■お役立ちコラム特集
2021/06/23
相続税の課税対象になる人の割合は10%未満!推移の傾向をチェック
相続税が高すぎてほとんど手元に残らなかった、むしろ赤字になったという話を聞いたことがある方もいるでしょう。
相続に関するトラブルをドラマや映画で見かけることも多いので、そういった印象を持っている方も少なくありません。
しかし、実際には相続税の対象になる方は全体の10%といわれています。
今回は、相続税の対象になる条件と、相続税の推移・傾向をご紹介します。
相続税について知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
相続税とは?
相続税とは、亡くなった方から遺産を相続する場合に発生する税金のことです。
故人が遺してくれる財産なので、自分に相続する遺産があることを直前まで知らなかったというケースも少なくないでしょう。
そうなったときに、意外と見落としがちなのが相続税です。
財産は受け取るだけでなく、場合によっては税金を支払う必要があるものなので、注意が必要です。
まずは、相続税を支払う場合の条件についてご紹介します。
自分が該当するかどうかチェックしてみましょう。
相続税の対象は基礎控除を超えた場合のみ
相続税の対象になるのは、基礎控除額を超えた場合のみになります。
基礎控除とは、「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で算出されるものです。
例えば相続するのが1人だった場合は3,600円が基礎控除となり、それ以上の金額に税金が加算されます。
基礎控除金額内であれば、申告や納税の必要はありません。
納税の際の書類作成は面倒で難しいものです。
それらの作成の必要がないというだけで安心でしょう。
このように基礎控除金額以下であれば、遺産を受け取るだけで問題ありません。
基礎控除額を超え、他の控除を利用してもまかなえない場合は、申請や納税の必要が発生します。
相続税の支払いは現金のみとなっているので、もし事前に用意できるのであれば、現金で用意するようにしましょう。
相続税の対象になるのはほんの10%程度
基礎控除が設けられているため、実際に相続税を支払う必要のある方は全体の10%程度です。
相続税の金額が大きすぎると遺産を受け取れないというような印象がありますが、実際に支払う必要がある方は少ないということを覚えておきましょう。
ほとんどの方が非課税で遺産を受け取っているのが現状です。
また、基礎控除額と遺産の額を事前に知っておくと、遺産相続までに準備をしておくことができます。
相続税のための現金をしっかり用意しておくことで、安心して遺産を受け取れるでしょう。
相続税専門の税理士に依頼しよう
相続税が発生する場合、書類の作成や手続きなどを税理士に依頼することがほとんどです。
相続税の書類や手続きは専門的な内容を含むので、知識のない方では難しいでしょう。
しかし、相続税は税理士資格試験の必修科目ではないので、税理士の中でも相続税について知識がない場合も少なくありません。
大手の税理士事務所に依頼したとしても、相続税のスペシャリストとは限らないので注意が必要です。
トラブルを避けるためには、相続税の専門家に依頼するよう心がけましょう。
HPに成功率を記載している場合が多いので、必ず確認してください。
もし実績が記載されていない場合は、依頼を行う前に電話などで詳細を問い合わせてみるのもよいでしょう。
相続税は支払いまでに10ヶ月という期限が設けられているので、不備があれば期限を過ぎてしまう可能性もあります。
そうなると追徴課税や延滞金など、余計に費用がかかってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、相続税の案件を多くこなしている優秀な相続税専門の税理士に依頼しましょう。
相続税の推移の傾向とは?
相続税の支払いは一定ではありません。
基礎控除から出てしまった金額に応じて税率が異なります。
そのため、基礎控除を出たからといって一律で高い税率をかけられる心配はありません。
また、金額に応じて基礎控除とは別に控除が用意されているので、その点も確認しておきましょう。
しかし、相続する金額が大金になれば、当然支払う税金も大きくなります。
ここでは相続税の推移を確認していきましょう。
基礎控除を差し引いた金額で確認しよう
基礎控除を差し引いた金額がいくらなのかで税率は異なります。
遺産が控除額を少し出てしまったからといって焦る必要はありません。
必ずしも高額な税金を支払うわけではないからです。
以下に情報をまとめたので、自分がどこに該当するのか確認してみましょう。
1,000万円以下の場合は、10%の税金がかかり、控除額は0円になることがわかります。
また、6億円以上の場合は、税率は55%になり、控除額は7200万円と規定されています。
金額の差が大きいのはもちろんですが、控除額や税率も大きく異なっているのがわかるでしょう。
相続の義務が発生しないと思っていて、10ヶ月の期限が過ぎてしまった場合、ここからさらに追徴課税や罰則、罰金対象になる可能性もあります。
そうならないためにも自分がどこに該当するのかの確認を必ず行うようにしましょう。
とはいえ、自分の相続する金額がいくらなのかという算出は非常に難しく、正しい金額が導き出せない場合がほとんどです。
遺産が全て現金のみであればわかりやすいのですが、土地や株などが含まれてしまうと、自分で計算するのはかなり難しいでしょう。
もしよくわからない場合は、専門知識を持つ税理士に依頼して、確認してもらうと安心です。
基礎控除額は引き下げ傾向に
基礎控除金額は引き下げ傾向にあり、平成26年12月までと比較すると支払う割合はかなり大きくなっているといえます。
以前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数」だったので、その差額はかなりのものでしょう。
しかし税率の最大値が少し引き下げられているので、その部分で帳尻を合わせていることになります。
現在の最大税率は55%ですが、以前の最大税率は75%と高い割合でした。
大金を相続する場合は、基礎控除額は減ってしまったものの支払う税金自体は少し減ったとも考えられます。
今後も相続税の基礎控除額が引き下げられる可能性は十分にあるので、事前に正しい基礎控除額を確認することが非常に重要です。
相続税は税務署からの通知が5年間こなければ支払う必要がなくなると定められていますが、ほとんどの場合、この条件を満たすことはありません。
支払わずにいると必ず自宅に督促の通知が税務署から届くでしょう。
支払いを先延ばしにしていると、追徴課税や延滞金などで余計に多く支払わなければならなくなります。
そうならないためにも正しい金額を期限以内に支払ってください。
相続税が発生するのは全体の10%程度!相続が決まった時点で支払い義務が発生するのか確認しましょう
相続税が発生するのは、遺産を相続する方の全体人数の中の10%程度です。
9割近くの方が相続税を支払うことなく遺産を受け取っているということになります。
自分に受け取る予定の遺産があったとしても、必ず高額な相続税を請求されるわけではありません。
まずは遺産の金額を確認し、基礎控除額を出てしまっているかどうかを確認しましょう。
その上で、もし控除額を出てしまっていたら10ヶ月という定められた納税期限以内に適切な金額を納めるようにしてください。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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