■お役立ちコラム特集
2021/06/22
固定資産税の相続は、故人の死亡時期によって負担額が変わる
同時に、不動産には固定資産税がかかるので、相続人には納税する義務も生じます。
ところが、被相続人が亡くなった月によって、納税負担額が変わることがあるので注意が必要です。
今回は、固定資産税の相続について、死亡時期によりどのように負担額が変わるのかも合わせて解説します。
たとえ故人でも納税義務は1月1日時点の所有者に
固定資産税は、土地や家屋などの固定資産に対してかかる地方税です。
そのため、居住の市町村(東京23区は都)に支払います。
土地家屋の評価額は、3年に一度見直されていて、1月1日時点の所有者に対して納税の義務が発生します。
そのため、被相続人がいつ亡くなったとしても、1月1日時点で所有している場合は、「亡くなられた方に納税の義務がある」という考え方になります。
相続登記に関係なく、納付書は1月1日時点の所有者宛に
固定資産税の納付書は、毎年4〜6月に1年分まとめて納付書が送付されてきます。
納付書の送付時期に、すでに亡くなられていたとしても、1月1日時点で所有していれば、亡くなった人の名前で納付書は発行されます。
これは、相続登記(不動産の名義変更)を行った場合でも同様です。
例えば、1月3日に被相続人がなくなり、相続を4月に行ったとしても、1月1日の元日の時点で所有している被相続人(故人)が、その年の固定資産税を納付する義務があります。
また、固定資産税の納付書は、一般的に、4月、7月、12月、2月の4期に分かれていて、期ごとに別れた納付書が同封されています。
もちろん1年分一括で納付することもできますが、年4回に分けて納付することも可能です。これが、相続人が負担する金額が変わる原因になります。
送付先を変更したい場合は、届出が必要
納付書の送付先を変更したい場合は「相続人代表者指定届」を、管轄の役所に届け出る必要があります。
相続した家屋に誰も住んでいない、郵便受けを確認することが遠方でできない、ということもあると思います。
この場合は、納税をうっかり忘れることがないように、届出を出すようにしましょう。
亡くなった月によって相続人負担額が変わる
被相続人が亡くなった月により、相続人が負担する固定資産税は変わってしまいます。1月1日時点の所有者に対して、1年分まとめて納付書を発行するため、このようなことが起こってしまうのです。具体的に亡くなった月をもとに説明しますが、市町村によって納付する時期が違う場合があるので、一般的な時期をもとに考え方を説明します。
6月に亡くなった事例
固定資産税の納付書は、4〜6月に、その年の1月1日時点で所有している人に対して発行されます。
先述したように、一般的には、4月、7月、12月、2月の4期に分けて固定資産税を支払うことができるので、まとめて1年分すでに被相続人が納付していない場合は、残りの未納付分の固定資産税を相続人が支払う必要があります。
例えば、6月に亡くなった場合は、被相続人が1年分まとめて支払っているか、第1期分だけを支払っているかどちらかになります。
しかし、第1期分しか支払っていない場合は、相続人が残りの2〜4期の固定資産税を納付する義務が発生します。
1月に亡くなった場合
1月に亡くなった場合は、どうでしょうか。この場合は、未納付があったとしても、前年の第4期のみ、となります。
また、1月1日時点の所有者に対して、その年1年分の固定資産税の納税義務があるので、相続人は、前年の第4期と今年1年分の固定資産税を負担する必要があります。
つまり、被相続人が何月に亡くなるかで、普段する金額が変わるのです。
1月の場合は、前年4期分と今年1年分、6月の場合は2、3、4期分、8月であれば3、4期分負担することになります。
もちろん、被相続人が1年分まとめて固定資産税を支払っている場合は、上記にはあてはまりません。
固定資産税はかなりの高額になることが多いので、誰が相続するか決まるまでは、相続人複数名で分割負担(代表者が代わりにまとめて納付)ことが多いようです。
ただし、土地家屋を相続する相続人か決まると、すべてその相続人が納税義務を行うことになるので、納税額をかんがみながら、相続分割協議(誰が何を相続するのか)を行う必要があります。
被相続人の固定資産税を納税するには
