■お役立ちコラム特集
2021/06/23
相続人の戸籍謄本が必要な理由とは?取り寄せ方法も紹介
その中でもほぼ確実にそろえなければならないのが、戸籍謄本だといえるでしょう。
そして戸籍謄本は被相続人だけでなく、相続人に関してもそろえる必要があるのです。
今回は、相続人の戸籍謄本が必要な理由や、戸籍法本の基本的な取り寄せ方法をご紹介します。
相続人の戸籍謄本が必要なのはどうして?
相続にあたっては、被相続人だけでなく相続人も戸籍謄本をそろえることが必要です。
ここでは、相続人が戸籍謄本をそろえる必要がある理由について解説します。
そもそも戸籍謄本とは
戸籍謄本とは、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものです。
戸籍謄本には、以下の情報が記載されています。
・ 本籍
・ 戸籍筆頭者の氏名
・ 戸籍に記載されている人全員の氏名・生年月日・父母の氏名と続柄
・ それぞれの人に関する出生次項・婚姻事項 等
そもそも戸籍とは、日本国民の国籍とその親族法上の身分関係を登録しておき、証明するための制度です。
夫婦とその子という単位で作られており、子どもが婚姻すると親の戸籍から外れてその子ども夫婦の戸籍が作られます。
そして戸籍「謄本」とは、戸籍の写しのことを指します。
戸籍の本体は各役所で保管されており、一般の方は通常閲覧ができません。そのため、戸籍を確認する際には、戸籍謄本を取る必要があるのです。
戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」が正式名称ではありますが、一般的には戸籍謄本と呼んで全く問題ありません。
また、戸籍謄本と混同しやすいものに戸籍抄本もありますが、こちらは戸籍の一部である個人に関する部分の写しであり、通常相続手続きでは使用しないため区別しておきましょう。
相続人の戸籍謄本が必要な理由
被相続人の戸籍謄本が必要である理由はなんとなくわかっても、相続人の戸籍謄本が必要だといわれてもピンとこない方も多いことでしょう。
相続人の戸籍謄本が必要になる理由は、相続人が現在も生存していることを確認するためです。
ただし、被相続人の戸籍謄本を取り寄せたところ相続人の名前も記載されていたケースでは、その戸籍謄本がそのまま相続人の生存照明になります。
したがって改めて戸籍謄本を取り寄せる必要がなくなるため、忘れないようにしましょう。
相続人の戸籍謄本が必要なケース
相続人の戸籍謄本が必要になるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
・ 相続税の申告
・ 預貯金の名義変更や払い戻し
・ 不動産の相続登記
・ 自動車の名義変更
・ 相続放棄や限定承認の申し立て
・ 遺産分割調停の申し立て
成年がなくなったケースでは、基本的に預貯金の名義変更等が必要になるため、ほとんどの場合戸籍謄本が必要になるといえます。
そのため、相続に関する話をする際には基本的に相続人の戸籍謄本が必要になると考えておいた方がよいでしょう。
相続人の戸籍謄本を取り寄せる方法
戸籍謄本を取り寄せる機会は、通常の生活を送っている中ではなかなかありません。
いざというときに困ってしまわないように、あらかじめ取り方を理解しておくことが大切です。
そのためここでは、相続人の戸籍謄本を取り寄せる方法について解説します。
戸籍謄本を取り寄せるには準備すべきものもあるため、しっかりと押さえておきましょう。
戸籍謄本を取り寄せる前の準備
相続人全員の戸籍謄本を取り寄せるにはまず、被相続人の「生まれてから死亡するまでの戸籍謄本」をそろえる必要があります。
被相続人の死亡からさかのぼって出生に至るまでの親族関係を連続する戸籍謄本で確認しなければ、相続人の正確な人数が確定できないためです。
例えば、被相続人に隠し子がいて相続人に該当する場合は、しっかりと遺産分割協議に参加してもらわなくてはなりません。
まず被相続人の死亡した時の戸籍謄本を取り寄せ、そこから1つずつ過去にさかのぼって戸籍謄本を取り寄せていきます。
そして連続した戸籍謄本が全てそろった段階で法定相続人が判明するため、それぞれの「現在の戸籍謄本」を取り寄せるようにしましょう。
戸籍謄本の取り寄せ方
戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場に請求して取り寄せます。
直接役所に出向く他に郵送で請求する方法もあり、現在ではマイナンバーカードを使うことでコンビニでも取り寄せできる自治体も多くあります。
各自治体がコンビニ交付に対応しているかどうかは総務省自治行政局住民制度化が運営する「コンビニ交付」のサイトで確認可能です。
本籍地は現住所と異なることが多いため、気をつけなくてはなりません。
本籍地を確認したい場合は、本籍地の記載がある住民票の写しを取り寄せることで確認できます。
結婚などで本籍地が異なる自治体に移っている場合は、以前の本籍地がある自治体役場にも戸籍謄本を請求しなければなりません。
こうしたケースなどで戸籍謄本の取り寄せをする場合は時間がかかることも多いため、早めに動き出すことが大切でしょう。
戸籍謄本取り寄せにかかる手数料
役場で戸籍を取るためには、1通450円の手数料がかかります。
手数料に地域差はなく全国共通であるため、事前に準備しておくとスムーズでしょう。
ちなみに、除籍謄本には1通750円、改正現戸籍謄本にも1通750円の手数料がかかります。
戸籍謄本取り寄せに必要なもの
市区町村役場に出向いて戸籍謄本を取り寄せるためには、基本的に以下のものが必要です。
・ 戸籍交付申請書
・ 印鑑
・ 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等)
戸籍交付申請書は各市区町村がフォームを用意しているため、必要事項を記入しましょう。
印鑑については、シャチハタはNGですが朱肉を使う印鑑なら認印でも問題ありません。
戸籍謄本の取り付けに関しては不安になる方も多いと思われますが、基本的には役場の職員に戸籍謄本を取りたいことを相談すれば、その後は説明と誘導をしてくれるため安心してください。
郵送での戸籍謄本取り寄せに必要なもの
戸籍謄本を郵送で取り付ける場合は、以下の書類を入れて発送します。
・ 戸籍交付申請書
・ 本人確認書類のコピー
・ 手数料に相当する定額小為替
・ 返信用封筒と切手
定額小為替とは、現金を「定額小為替証書」に変えて送金する仕組みのことです。
50円や100円などの定額があるため、それらを組み合わることで希望の金額を送金できます。
定額小為替証書は、郵便局の貯金窓口やゆうちょ銀行で販売されていますので、確認してみましょう。
なお、やり取りをスムーズにするためには、少し余ってしまったとしても定額小為替を多めに入れておくことをおすすめします。
代理人の戸籍謄本取り寄せに必要なもの
代理人が取り寄せを行う際には、以下のアイテムが必要です。
・ 代理人の本人確認書類
・ 印鑑
・ 委任状
委任状のフォームは各自治体役場のホームページでダウンロード可能ですので、確認してみてください。
相続人も基本的には戸籍謄本の取り寄せが必要です!
戸籍謄本とは戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものであり、相続においては相続人が生存していることを証明するために取り寄せる必要があります。
通常の相続では相続人の戸籍謄本が必要になるケースが多いため、基本的には取り寄せるものだと考えておくとよいでしょう。
戸籍の取り寄せは本籍地の市区町村役場で行いますが、コンビニ交付を行う自治体も多くあるため便利です。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
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