■お役立ちコラム特集
2021/06/24
遺産相続の手続きから受け取りまで―スケジュールを紹介
亡くなった方を偲ぶ葬儀も大切ですが、これらは遺産相続とも密接な関係があり、すみやかに行う必要あります。
なぜなら、葬儀は費用がかかるものですし、残された財産を守る手続きも必要ですが、同時に、財産が減らない手続きも必要なのです。
この記事では、相続するための手続きと受け取るまでをスケジュール別に紹介します。
すみやかに行うこと
亡くなったからすぐに葬儀を!というわけには行きません。葬儀を行うには、遺族が行うべき手続きがあります。
死亡診断書をもとに、死亡届を提出
家族が亡くなると、医師から「死亡診断書」が交付されます。
不慮の事故などで亡くなった場合は、警察から「死体検案書」が交付されます。
亡くなった当日か次の日にはすぐに交付されるものですが、これをすみやかに死亡届とともに、市区町村へ提出する必要があります。
死亡届は、亡くなって7日以内に提出する必要があります。
また、故人が世帯主だった場合は、世帯主変更の届け(住民票関係の手続き)が必要になることがあります。
この届けは死後14日以内に行えば問題ありませんが、死亡届の際に確認するようにしましょう。
火葬許可申請を同時に行う
死亡届を提出するとともに「火葬許可申請」を行う必要があります。
死亡届がないと火葬ができないことになっているので、死亡届と火葬許可申請はまとめて行うようにしましょう。
つまり、葬儀を行う前に急いで行う手続きになるので、最近では、葬儀社がこの申請を代行してくれることが多くなっています。
14日以内に行うこと
無事、葬儀を行ったあとは、故人がもっていた各資格の返納や、支払っていた公的年金などをストップさせる手続きが必要になります。
このとき、死亡届、死亡診断書が必要になるものも多いので、これらは5部ほどコピーをしておきましょう。
年金の受給権者死亡届を提出
故人が年金を受給していたら、受給を停止する手続きが必要です。
年金事務所に年金受給権者死亡届を提出すると、支給が止まります。このとき、故人の年金証書と死亡診断書などが必要になります。
国民年金、厚生年金、共済年金でそれぞれの提出期限が違うので注意しましょう。
一方、亡くなった月までの年金は、故人の代わりに生計を共にしていた家族が請求することができます。
ほかにも遺族年金などの支払いが発生することもあるので、同時に確認しましょう。
健康保険資格の返納と葬祭費の請求
健康保険に加入している方(被保険者)は、資格喪失の手続きと健康保険証の返納が必要になります。
保険証の種類(国民健康保険、後期高齢者医療保険など)によって返納方法が違うので注意しましょう。
また、故人が介護保険の資格を持っていた場合も、資格喪失届けと保険者証の返却が必要になります。
また亡くなった人が加入していた健康保険によっては、葬祭費や埋葬費などを補助してくれる制度があります。
同時に行うと手続きを忘れることがないので、注意しましょう。
公的料金、ライフラインの解約
個人名義の契約に関しても、変更や解約手続きが必要です。
解約しない間は、料金がかかってしまうものもあるので、早めに解約して不要な出費をおさえる必要があります。
まず、確認したいのが電気、ガス、水道などの公共料金。故人の口座からの引き落としの場合、口座が利用停止になってしまうと支払いが止まってしまう可能性があります。
急ぎ名義変更や他の口座振替依頼の手続きを申請しましょう。
また、クレジットカードや携帯電話、場合によっては固定電話やプロバイダー、ネット上の有料サービスなども使用停止の手続きを行う必要があります。
運転免許証やパスポートも返納が必要です。更新期限がくると自動的に失効されますが、最寄りの警察署、都道府県の旅客課に申請してください。
3ヶ月以内に行うこと
残された財産は、遺族で分け合うことが必要になります。
とくに相続を放棄する、そのまま引き継ぐ場合の意思表明が死後3ヶ月以内になりますので、遺言について遺族たちできちんと話し合う必要があります。
まず遺言書の有無を確認
故人が遺言書を残しているか残していないかで、いろいろな手続きが変わります。
そのため、亡くなった後、故人の部屋や机、貸金庫などに保存されているかどうか調べてみることが大切です。
まず遺言書が残っている場合をみてみましょう。
遺言書は、その後の相続に大きな影響があるので、場合によっては検認(偽造や変造されていないか調べる)手続きが必要になります。
公正証書(公証人役場で遺言を作ったもの)の場合は、検認手続きは必要ありませんが、それ以外の場合は家庭裁判所での検認手続きが必要になります。
また、大切なことは必ず開封しないこと。開封すると偽造や変造されたものとみなされ違法行為となってしまうのです。
開封しても遺言の効力がなくなるわけではありませんが、その後、必ず検認手続きが必要になってしまいます。
