■お役立ちコラム特集
2021/06/23
相続税がかからない方法はある!生前・死後でできる節税対策
場合によっては気分を害する方もいるかもしれません。
しかし、遺産相続には相続税がかかるため、できれば生前から対策して節税したいところです。
もちろん故人の死後にできる節税対策もありますが、生前にできる節税対策も多く存在します。
今回は、生前にできる節税対策と死後にできる節税対策を合わせてご紹介。
相続税に関しては、いざというときに必要になる可能性があるので、知らないという方は本記事でしっかりとチェックしておきましょう。
贈与税がかからない!生前贈与
まずは相続税をかけないための最もメジャーな方法である、「生前贈与」からご紹介します。
贈与税を遺族の負担にしたくないという場合に取られることが多く、近年では「終活」と称して元気なうちから整理しておく方も増えています。
贈与税が発生しない可能性もある生前贈与について早速チェックしてみましょう。
暦年贈与
暦年贈与は、相続する側1名につき年間110万円まで非課税になるというものです。
1月1日~12月31日までの1年間での贈与で、複数回受け取った場合は合計金額が対象となります。
年間110万円という上限を下回っていれば、税金がかかることはありません。
110万以下になるように計算をしながら少しずつ受け取ることで、大きな節税につながるでしょう。
年数に上限は設けられていないので、開始のタイミングが早ければ早いほど、多くの遺産を税金がかかることなく贈与できます。
ただし、相続する方が、相続される方の通帳や印鑑を所持(管理)している場合には「名義預金」と判断されてしまう可能性があります。
意外と見落としがちな条件なので、しっかり確認しておきましょう。
通帳や印鑑はあくまで受け取る方が管理を行う前提で、暦年贈与を開始してください。
夫婦間の住宅贈与
結婚20年以上の夫婦であれば、自宅に限り2,000万円まで非課税で受け取ることができます。
年数の規定は、遺産目的での結婚を防ぐために設けられたものです。
20年以上連れ添ったご夫婦であれば、条件に合致します。
暦年控除の110万円も合わせて計算できるので、1年間であれば、2110万円まで非課税で受け取れる計算です。
教育資金の贈与
30歳未満のお子さんや孫への贈与は、1,500万円まで非課税です。
対象となる資金は、学校などに収める授業料や入学金、修学旅行の費用や塾代なども含まれています。
さらに、海外留学の際の渡航費も該当するので、使い道は様々です。
もちろん趣味への投資はNGです。スポーツ観戦や旅行なども該当しないので、あくまでも学業のために使う資金に限られることを押さえておきましょう。
贈与する側の手続きは、相続してほしい方の口座を開設し、振り込むだけになります。
引き出す際は、金融機関に教育機関の領収書を提示し、領収書通りの金額を引き出すという流れです。
教育以外のことで使われることのないよう、しっかり管理されていることがわかります。
また、相続人が30歳を超えると、残りの金額には贈与税がかかることになります。
あくまでも30歳までの期間限定であることを覚えておきましょう。
住宅取得資金の贈与
20歳以上のお子さんやお孫さんへの贈与は、税金がかかりません。
合計所得が2,000万円以下など細かな制約があるものの、自宅の新築費用や改装費用に充てることができます。
要件は以下の通りです。
・ 贈与を受けた人の合計所得金額が2,000万円未満
・ 床面積50㎡以上240㎡以下
・ 相続人の合計所得金額が1,000万円以下の場合、床面積40㎡以下(2021年4月1日以降)
・ 家屋の1/2以上が贈与を受ける人の居住用の住宅
・ 贈与を受けた翌年の3月15日までに家屋を新築あるいは取得して住む
・ 贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与の確定申告をする
所得の規定や床面積の規定などかなり要件が細かいのがわかります。
要件が細かく、数も多いので、住宅取得資金の贈与を考えている方は抜けがないよう細かくチェックしておくことが必要です。
結婚・子育て資金の一括贈与
前年の合計所得が1,000万円以下で20歳以上の独身の方の場合、1,000万円まで非課税で受け取ることが可能です。
結婚や子育てに充てるための資金で、独身の方に与えられた権利になります。
細かな対象条件は以下の通りです。
・ 結納や挙式
・ 新居の資金
・ 妊娠出産や不妊治療
・ 小学校入学前の医療や保育費
・ 幼稚園費用
結婚した後に費用が必要になれば、一括贈与として受け取ることができます。
結婚や出産は何かと入用になるので、とても便利な制度です。
こちらの方法も、教育資金の一括贈与と同じ方法で受け取りが可能です。
相続人の口座を開設することで一括贈与の手続きとなり、受け取った方は領収書の提示を行うことで同額を引き出せるようになります。
贈与税がかからない!死後にできる対策
生前贈与を検討していたのに、急な不幸がありうまくいかなかったという場合もあります。
生前贈与をしっかり行っていたという方は意外と少ないものです。
人が亡くなるタイミングは予測できないので、亡くなった後の節税方法も理解しておく方が安心できます。
以下、故人が亡くなった後にできる節税対策をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
土地の評価額を減額
土地の評価金額を下げることで、相続税が発生しないように工夫するという方法があります。
土地の評価は道路や面責などで総合的に判断されるもの。
そこで、減額されそうなポイントを探し、減額を目指します。
しかし、土地の評価はかなり細かく、厳密になるでしょう。
専門知識のない方が勘で行うことはほぼ不可能です。
そういったことを専門にしている方は多くいるので、専門家に依頼し、間違いのないよう工夫が必要となります。
費用はかかりますが、専門家に依頼した方が確実です。
支払うことになる相続税と費用を比較検討するとよいでしょう。
また、土地の評価額を確認する場合や、評価額の減額をしたいという方は、専門家に必ず依頼してください。
葬式費用を遺産から引く
遺産から葬式費用をまかなってもよいと定められています。
葬儀会社に支払う料金の多くは、遺産の中からまかなえるでしょう。
しかし、香典返しや遺体の解剖費用、墓地や墓石費用などは認められないので注意が必要です。
葬儀にかかる費用全てが該当するわけではないので、不安であれば葬儀会社や専門家に相談してみると確実です。
被相続人の債務を遺産から引く
被相続人の借金などの負債を一部、遺産から差し引くことができます。
借金などの負債がある方が故人の遺産を相続し、完済するケースも少なくありません。
また、クレジットカードや銀行からの借金がある場合は該当しますが、夫婦で組んだ住宅ローンや墓石代などには適用できないので注意が必要です。
該当するものとそうでないものが細かく分けられているため、詳しく確認しておきましょう。
自分の負債が該当するのかどうか不安な方は、専門家に相談してみるのがよいでしょう。
相続税を節税する方法はたくさんある!
相続税は意外と高額になることが多く、故人が亡くなった後に苦労したというケースも少なくありません。
相続税を節税する方法はかなり多く、生前に対策しておけることがかなり多いといえるでしょう。
実際に、最近では「終活ノート」の作成や生前贈与など、生きて元気なうちに家族が困らないように対策しておく方が増えています。
自分の死後、遺産をどうしようかと悩んでいる方は、生前贈与も検討してみてください。
また、ご家族に急な不幸があったときにも対応できるよう、死後の節税対策も頭に入れておくと安心です。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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