■お役立ちコラム特集
2021/06/22
相続の権利を正しく理解しよう!法定相続人と法定相続分
必ずしもプラスになる財産だけではなく、場合によっては借金などの負の遺産も受け継がなければいけませんが、誰が相続するのかしっかりと把握しているという人はそう多くありません。
亡くなってしまってから動き出すのではなく、事前にしっかりと相続に関する権利を知っておくことで、残される家族も安心して過ごすことができます。
今回は、相続に関しての基本的な知識として、誰が相続をするのかという「法定相続人」に関して、またどのくらい相続をするのかという「法定相続分」に関して解説しますので、ぜひ参考にして下さい。
誰が相続をするのか?法定相続人について
近しい人が亡くなって、すぐに話し合わなければいけないトピックが「誰が相続をするのか」ということです。
よく親族同士で争いになっているというイメージがありますが、日本の国では誰が相続をするのかというのは民法という法律によって規定されています。
この法律で規定されていない人に対しては、日本では相続をする権利を与えていません。
(但し遺言などにより特別に残す意思を残した場合を除く)
そこで、まずはこの法定相続人が誰になるのかについて解説します。
誰が財産を受け継ぐのかとその優先順位
法律で規定されている法定相続人に関しては順番があり、仮に自分よりも順番の上の人が存在する場合、下の人は財産などを受け継ぐことができないという規定がされています。
法定相続人が誰になるのか、またその順番は以下の通りです。
1. 配偶者(夫や妻のこと)
2. 直系卑属(子どもや孫のこと)
3. 直系卑属(父や母、祖父母)
4. 兄弟姉妹
それぞれ順番に詳しく解説します。
配偶者(妻や夫のこと)
亡くなった人が結婚していた場合、その配偶者(妻や夫のこと)は相続に関して大きな権利を有しています。
そもそも相続というのは、亡くなった人が居る場合に残された家族の人がそれ以降の生活を安定して送ることができるように、という趣旨から定められた制度です。
仮に亡くなった人が働いていており、残された人が専業主婦(もしくは主夫)だった場合については、残された家族への影響というのが非常に大きいことが予測されます。
そのため配偶者の人については、絶大な保護というのを民法で行っており、相続に関して大きな権利を有しているのです。
もっとも、ここで注意しなければいけないのは、あくまでも法律上の妻や夫である配偶者の限るということです。
日本の法律は法律婚を重要視しており、いわゆる内縁の妻や同姓婚のパートナーに対して相続の権利を与えていません。
ただし、遺言などで別途特定の人に対して財産を残す意思を明確に残していれば、財産をある程度受け継がせることはできます。
直系卑属(子どもや孫のこと)
亡くなられた方に配偶者だけではなく子どもや孫がいた場合、その人たちも相続を受ける権利を有しています。
この子どもに関しては、まだお母さんのお腹の中にいる状態の胎児や養子も含まれるので注意して下さい。
亡くなられた方である被相続人に子どもがいた場合で、その子どもが先に亡くなっていたとしても、孫に関しては相続で財産を受け継ぐことができます。
これは代襲相続といい、法律でしっかり規定されていることなので、子どもが亡くなっているからといって孫に相続する権利がないと思い込まないように注意しましょう。
また子どもが複数いる場合には、その子ども全員が相続の権利を有しており、それぞれに優劣などはありません。
直系卑属(父や母、祖父母のこと)
亡くなられた方に父や母、祖父母がいた場合は、その人たちも相続する権利を有しています。
ここで注意しなければいけないのが、父・母・祖父母全員がまだ生きている場合です。
この場合は、亡くなられた方に近い人が相続で優先されることになっており、父や母がそれに該当します。
また子どもや孫の場合と同じく、親が養親であった場合も、同じく相続する権利があるので注意してください。
兄弟姉妹
亡くなられた方に兄弟姉妹がいた場合、その人たちも相続する権利を有しています。
もっとも夫や妻、子どもなどがいた場合は、そちらの方々が優先されるため、他に相続人が誰もいないという前提条件が必要です。
法定相続人でなくても相続で財産を受け継ぐ権利を有している人
ここまで解説してきた人に該当しなくても、相続で財産を受け継ぐ権利を有している人も存在します。それは遺言で特別に財産を受け継ぐことができる受遺者です。
亡くなられた方が生前に遺言を残しており、その遺言で財産を残すことについて言及していた場合、その人相続の権利を有する受遺者になります。
ただし、この遺言に関しては2つの点で注意が必要です。
まず1つ目は遺言状が正式なものかどうかです。遺言状に関しては法律で正しい形式というものが規定されており、これを逸脱していると認められないので注意してください。
また、特定の人に対してだけに財産を残すということも認められていません。
相続というのは「残された家族が今後も通常どおり生活できるように」という趣旨から定められた制度です。
そのため、上記でご紹介した配偶者や子どもが最低限受け取ることのできる財産については、法律で規定されています。