たとえ亡くなったとしても、固定資産税は、原則納付期限までに納付しなければなりません。
遺族の誰が納付するのか、考え方を紹介します。
新所有者が決まる前
相続人同士話し合いをして、誰が何を相続するのか決定する必要がありますが、なかなかそれが決まらない場合が多々あります。
また、故人の銀行口座は相続分割が決まるまで凍結されてしまい利用できなくなるので、故人宛の固定資産税の通知でも、その預貯金から誰かが支払うことができなくなってしまいます。
故人が1年分まとめて納付していれば、すぐに納付する義務はありませんが、4期ごとに納付している場合は、3ヶ月に1度は納付する必要があります。
被相続人(故人)が、1年まとめて納付しているか、期ごとに納付していて未納付のものがないか確認する必要があります。
未納付の場合は、納付書は一枚しかないので、遺族の誰かひとりが納付することになります。
誰かがまとめて立て替えるのか、相続人全員で分割して代表者が納付するか協議する必要があります。
新所有者が決まった後
相続の分割が決まり、土地家屋の所有者(相続人)が決定した場合は、その相続人が納税義務をひきつぐことになります。
納付済みの証明証がみつからず、未納付の納税書がある場合は、相続人が納税する必要があります。
被相続人が亡くなる前に1年分まとめて納付している場合は、たとえ8月に遺産分割が決まり、相続登記をしたとしても、この年の固定資産税を支払う必要はありません。
故人の固定資産税を支払ったら
土地家屋など不動産を相続した人は、以下の手順で、控除を受けることができます。
また確定申告を行えば還付金が戻ってくることもあるので、必ず行いましょう。
債務控除を利用する
債務控除とは、亡くなった人が残した債務などを、プラスの財産(預貯金や株券、土地家屋など)から差し引くことをいいます 。
債務控除は、主に銀行からの借入金や、生前に利用していた水道光熱費、病院の医療費なども対象となり、未納付の固定資産税もこれに適用できます。
控除された債務に対しては、当然、相続税はかかりません 。
すぐにわかる借入金などは控除として計算しやすいのですが、固定資産税は年に1度しか納付書が発行されないので、債務として見逃しがちです。
注意しましょう。
ちなみに、共有不動産の場合は、持分に合わせて固定資産税の納付義務がありますが、一般的には納付書は代表者のみ送られます。
債務控除の対象になるのは、納税金額ではなく、あくまで相続した持分に対する固定資産税の金額です。
そのため、亡くなった方が不動産を共有で持っていた場合は、納付書に記載されている金額全てが、債務控除とはなりません。
相続税の申告をする時に、債務控除を記載する箇所があるので、必ず故人の未払い固定資産税を記入しましょう。
すでに1年分を納付して亡くなった場合は、当然、控除の対象にはなりません。
準確定申告で経費に
被相続人が毎年確定申告をしていた場合、1月1日から亡くなった日までの収入に対して確定申告を行う必要があります。
これを「準確定申告」といい、被相続人が亡くなって4ヶ月以内に行う必要があります。
被相続人が、アパート経営などをしていて固定資産税を納付していた場合は、準確定申告にも記載する必要があります。
この場合は経営上の必要経費として認められ、確定申告同様、還付金が戻ってくることがあります。忘れずに経費に計上しましょう。
相続放棄した場合は支払い義務なし
土地家屋の相続を放棄した場合は、当然固定資産税の納付の必要はありません。
ただし、遺産相続放棄は、一度行ってしまうと後から撤回ができません。慎重に考えて放棄するのが賢明です。
固定資産税の相続は見逃しがち
固定資産税は、年に一度、春ごろに納付書がくるため、どうしても相続の時に、考えが及ばないことも少なくありません。また、被相続人が1年分まとめて納付しているかどうかによって、相続人の負担する金額も大きく変わります。
土地家屋を相続財産として考える時には、必ず固定資産税のことも合わせて検討するようにしましょう。
はじめての相続編集部
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子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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