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■お役立ちコラム特集

2021/06/22

相続手続きをしなかったらどうなる?デメリットや罰則を解説

相続手続きは難しい印象がありますよね。
しかし、相続手続きを面倒だからと後回しにしてしまうと、デメリットがあるだけでなく罰則を受けてしまう可能性もあります。
いざというときに困ることのないように、相続税についてしっかりと理解しておきましょう。
こちらの記事では、相続手続きをしなかった際のデメリットや罰則をご紹介します。

相続手続きをしないとどうなるの?


相続手続きをしなかった場合、どうなるのでしょうか。
難しそうだからと手続きをしない方は意外と多く、その後苦労したというケースも少なくありません。
そうならないために、事前に理解しておくことが大切です。ここでは、相続手続きをしなかった場合どうなるのか詳しく解説します。

相続の放棄ができない


1つ目の注意点として相続の放棄ができなくなることが挙げられます。
相続の放棄と聞くと、遺産だけをイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、遺産には、残された財産以外に負債や借金なども含まれています。

遺産相続では、故人の資産だけでなく借金といったマイナスの遺産も全てを合わせて相続する形になります。
相続放棄できなければ、負債や借入金も一緒に背負うことになるのです。

例えば、遺族に知らされていなかった借金が故人にあり、亡くなった後に膨大な負債を抱えることになったというケースも少なくありません。
遺産だけを相続して借金を相続しないというふうに取捨選択ができないものになるので、十分に注意が必要です。
遺産相続をした結果、膨大な負債を抱えてしまったということも考えられます。

借金の方が多かった、もしくは借金しかなかったときには、遺産相続を放棄することで借金を放棄できます。
しかし、相続手続きを怠れば、その手続きができなくなってしまうので注意が必要です。

限定認証ができない


限定認証は、「相続する方が承認した資産の範囲のみで、負債の責任を負う」というものです。
負債と資産のどちらが多いかわからない場合に適用されるもので、財産から負債を差し引いた金額を手にすることになります。
プラスになれば手元に残りますが、マイナスになった場合は放棄が可能になるのがポイントです。

ただし、限定承認を行うためには、家庭裁判所に相続人全員が申し立てしなければなりません。
相続人全員の承諾を集めるのは困難で骨が折れる作業だといえるでしょう。

相続手続きを行わないと限定承認ができなくなってしまうので、多額の借金を知らないうちに背負ってしまうことも考えられます。

遺留分侵害額の請求ができない


遺留分侵害額とは、法定相続人に認められている最低限の遺産のことを指します。
遺留分侵害額の請求を行うと、遺言などで贈与や贈賄があり適切な取り分を受け取れなかった場合に、遺留分を侵害されたとして請求が可能です。

故人が自分に残してくれたものなのに、何らかの理由で全額取り上げられてしまったというケースも少なくありません。
相続手続きを行わないと遺留分請求の権利も失ってしまうので、得られるはずだった取り分を失ったままになります。
遺言のみにしたがうことになってしまうので、注意が必要です。

相続回復請求ができない


法定相続人が持っている「財産を相続する権利」が相続人以外に侵害されたときに、相続権回復請求権を適用できます。
この権利を行使することで、相続権の奪還や回復が可能です。

しかし、相続手続きを怠ってしまうとこの手続きもできません。
相続権を侵害されたままになってしまうでしょう。
自分のために残された遺産が他の人に取られてしまったままになる可能性もあります。

消滅の可能性がある


相続手続きを怠ってしまうと、遺産が消滅する可能性があります。
遺産の種類によって期限や条件は異なりますが、手にできるはずだった遺産を失う可能性があるので要注意です。

故人が残してくれた遺産が消滅してしまうのは、心苦しいものです。遺産相続をするか迷っていて、手続きが遅くなりすぎてしまったということのないように注意してください。

相続税を申告しないと罰せられる可能性がある


相続税の申告には期限が設けられています。
申告期限以内に手続きが完了できないと罰されてしまう可能性があり、注意が必要です。
遺産を受け取れないだけだと思って手続きをしないでいると、刑事処罰が下る可能性もあります。

罰されてしまうことがないように、必ず期限内に手続きを行いましょう。以下で、相続税を申告しなかった場合に起こることを解説します。

即座には罰せられない


相続手続きを行わなかった場合、罰される可能性はありますが、相続手続きをしなかったからといって即座に罰されることはありません。
しかし、あくまでも即座に罰されることはないというだけなので、年数が経過すれば当然罰される可能性も出てくるでしょう。
遺産を相続できなくなるだけでなく、刑事処罰が下されてしまうので、大きなデメリットです。
また、遺産相続手続きを後回しにしている間に、共同相続人が亡くなるなど事情が変わってくる場合もあります。
そうなると手続きはより複雑になり、裁判などで金額を振り分け直す必要が出てくる可能性もあるのです。
手続きを行うだけで完了するはずだったのに、数年かかってやっと手続きが完了したというケースも見られます。そうなる前にできるだけ早く、相続手続きを行うようにしてください。
相続税の申告期限


相続税の申告期限は相続の開始から10ヶ月以内と定められています。
相続税の支払いは現金のみになるので、期限がくるまでに相続税を用意しておく必要があるでしょう。
不動産や株式などが遺産の多くを占めていた場合、手元にある現金をかき集めても足りないというケースも少なくありません。

その場合、相続した不動産の一部を売却し、相続税を支払う方がほとんどです。
しかし、遺産分割競技が長引いてしまうなどのトラブルがあると、それすらも間に合わなくなるかもしれません。
10ヶ月の期限を守れるように、相続税分の現金を用意しましょう。

追徴課税の可能性


期限を守らない場合、追徴課税対象となることがあります。
追徴課税には加算税と延滞税の2種類があり、本来支払うべきだった相続税よりも金額が増してしまうので注意が必要です。

加算税は支払いが滞った罰のようなイメージで、延滞税は利息のような位置付けになります。
そのため期間が長くなればなるほど、つい超過税金は増え、払えない金額に膨れ上がってしまうかもしれません。
早めの対 処が重要です。

刑事罰の可能性


申告義務があるにもかかわらず、相続を行わないと刑事罰処分が下る場合があります。
追徴課税のように支払えば終わるものではないので、期間もかなり長引くでしょう。
相続税の手続きが面倒だからと放置していたために、数年かかってしまったというケースも少なくありません。

最悪の場合、刑事罰になるということも頭に入れて、必ず相続手続きは行いましょう。

相続手続きをしないとデメリットがたくさん!

相続手続きを行わないことで発生するデメリットはたくさんあります。
遺産は必ずしもプラスなものとは限りません。故人に借金など負債があった場合、それもまとめて相続人が背負うことになります。
遺産相続手続きを怠ると遺産が相続できないだけでなく、借金や負債を背負うことになるので注意が必要です。

遺産を相続したい場合も放棄したい場合も、手続きは必ず必要になります。
遺産の手続きを正しく終えることは故人の供養にもつながるので、しっかり対処することが重要です。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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