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■お役立ちコラム特集

2021/06/09

相続税の税率と税率計算の方法を解説

相続税の額がいくらくらいになるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

相続税は、遺産額に比例して税率が上がっていく超過累進課税制をとっています。
法定相続人がもらう遺産の額が大きくなるほど納める税金の税率も高くなっていく仕組みです。

そのため、相続税の計算をする際は
「それぞれが取得した財産に直接税率を掛ける」といった単純計算はできません。

相続税の計算は複雑で難しいように感じてしまうかもしれませんが、
仕組みを理解すればご自身でも計算することが可能です。

今回は、相続税の税率や税率計算の方法について解説します。

相続税の税率

相続税の仕組みは、相続する金額が多いと税率が上がっていく仕組みになっていて、
このことを「超過累進課税」といいます。
亡くなられた方の遺産を相続する法定相続人が相続する額が大きいほど、税率は高くなるように税金が計算されてしまうのです。

ただし、相続額のすべてがこの税率で計算されるわけではありません。
相続する遺産から基礎控除の控除額を差し引いたあと、相続する人数でそれぞれ按分した金額で計算しますので、思ったほど高額にならないことも少なくありません。

相続税の速算表は以下の通りです。

相続税の速算一覧

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額

1,000万円以下 10% –
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

この速算表をもとに法定相続人ごとの税額を計算し、合計したものが納める相続税の総額です。

ただし、この表があるからと言って単純に税率と税額を求められるわけではありません。
順序立てて計算していく必要がありますので、正しい計算手順を見ていきましょう。


相続税の計算方法

次に相続税の計算方法を確認していきます。
前提として遺産の総額や控除についての知識がなければ計算できませんので、まずはそちらから詳しく見ていきましょう。


遺産の総額を算出する

被相続人(亡くなられた方)から相続するものはお金だけではありません。
家や土地、保険金や有価証券、車に宝飾類など、相続することによって税金が加算されるものは多岐にわたります。

また、現金以外の物に関しては換算する必要があるため、総額の算出に関しては専門家に依頼するのがおすすめです。

課税対象となる金額を算出する

遺産の総額がわかったら、次に課税の対象となる金額を算出していきます。
相続税にもさまざまな控除や特例がありますので、漏れのないように賢く使いましょう。

中でも控除の基本は「基礎控除」と言われている控除です。
基礎控除では、相続人の人数によって控除額が変わってきます。計算式は以下の通りです。


3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )


上記の通り、法定相続人が多いほど控除額が大きくなり、課税対象の金額が少なくなる仕組みになっています。

法定相続人の人数を確定する

法定相続人の人数が多いほど基礎控除額は多くなります。
しかし、誰でも法定相続人になれるわけではなく、法律上以下の順位で定められているので注意が必要です。
なお、配偶者は必ず相続人になります。

・第一順位・・・亡くなられた方の子どもおよび代襲相続人 ・第二順位・・・亡くなられた方の直系尊属 ・第三順位・・・亡くなられた方の兄弟姉妹および代襲相続人

このように、順位の高い人から順に相続の権利が発生します。
同じ順位の人が何人か居る時は、その対象者全員が相続人です。
また、上の順位の人が1人でもいる場合は、そのあとの順位の人は相続人になることはできません。


法定相続分にしたがって分配する

相続人数が決まったら、一度法定相続分を机上(実際にこの時点で受け取るわけではない)で分配し、それぞれの相続人の相続額を算出します。

相続順位による相続割合は以下の通りです。

順位 相続人の割合 備考
第一順位 配偶者1/2、子ども1/2 子どもが何人か居れば1/2を按分
第二順位 配偶者2/3、父母1/3 父母両方居れば1/3を按分
第三順位 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4 兄弟姉妹の人数で1/4を按分


相続税額の算出

いよいよ税額の算出をしていきましょう。
相続税額は相続額ごとに税率が違います。ご紹介した相続税の速算表を参考に算出していきましょう。

例えば、配偶者と子ども2人で相続する場合の計算式は以下のようになります。


・配偶者(1/2) × 税率 - 控除額 = 相続税額(仮)

・子ども(1/4) × 税率 - 控除額 = 相続税額(仮)

・子ども(1/4) × 税率 - 控除額 = 相続税額(仮)


このときの税率は相続額によって変わりますので、早見表から割り当てて計算してください。


控除一覧

相続人毎に受けられる控除が違ってきます。
控除をうまく使うことで、相続税の課税額を大きく減らせます。
下記の控除に当てはまる場合は計算に含めましょう。

● 未成年者控除
● 配偶者控除
● 贈与税額控除
● 障がい者控除
● 外国税額控除
● 相次相続控除
● 相続時精算課税制度における贈与税額の控除


上記以外にも、養子縁組を行うことで控除が受けられるケースもありますし、不動産による特例などもあります。

相続税額の総額の算出

それぞれの相続人の相続税額が算出できたら、それらを合算して相続税額の総額を算出しましょう。
ここでは、例を用いて解説します。

例)相続財産総額 1億4,800万円 / 相続人 妻(配偶者)・長女・次女

・基礎控除の計算

3,000万+(600万×3人)=4,800万円

・課税遺産総額の計算

1億4,800万 + 4,800万(基礎控除額)= 1億円

・相続税額の計算
法定相続分で計算したものとして相続税の総額を計算します。

妻  5,000万円×20%(税率)-200万円(控除額)=800万円
長女 2,500万円×15%(税率)- 50万円(控除額)=325万円
次女 2,500万円×15%(税率)- 50万円(控除額)=325万円


・総額の算出
800万円 + 325万円 + 325万円 = 1,450万円

このように順を追って割り出し計算していくことで、課税総額の算出ができます。


納税額の算出方法

課税額の算出ができたら、気になるのは納税額でしょう。
こちらは計算で簡単に割り出せますので、先ほどの例を用いて解説します。

上の見出しで算出した相続税の総額をもとに、それぞれの相続割合によってそれぞれの相続税額を割り出していきます。

先ほどの計算はあくまで机上の上での想定の計算でしたが、実際は姉妹間で割合が変わることも少なくありません。

実際の相続割合が、妻(配偶者)50%/長女30%/次女20%
だった場合、1,450万円と相続税の総額は変わらないのですが、それぞれが負担する相続税額が変わってきます。

実際の相続税額
妻 1,450万円×50%=725万円
長女1,450万円×30%=435万円
次女1,450万円×20%=290万円

配偶者には「法定相続分」または「1億6000万円まで」のどちらか多い金額の控除があります。
したがってこの妻の場合は「725万円」控除を受けることができますので、納税額は0円になります。


専門家にお任せするのもひとつ

今回は、相続税の税率のご紹介と、簡単な税率計算の方法をご紹介しました。

人生で相続税を払うシーンはそう何回もありません。
知識がないゆえに損をしてしまうことのないように、しっかり情報収集をして計算・申告しましょう。

相続するものが多岐にわたる場合は、素人が計算することが難しいもの(特に不動産)もあります。
そんな時は専門家の手を借りるのもひとつの選択肢です。



はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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