検認手続きは、家庭裁判所に申請してから完了するまで1ヶ月ほどかかります。
こちらの検認手続きが終了しないと、相続分割協議ができないので、注意しましょう。
遺言書がない場合は、法律で決まった割合で法定相続人に相続が行われることになります。
相続財産の確認
相続分割協議に際して、故人が所有していた財産を確認する必要があります。
財産には、現預金などプラスの財産のほかに、債務(借金)などのマイナスの財産も合算されるので、同時に確認する必要があります。
プラスの財産とは、貯金など銀行口座のほかに、現金などのタンス預金、株や投資信託などの金融商品、土地や家屋などの不動産や死亡保険もカウントされます。
マイナスの財産とは、例えば仕事上の借入金、個人の借金など。これらを合算したものが、相続財産となります。
相続人調査を行う
相続人調査とは、相続人(相続の権利を持つ人)がどれだけいるのか確認する作業です。
これが決まらないと、相続をどう行うか相続人同士で協議できません。
遺言書があった場合は、すでに相続する人が決められているので、調査を行う必要はありません。
ただし、検認手続きが必要な場合は、故人の死亡時から遡って出生までの戸籍が必要となり、遺族が知らない相続人がいるかどうかを調べる必要があります。
これは、遺言書がない場合も同様です。法定相続人(相続することが法律で決められている人)を決定するにあたり、故人の戸籍を調べる必要があります。
通常、結婚したり転籍したりして、6〜7枚の戸籍謄本が必要になります。
ここまで慎重に相続人調査を行うのは、後から万が一相続する人が現れた場合に、再度、遺産分割協議を行う必要があるからです。
遺産総額を調べるとともに、すみやかに相続人調査を行い、遺産を相続するのか放棄するのか、相続するならどう分割するのか相談するようにしましょう。
必要があれば「遺産分割協議書」をつくって、相続人同士、書面を持っておくことが必要です。
相続手続きを決める
相続には「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つの方法があります。
「単純承認」は、プラスマイナス関わらず、財産全てを相続すること。
逆に「相続放棄」は、全ての相続を放棄することで、「相続放棄」の場合は、分割されたあと、自分の持ち分だけを放棄することも可能です。
もうひとつ「限定承認」という「相続した財産を超えた借金は負担しない」方法がありますが、これは相続人全員の合意が必要で、手続きが他よりも煩雑になります。
注意したいことは、3ヶ月以内に家庭裁判所に申請をしないと「単純承認」とみなされること。
プラスの遺産なら問題ありませんが、マイナスの遺産があったときにも、こちらは適用されてしまいます。
そのため、3ヶ月以内には、相続の方法を決定するようにしましょう。「単純承認」を決めた場合は、どこにも届け出る必要はありません。
相続手続き完了後、いつもらえる?
葬儀費用や調査、家庭裁判所への申請など、遺族が費用を立て替えることが多いこともあるでしょう。
いったいいつ、相続したものが自分のところに入るのかをまとめてみました。
銀行など預貯金
個人名義の預貯金口座を解約し、現金で受け取る、または口座名義人を新しい名義人に変える必要があります。
銀行によっても違いますが、手続き完了10日〜2週間で完了します。
証券
上場株を相続するときは、証券会社に連絡し、相続人の口座に株をうつします。
手続き完了後、約3週間必要となります。売却せずに、そのまま運用することも可能です。
不動産
不動産は相続登記という登記変更が必要です。手続き完了後、約2週間で登記が変更されます。
死亡保険
故人が生命保険(死亡保険)に入っていた場合、なくなって3年以内は、相続人が請求する権利があります。
手続き完了後、1週間程度で指定の口座へ振り込まれます。
期限のある手続きに注意を
亡くなって混乱した中、たくさんある手続きを行うのはかなり大変な作業になります。
とくに故人が世帯主や事業主の場合は、遺族もわからない財産があることも多々あり、混乱が加速することも。すみやかに手続きを完了すれば、その分早く手元に遺産が入りますが、なかなか相続をどうするか決められない時もあるでしょう。
ただし、届出や申請に期限のあるものが多いので注意が必要です。
場合によっては、取引のある銀行や法律事務所、司法書士や弁護士などに相談することをおすすめします。
はじめての相続編集部
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子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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