それ以上の財産を他の人に残そうとする場合、配偶者などの法定相続人は遺留分の範囲内で財産分与の請求を行うことが可能です。
最悪の場合裁判などにも発展する可能性があるので、遺言書とその内容には注意しましょう。
どのくらい相続できるのか「法定相続分」
ここでは、誰がどのくらい相続できるのか、法定相続分という概念について解説します。
法定相続分に関しては、ここまでご紹介した相続人に準じて解説しますので、そちらも合わせて参考にしてください。
配偶者(妻や夫のこと)
配偶者に関してはどのような場合でも相続を受ける権利があります。
配偶者以外に該当する血縁関係のある近しい存在しない場合は、配偶者が残された財産を100%全て受け継ぐことになります。
一方で配偶者以外に法定相続人が存在する場合、それぞれ相続できる割合というのは変わってくるため注意が必要です。
例えば、配偶者と子供だけが残されているという場合、配偶者とはそれぞれ1/2ずつになります。
一方で、配偶者と両親や祖父母が残されている場合、配偶者が2/3 ・両親や祖父母の入った直系卑属が1/3といった配分です。
そして配偶者と兄弟姉妹が残されている場合については、配偶者が3/4・兄弟姉妹が1/4といった配分になります。
相続という規定が設けられた趣旨は、残された人がその後も通常通り生活していくことを助けるためというものでした。
そのため被相続人が亡くなったことにより、日常生活に大きな影響を受ける人から順に相続の割合が高くなっていくと言うことになります。
そのため配偶者に関しては、他にどのような人が存在している場合でも、常にある程度の割合を保障されているのが特徴です。
直系卑属(子どもや孫のこと)
子供や孫についても相続を受ける権利というのは非常に大きいです。
上記でも紹介したように、配偶者と子供だけが残されている場合については、配偶者が1/2、子どもも1/2といった形になります。
配偶者が存在しない場合は、子どもが100%相続する権利があるということも併せて覚えておいてください。
ここで注意したいのは、子どもが複数に存在する場合です。このような場合については、受け継いだ1/2の財産を均等に分割することになるので注意しましょう。
また子どもが存在している場合、 他に父や母、祖父母、兄弟姉妹が存在する場合でも子どもが優先して相続を受けると法律上規定されているため、他にどのような血縁関係がある人が存在していても子供が100%相続を受けることになります。
直系卑属(父や母、祖父母のこと)
父や母、祖父母における法定相続分に関しては、 配偶者のところで少し触れたように、配偶者が2/3・父や母、祖父母に関しては1/3です。
また亡くなった人に配偶者や子供などが存在していない場合においては、100%相続を受ける権利があることも覚えておいてください。
兄弟姉妹
兄弟姉妹に関しては、上記で紹介してきた配偶者から父や母といった直系卑属が存在しない場合においてのみ相続の権利を獲得することになります。
配偶者が存在する場合は、配偶者が3/4・兄弟姉妹が1/4といった配分です。
子どもだけや、直系卑属しか存在しない場合については、兄弟姉妹の相続における取り分というのはありません。
ここまで紹介してきた内容をまとめると、以下の通りです。
残された家族の組みあわせ
配偶者 【配偶者→100%】【子ども→ ×】【直系卑属→×】【兄弟姉妹→×】
配偶者と子ども 【配偶者→1/2】【子ども→1/2】【直系卑属→×】 【兄弟姉妹→×】
子供 【配偶者→×】【子ども→100%】【直系卑属→×】【兄弟姉妹→×】
配偶者と直系卑属 【配偶者→2/3】【子ども→×】【直系卑属→1/3】 【兄弟姉妹→×】
直系卑属 【配偶者→×】【子ども→×】【直系卑属→100%】【兄弟姉妹→×】
配偶者と兄弟姉妹 【配偶者→3/4】【子ども→×】【直系卑属→×】【兄弟姉妹→1/4】
兄弟姉妹 【配偶者→×】【子ども→×】【直系卑属→×】【兄弟姉妹→100%】
相続を受ける権利は、亡くなった人によって今後生活にどれだけ影響が出るかという視点から割合というのが決められています。
ここでいう影響というのは家族によって様々ですが法律を定める上での視点となるのでご注意ください。
そのため、配偶者→子ども→直系卑属→兄弟姉妹といった順で、相続に関する優先順位が定められているということを頭に入れておきましょう。
相続の権利を正しく理解すればスムースに相続が行える
今回は法定相続人と法定相続分という、相続の権利に関する基本的な概念について詳しく解説してきました。
相続というのはそれぞれ配偶者・子ども・直系卑属・兄弟姉妹のどれに属するかということで大きく変わってきます。
属している区分がどこかによって、相続することができるかできないかというのも変わってくるので、自分がどのような関わり方をしていく可能性があるのか事前に知っておきましょう。
そうすることで万が一の時でも、円滑に相続を進めていくことができます。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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