■お役立ちコラム特集
2021/06/23
遺言書の書き方|自分で作る方法・依頼して作る方法をそれぞれ紹介
遺言書は自身で作成をすることも可能ですが、専門家への依頼により作成してもらう方法もあります。
本記事では、遺言書を自分で書く流れや方法と、専門家へ依頼をする方法を解説します。
終活を始めようと考えている方、遺言書をどのように書けばよいのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
遺言書の種類
ひと口に遺言書といっても、複数の種類があることをご存じでしょうか。
大きく分けて、自筆証書遺言や秘密証書遺言、公正証書遺言、特別方式遺言の4つが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自筆証書遺言
もっともポピュラーなタイプの遺言書です。
世間一般でよくいわれる遺言書も、これを指すことが少なくありません。文字通り、自分自身の手による自筆で作成された遺言書を指します。
自身で作成するため、書くタイミングを自由に決められることがメリットです。
また、専門家を利用しないため、費用がほとんどかかりません。
一方で、自筆の遺言書は偽造されやすいデメリットがあるため、保管方法には十分気をつける必要があります。
秘密証書遺言
何を記載されているのか、秘密にした状態で保管する遺言書です。
内容は誰にも知られることがありませんが、公証人により遺言書の存在は明らかにします。
公証人をあいだに挟むことが特徴ですが、公証人自身も遺言書の中身を知ることはできません。
自身が生きているあいだは、絶対に遺言書の中身を知られたくない、といったケースでは秘密証書遺言が有効です。
公正証書遺言
公証役場で公証人にチェックしてもらうタイプの遺言書です。
自筆証書遺言と同様、こちらも認知度が高くよく利用されています。有効な遺言書を残すことができ、相続が開始された時点で効力を発します。
デメリットとしては、手間がかかることが挙げられます。
公証役場で所定の手続きを行う必要があり、公証人以外にも2人の立会人が必要です。
また、公証人と立会人双方に報酬を支払う必要があり、費用がかさみます。
特別方式遺言
特殊な状況下で作成されるタイプの遺言書です。
病気やケガなどで、自身の命が尽きようとしているとき、乗っている飛行機が墜落しそう、船が沈没しそうといったシーンで作成されます。
前者は一般危急時遺言と呼ばれ、作成から20日以内に家庭裁判所で所定の手続きを行わなければなりません。
後者は難船危急時遺言と呼ばれ、こちらも家庭裁判所で手続きが必要ですが、前者のように期間の定めがありません。
遺言書を自分で作成する方法
まずは、所有する財産を把握することからスタートです。
遺言書の記載漏れが生じないよう、どのような遺産があるのか把握しましょう。
どの遺産を誰にどの程度相続させるのかを決め、遺言書へ記載します。
実際に作成するときは、自筆で書きましょう。
自筆でないと有効な遺言書として認められません。
なお、相続財産目録に関しては、パソコンでの作成が可能です。
遺言書である旨を記載し、氏名や日付も記入してください。
伝えるべき内容を記載し、最後に押印します。
遺言執行者を指定して封入、封印して保管しましょう。
これが一般的な自筆証書遺言の作成手順です。
遺言書を自分で書くときの注意点
遺言書を自作するにあたり、いくつか覚えておくべき注意点があります。
注意点を押さえておかないと、有効な遺言書として認められない可能性があるため、きちんと把握しておきましょう。
きちんと自分で書く
自筆証書遺言は、きちんと自分の手で書くことが大前提です。
自書でないと、有効な遺言書として認められないおそれがあるため、注意が必要です。たとえ一部分であっても、本人以外の人が記載してしまうと無効になってしまいます。
いつ作成したのかを特定できるよう、正しく日付を記載することも忘れないでください。
日付を特定できない場合も、無効になってしまいます。
安全に保管する
手軽に作成できる自筆証書遺言ですが、簡単に偽造できてしまうデメリットがあります。
いい加減な方法で保管してしまうと、内容の改ざんや偽造などが生じるおそれがあるため、注意が必要です。
基本的に、自筆証書遺言は自身での保管が求められていましたが、令和2年からは法務局でも保管をしてくれます。
自身で適切に保管できない、不安がある、といった方は法務局の制度も検討してみましょう。
親族のことを考えるのなら財産目録を
財産目録とは、どのような遺産があるのかをわかりやすく整理したものです。
財産目録は絶対に必要なものではないため、作成しなくとも問題はありませんが、親族のことを考えると作成がおすすめです。
相続が発生すると、相続人は故人の遺産を正確に把握しなくてはなりません。
時間と手間がかかりますが、財産目録があればこうした負担を軽減できます。
残された人たちの負担を軽減するためにも、財産目録は作成しておいたほうがよいでしょう。
遺言書作成はどこに依頼する?
自身で遺言書を作成した場合、無効になってしまうおそれがあります。
正しい知識があれば問題ありませんが、そうでない場合には法的効力をもたず、故人の遺志を残すことができません。
では、有効な遺言書を作成するには、いったいどこへ依頼すればよいのでしょうか。
弁護士
あらゆる法的業務に対応できる弁護士なら、遺言書の作成を依頼できます。
相続が開始したあと、親族間で争いが起きないよう、法知識を活用しながら作成してくれます。
弁護士へ依頼するのなら、遺言書の作成や相続問題に強い方を選びましょう。
このような業務領域に強い弁護士なら、事務所の公式ホームページでもアピールしています。併せて費用もチェックしておきましょう。
司法書士
司法書士も、法律を扱う専門職の一種です。
司法書士の業務は多岐にわたりますが、よく知られているのは不動産の登記業務ではないでしょうか。
登記や供託手続きの代理、法務局へ提出する書類の作成などが主な業務です。
不動産登記や関連する手続きのプロであるため、遺産に不動産が含まれる場合には司法書士への依頼がおすすめです。
弁護士への依頼と同様、費用は司法書士によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
行政書士
行政書士法に基づく国家資格のひとつであり、行政手続きに必要な書類の作成や代理業務などを行っています。
官公庁へ提出する書類の作成から相談まで、幅広く業務を執り行っています。
行政書士は、街の法律屋と呼ばれることも多く、身近な存在です。
そのため、気軽に相談できることが大きなメリットといえるでしょう。
弁護士や司法書士へ依頼するのに比べると、料金が低く設定されていることもメリットです。
プロへの依頼がおすすめ
遺言書は自身でも作成でき、自作なら好きなタイミングで費用をかけずに作れます。
その一方で、誤った知識のまま作成してしまうと、遺言書としての効力が生じず、亡くなったあとに自身の意思を伝えられません。
このような問題を回避するには、やはりプロへの依頼がおすすめです。
費用は発生しますが、確実に間違いのない遺言書を残せるのはメリットといえるでしょう。
本記事でお伝えした通り、遺言書の作成を依頼できる専門職はいくつかあります。
専門家の中には、遺言書作成や相続に強い方もいるため、そのような方へ依頼すれば安心できるでしょう。
無料で相談を受け付けている専門家もいるため、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
正しく作成された遺言書でないと、自身が亡くなったあと親族が骨肉の争いを繰り広げてしまうかもしれません。
残される親族たちのためにも、正しく遺言書を作成することをおすすめします。
本記事でお伝えしたように、まずは遺言書の種類を把握しましょう。
そのうえで、どのように遺言書を作成するのかを決めてください。
自作するのもひとつの手ですが、確実性の高さを考えるとプロへの依頼がもっともおすすめです。専門家への依頼も併せて検討してみましょう。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
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子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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