■お役立ちコラム特集
2021/06/22
現金にかかる相続税は高い?負担を減らすための生前贈与のコツ
残された家族に負担をかけないためにも、相続税の対応策を考えておくことは重要です。
「現金にかかる相続税は高いのかな」と疑問を抱いている方も少なくないでしょう。
今回は、現金で相続するケースの利点・欠点を紹介し、生前贈与のコツも解説します。
現金にかかる相続税の知識と、生前贈与のポイントを理解しておきましょう。
現金で相続するメリット・デメリット
相続する際の財産では、「現金を多くしておくことがおすすめ」「不動産などの土地のほうがいい」など、真逆の意見を耳にすることも少なくありません。
どちらにもメリット・デメリットはありますが、ここでは現金を相続する際のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
まず、複数の法定相続人がいたとしても、平等に遺産を分配できるのがメリットです。
現金の場合、土地査定などの難しい評価が不要なため、比較的分配しやすいといえるでしょう。
例えば、1円単位でも分配が可能です。
したがって、法定相続人の皆に対して平等に財産を分配したい場合には、相続人同士の揉め事も発生しにくいため、おすすめの相続方法といえます。
一方、法定相続人が1人の場合や、被相続人が遺言書を残している場合は、分配方法が決められているため、特に現金で相続するメリットはありません。
次に、相続した後に現金の場合、素早く利用できるのがメリットとして挙げられます。
現金だと、相続に関する手続きが完了次第、スピーディーに利用することが可能です。
例えば、土地の場合では、売却後に現金化して分配する契約をしても、簡単に売却できるとは限りません。また、売却したとしても、思っていた以上に価値が低いという事例も少なくありません。
デメリット
まず、現金で相続すると全てが課税対象となることが欠点として挙げられます。
よって、現金で相続すると、節税しにくいともいえるでしょう。
一般的に、相続税は遺産に対して時価で評価がおこなわれます。
したがって、現金や預金・貯金が多くなるにつれて、相続税の負担も大きくなります。
次に、相続人における配分の差によっては、トラブルが生じることもあるのが欠点として挙げられます。
現金で相続することで、平等に分配することができる利点がある反面、現金の価値は明確であるため、少しでも配分に差があると揉め事に発展する可能性も否めません。
節税するための生前贈与のコツ
現金で相続するには利点・欠点があることは理解できたでしょうか。
現金のケースでは、全てが課税対象となることが痛手ともいえます。
そこで、相続税対策として最も有効ともいえる対策が生前贈与です。
節税するためにも生前贈与を活用することがおすすめといえます。
ここでは、生前贈与のコツを厳選して紹介します。
年間110万円までの暦年贈与
年間110万円までの財産は費用をかけずに、子や孫に渡すことができます。暦年贈与と呼ばれることもあります。
暦年とは、暦上で定めた1年を指し示し、具体的には1月1日から12月31日のことです。
暦年贈与とは、年間110万円までは贈与税がかからない、という基礎控除を活用した相続税対策を指します。
そのため、年間110万円での範囲で贈与すれば、税金が発生することはありません。
一方、年間110万円を超えてしまいますと課税されるので注意が必要です。
暦年贈与を実施する際には、他にも注意点があります。
毎年同様の人に同様の額を渡していると連年贈与とみなされ、税率が上昇することがあります。
そのため、高額の税金がかかる可能性もあるので気を付けましょう。対策としては主に3つあります。
具体的には、「贈与契約書を作成」「毎年異なる金額を贈与」「毎年異なる時期に贈与」が挙げられます。
また、相続開始前3年以内の贈与に関しては、相続財産に持ち戻されるので注意が必要です。
相続時精算課税制度を利用
この制度を利用すると、60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子や孫へ生前贈与する際は、2,500万円までは非課税とすることができます。
代わりとして相続時には、贈与した分の相続税を支払わなければなりません。言い換えると、生前贈与の贈与税を相続するときまで先送りする制度ともいえるでしょう。
贈与するモノは現金でも、土地でも構いません。
ただし、2,500万円を越える部分の贈与に関しては、一律で20%の贈与税が課されます。
また、相続時精算課税制度を利用する場合、暦年贈与の非課税枠が利用できないため、注意が必要です
住宅取得資金における贈与特例を活用する
子・孫世代の住宅購入資金を、親や祖父母から援助してもらうケースでは、条件により最大で3,000万円までが非課税となります。
特に、省エネ・耐震・バリアフリー住宅等の場合には、非課税枠も大きいというのが特徴です。
条件に当てはまる方が多い特例でもあるため、新しく家を建てる際には活用しやすい特例といえます。
夫婦間贈与の特例を活用する
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産を購入するための資金等を贈与するケースでは、最大2,000万円までが配偶者控除となります。
この特例を「おしどり贈与」と呼ばれることもあります。 同様の相手には一度しか利用できないため、注意が必要です。
教育資金の一括贈与の特例を利用する
30歳未満の子・孫に対して、一定の教育資金を贈与するケースでは、1,500万円まで非課税とされます。
例えば、大学の入学資金・授業料等が挙げられます。子供1人あたり1,500万円まで適用することができるため、3人の子がいる場合には、合計4,500万円まで非課税で贈与することが可能です。
結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用する
親や祖父母から20歳から49歳までの子・孫の結婚・子育て資金として、一定の贈与を実施するケースでは、1,000万円までが非課税です。
ただし、結婚資金は300万円までが非課税です。
結婚資金として該当するのは、結納、結婚式、新居に関わる敷金・礼金・引越等が挙げられます。
子育て資金として該当するのは、妊娠・出産・不妊治療・保育所・幼稚園・ベビーシッター・子供の医療等が挙げられます。
一方、結婚相談や縁談等の婚活費用、新居の家具・家電やベビー用品・子供用品の購入費用等は結婚・子育て資金と認められないため、注意が必要です。
日頃の生計費・教育資金として贈与する
特例や控除を利用する他に、法律が認めた範囲で非課税贈与する方法として、日常で必要な生計費・教育資金として贈与することが挙げられます。
子や孫に対して、親のような扶養義務を負う方が、生計費・教育費を支援するのは当然のことともいえます。
そのため、扶養義務者から子や孫への生計費・教育費に関する贈与は非課税となっています。
生前贈与を上手に活用して相続税を抑えよう!
現金で相続する場合には、利点と欠点があります。
法定相続人が複数いるケースでは、現金で相続したほうが揉め事も起きなくて済むケースも多いでしょう。
一方、現金で相続すると、全てが課税対象となります。
そのため、生前贈与を上手く活用して相続対策することが重要です。
特に、暦年贈与は誰でも容易にできるため、おすすめの生前贈与方法のひとつ。また、生前贈与にはさまざまなコツがあります。
どのような特例があるのか理解することや、自分がその特例の条件を満たしているか把握することが大切です。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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