもすべての資産を暦年贈与する必要はなく、何年間か毎年110万円を贈与したあと、相続税が発生しない控除枠内に収まる資産になれば相続という形で財産を残すことが可能です。

暦年贈与は、生前贈与の中でも特に効果的な相続税対策の1つとされています。

親子間で贈与税がかからない場合

親子間で税金がかからないケースがいくつかあります。

生活費や教育費、結婚資金などの贈与は、その金額が必要な範囲や一般常識範囲内でに限って贈与税がかかりません。

詳しくは以下に挙げていきます。


生活費や教育費

日常生活を送るための生活費や仕送り、教育費(学費や授業料・教材)など、実家を離れて一人暮らしをしている学生の子のための必要な範囲の金額には、贈与税はかかりません。

しかし、生活費として贈与されていたお金を使って株式購入や不動産購入など生活費や教育費以外の使い方をした場合は、贈与税がかかります。
親がそのつもりはなくても、子のお金の使い方まで把握できないこともありますので、注意が必要です。


結婚・出産費用

生活費と同じく、結婚や出産費用などにも贈与税はかかりません。

結納金やお祝い金に披露宴などを親が支払う場合も多いと思います。これらも常識的な範囲に限り、課税されません。


子供名義の名義預金

子どもに支払われる児童手当やお年玉など、親が一括で管理し将来のために子ども名義で銀行口座を作っている場合があります。
未成年や学生などの理由により親が管理をしている場合、贈与税は非課税です。


法人経由での贈与

贈与税は原則として個人から個人に金品の受け渡しに対してかかるので、法人から受け取った金品は贈与税の課税はされません。

金品を受け取った個人が法人の従業員や役員の場合、給与となり所得税や住民税などがかかってきます。

また、法人と関係がない場合、一時的な収入として所得税がかかります。「総収入額−その収入を得るための支出−特別控除」から算出される金額の半分が他の所得と一緒に計算されて所得税の対象となりますので、注意が必要です。


親子間で贈与税がかかる場合

親子間の贈与で税金がかかるケースは内容によっては認められない事もありますので、確認していきましょう。

親子間での高額な金銭貸借

子が多額の現金を必要として困っている場合、親が援助しようと貸付金としてお金を渡すことがあります。

貸付金には税金はかかりませんが、あまりに高額であったり、契約書など書面での約束が取り交わされていなかったりする場合は貸付金ではなく贈与とみなされることがあるので注意が必要です。

親が貸付金としていたはずのお金を返却不要とし場合、子はその額分の贈与を受けたこととなり、贈与税が課税されます。


市場価格より安値の売買を行った場合

市場価格での物の売買であれば問題ありませんが、贈与税がかからないように市場価値に比べて著しく低い金額で売買する行為は、その物の実質的な利益分は贈与に値するとみなされて贈与税が課税されることがあります。

この行為を、「みなし贈与」と呼びます。

この相場価格から大きく外れた安い金額とはどのくらいの金額をいうのかという定義は特にありません。市場価格より安く売買しようとしている場合は、専門家など詳しい人に相談しましょう。


ローンの肩代わり

直接お金を渡したわけではなくても、贈与税がかかる場合があります。

子の名義のマンションの住宅ローンや自動車ローンなど代わりに返済した場合、肩代わりした金額分は親から子への贈与とみなされます。

住宅ローンの返済や自動車ローンは、返済できなくなれば立ち退きや売却など生活に差し支えが生じますが、この場合「払う」ではなく「貸す」状態にして契約書などを作成しておく必要があります。


贈与税が非課税になるケースを紹介

贈与税は思いもかけないことで課税されたり非課税になったりと、知っていないと損をすることやペナルティを課せられることがあるので注意が必要です。

ここでは、非課税になるケースについてご紹介していきます。


配偶者控除(おしどり贈与)

夫婦の間で居住するための不動産や購入資金を贈与した時、2,000万円まで非課税となります。

暦年贈与の非課税枠と合わせると2,110万円となり、1人の配偶者につき1回のみ適用となります。婚姻期間が20年以上で、贈与された人は翌年の3月15日までにその不動産に居住することが条件となります。

ただし、せっかくこの特例を利用しようとしても、申告しなければ非課税とはならないので、注意してください。

贈与は夫から妻でも、妻から夫でも構いません。


相続時精算課税制度を利用

贈与する人が亡くなるまでに贈与したお金と遺産をまとめて課税するものです。

これが適用となると2,500万円まで非課税となり複数年に渡り通算するので、1年目に1,500万円の贈与があると、2年目以降は非課税制度が1,000万円となります。

2,500万円を超えてしまうと課税対象となりますが、贈与する人が亡くなり相続税を申告すると精算が可能です。

適用条件は以下の通りとなります。

・贈与者は贈与があった年の1月1日時点で60歳以上の父母・祖父母
・受贈者は贈与があった年の1月1日時点で20歳以上の子・孫

相続時精算課税制度は一度適用すると撤回できず、暦年贈与の年間110万円の非課税枠とは併用できません。


まとめ

親から子へ贈与を行う場合、財産を残したい気持ちや困っているときに助けになりたい気持ちを持っていることが多いのではないでしょうか。

しかし、贈与をして結果的に損にならないのか、また課税対象にならないのかを常にチェックしながら行動することが効果的な節税方法のためにも大切です。

お金の問題は複雑なことも多いですが、正しく理解しておきましょう。


はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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