■お役立ちコラム特集
2021/06/23
相続人調査にかかる費用はいくら?調査が必要な場合や依頼するメリット
弁護士への費用として、まとまったお金を用意しておくためにも、事前に費用の目安を確認しておきましょう。
また、相続人を調べるにあたり、そもそも調査依頼は必要なのかと疑問に思っている方も多いでしょう。
今回は、相続人調査の際にかかる費用を整理しつつ、依頼はなぜ必要なのかという点や依頼のメリットなどを解説します。
相続人調査の費用の目安はいくら?
相続人調査を依頼する際には、依頼可能な弁護士を見つけて相談後、正式に依頼するという流れです。
その際には下記のような点を相談する形になります。
・遺産そのものの調査
・公正証書遺言書があるか確認
・相続人の調査
費用は10万~20万円程度が目安となります。
しかし、この金額はあくまでおおまかな目安です。
場合によっては、目安以上の金額がかかることもありますし、反対に、もう少し安い費用で依頼が可能なケースもあります。
もちろん、相続人調査のみを依頼することも可能です。その際の費用は、数万円程度で済むこともあるでしょう。
弁護士事務所に相続関連の相談をする場合は、あらかじめメールや電話などで問い合わせた際に「相続人調査の依頼をしたいのですが、費用はいくらになりますか」と聞いておくと良いでしょう。
できるだけ費用を抑えたい場合は、複数の弁護士事務所に相談した上で、最も安い費用で任せられる弁護士を見つけるのがおすすめです。
相続人調査とはそもそも何か?費用の目安と併せて知っておこう
そもそも、相続人調査とはどんな内容の調査なのでしょうか。相続人調査の必要性と併せて、覚えておくことが大切です。
相続人調査とは何か
相続人調査とは、相続人が誰なのかを詳しく調べることを言います。
家族関係がはっきりしており、相続人が誰にあたるのかわかっている状態でも行うことはできます。
弁護士に調査を依頼すれば、隠し子がいる、別に養子がいるなどのときに、その存在をしっかりと把握できます。
特に、結婚や離婚が複数回ある場合には、連絡のつかない子どもがいることも珍しくありません。
そういった場合に、相続人調査を行います。
相続人調査で弁護士はどんなことをするのか
弁護士に相続人調査を依頼した際には、具体的に下記のことを行ってもらいます。
・戸籍謄本類の取得
・相続人の調査→確定
・相続関係説明図の作成
相続人が誰なのか調べる際には、被相続人の戸籍謄本が必要となりますが、誰の、どのような戸籍謄本を用意しなければならないのか、正しい知識がないと難しいでしょう。
あらかじめ弁護士に依頼することで、戸籍謄本の取得のための必要な手続きをすべて任せられるため、安心です。
戸籍謄本によって相続人がわかった後は、弁護士が相続関係説明図を作成するという流れになります。
相続関係説明図があると、誰が相続人なのかスムーズに把握でき、その後のトラブルを防ぐことができます。
このように、戸籍謄本の取得から相続関係説明図の作成までの作業を、弁護士に依頼することで、手間をかけることなくスムーズに相続人を調べることが可能となります。
相続人調査の必要性を考えておこう
上記でも紹介したように、相続人調査は、養子や隠し子、消息のわからない子どもなどの存在を把握するために有効です。
ではそもそも、なぜこのような形で相続人を把握する必要があるのでしょうか。必要性を考える上で大事なポイントは下記の2点です。
・遺産分割協議書
・相続登記の名義変更
遺産分割協議書は、誰がどのように相続するのかという協議の結果をまとめた書類になります。
これは、相続人同士で話し合ってまとめる書類になるため、相続人が欠けていると無効になるという特徴があります。
そのため、遺産分割協議書をまとめるためには、あらかじめ相続人調査によって相続人全員を割り出しておく必要があるということです。
さらに相続登記などの名義変更手続きも、相続人調査を済ませていないとできません。
銀行口座の名義変更も同様で、手続きの際には、すべての相続人の戸籍謄本を提出しなければならないのです。
相続人調査は費用がかかっても依頼するのがおすすめ!そのメリットとは
相続人調査を弁護士に依頼する際には、費用がかかります。そのため、依頼するか迷ってしまう方もいると思います。
ただ、相続人調査はメリットが多いため、依頼をすることはおすすめできます。主なメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
相続人が誰なのか間違いなく把握できる
自分たちで相続人全員を把握しようとするのは、手続きに時間もかかるため非常にハードルが高いです。
順序に沿って被相続人の戸籍謄本を取り寄せて、誰が相続人なのかチェックしていくのには正しい知識も必要となります。
しかし、弁護士に依頼することで、途中で手続きを間違えるリスクもなく、誰が相続人なのかはっきりとわかります。
遺産分割協議書が無効になったり、銀行の名義変更ができなかったりなどのトラブルもなく、遺産相続がスムーズに進むことは大きなメリットと言えるでしょう。
自分たちで調査する手間がかからない
相続人調査にかかる時間と手間は決して少なくはありません。
単純な手続きのみならまだ良いのですが、誰が相続人にあたるのか、どんな戸籍謄本の取得が必要なのかなど、知識も必要になります。
相続に関して勉強しなければならないことも考えると、忙しい中で相続人を正しく把握する作業は非常に大変です。
しかし、弁護士に相談・依頼をすることで、これらの手間を省くことができます。
相続関係説明図の作成も併せて頼むことができるため、基本的に依頼後は結果を待つのみで大丈夫です。
特に、家族のほとんどが仕事で忙しく、相続手続きに十分な時間をかけられない際には、依頼したほうが良いでしょう。
相続関係のトラブルの相談もしやすい
弁護士に相続人調査の依頼をする際は、相続人調査だけなのか、それとも相続手続きのほとんどを全般的に依頼するのか、人によって違いがあります。
相続において、情報を正しく把握して、手続きを進めることが難しいことの1つです。
特に、遺産が多くある場合で、相続人同士で揉めている場合は、どのように分割すれば良いのかわからずに困ることも多いでしょう。
そうなった際に相談しやすいのが弁護士です。
相続問題に強い弁護士であれば、相続におけるトラブルや悩みに精通しているため、必要に応じて対処法を提案してくれたり、手続きを代行してくれたりします。
相続はただでさえトラブルの多い手続きになるため、相続人調査だけでなく全般的に不安要素の多い際には、弁護士への相談を前向きに検討することをおすすめします。
相続人調査の費用の目安をチェックして依頼を検討しよう
相続人調査の費用は弁護士事務所によって違いますが、目安は10万円~20万円ということを覚えておきましょう。
相続人調査のみの費用なら、数万円程度で済むこともあります。
相続の際には、相続人が誰になるのか、隠し子はいないのかなど、トラブルが発生することもあります。
また、遺産の取り分で意見が食い違うこともあるでしょう。
トラブルを防ぐためにも、費用をチェックした上で、弁護士への相談を積極的に考えましょう。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
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子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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