■お役立ちコラム特集
2021/06/25
相続税の相談はどこにする?無料相談を活用しよう
相続税の納付は、ある日役所から払込用紙が届いて、銀行やコンビニで支払いをすれば済むというものではありません。
相続税を納めるには、まずこちらから税務署に相続税の申告をする必要があります。
また相続税の申告に先立って、相続税の申告だけでなく、法定相続人の戸籍謄本の収集や遺産のリストアップ、相続財産の評価や遺産分割協議など、やり慣れない手続を進めていく必要があります。
さらに、相続税対策を上手くできるかどうか次第で、本来なら節約できた分の相続税を余計に納付してしまうこともあるのです。
このように、色々悩みの多い相続税対策ですが、無料相談に応じてくれるところがあります。
この記事では、相続税対策の無料相談について解説していきます。
相続税はどこに相談したらいい?
そもそも、相続税に関わる専門家には、どのような人がいるのでしょうか。
この項目では、税理士・弁護士・司法書士・行政書士・その他の機関に分けて簡単に解説します。
税理士
相続「税」を直接専門にするのは、税理士です。
相続税の申告書の作成業務は法律で税理士だけができることになっています。
そのため、どのような専門家や機関に相談したとしても、最終的に相続税の申告書を作成する時点で、必ず税理士が関わることになります。
税理士は、相続税の手続については他の専門家よりも知識や経験を持っているといえます。
また、節税という観点で相続税のアドバイスができるのは、多くの場合税理士だけでしょう。
相続税について漠然とした不安がある場合には、まずは税理士に相談することを検討しましょう。
弁護士
相続について、遺族の間に争いごとが起きてしまった場合に、紛争を解決することを専門にするのが、弁護士です。
相続税の申告をする前に、遺産をどのように分割するか、遺族の間で協議をまとめる必要があります。
この時、遺産分割をめぐって遺族の間に争いが起きてしまった場合、最終的には裁判で決着をつけることになります。
このようなケースで、遺産分割をめぐる交渉を担うのが弁護士です。
財産分与をめぐって揉め事が起きてしまった場合や、揉め事をおこさないように準備をしたい場合には、税理士だけでなく弁護士に相談するのも選択肢の一つであるといえます。
司法書士
相続「登記」の専門家は司法書士です。登記とは、土地や建物といった不動産の名義を変更することで、法務局という役所に様々な書類を作成したうえで登記申請を行う必要があります。
この登記申請の手続にミスや漏れがあると、正しく不動産の名義が変更されず、自分では不動産を相続したつもりでいたのに、法律的には不動産が自分のものになっていなかった、ということが起こりかねません。
そのため、登記手続を司法書士が代行することが多いのです。
司法書士は、「相続」については深い知識・経験を持っています。
また、不動産を相続する際は、抜け漏れやミスで正しく登記できていないと、後々法的トラブルを招くこともあります。
そのため、不動産を相続する場合には、司法書士にも相談をしておいた方がいいでしょう。
その他行政書士や銀行
税理士・弁護士・司法書士が相続に関わる主な専門家ですが、そのほかにも行政書士や銀行などが、相続についての相談をしているとうたっていることがあります。
行政書士は、主として官公庁に提出する書類の作成や申請代行を専門としています。
ただ、法律的な権利・義務についての文書の作成代行をすることも認められています。
相続に関して言うと、遺産分割協議書の作成を代行することができます。
そのため、相続関係の相談を受けている行政書士もいます。
行政書士は、幅広い法律の知識を持っているため、事前に相続全般について、相談することは検討してもいいかもしれません。
銀行が相続についての相談会をしているのは、相続税支払いに必要な現金が足りず、銀行から借り入れをする必要があるケースを見越した営業の一環と言えます。
不動産会社が相続についての相談を受けているのも、相続税支払いのために相続した不動産を売りたい遺族が出ることを見越した営業活動です。
相続税を支払う方にとって利益になるアドバイスが得られることはあまり期待できないでしょう。
相続についての無料相談窓口はどこがある?
相続税については専門家にお金を払って相談をしたり手続を代行してもらったりすることはできるけれども、最初は無料相談を試してみたいと思われる方は多いでしょう。
そこで、この項目では、相続税についての無料相談窓口について、ご紹介します。
管轄の税務署
全国の税務署には、相続税の申告方法や必要書類について教えてくれる無料相談窓口があります。
この窓口を利用するには、管轄の税務署に電話で事前に予約をする必要があります。
税務署では、対面で時間を取って相談に応じてくれるため、ある程度踏みいった内容でも相談に応じてくれます。
また、何度相談をしても無料です。ただ、徴税を担当する税務署では、相続税の節税のためのアドバイスは期待できません。
また、具体的な相続税の計算はしてくれません。
国税局電話相談センター
国税局電話相談センターでは、電話で相続税に関する一般的な質問に回答してくれます。
税務署での面接相談と比べると、事前予約が不要であり手軽に利用できるメリットがあります。
ただ、電話のみのやり取りになるため、少し難しい内容の質問には対応できないようです。
また、税務署と同様、節税のためのアドバイスや、個別具体的な税額等の計算にも応じてもらえません。
日本税理士連合会
日本税理士連合会の各支部でも、相続税についての相談に応じてくれます。
電話相談か面接相談かのどちらかを選ぶことができます。
税務署や国税庁電話相談センターと比べると、必ず税理士が相談に応じてくれる点で、安心ができます。
また、税理士連合会は営利団体ではないため、気軽に相談できるというメリットもあります。
ただ、個別具体的な事情については相談に乗ってくれません。加えて、相談できる日時が限定されており、相談時間も限定されています。
税理士事務所
多くの税理士事務所では、相続についての初回相談については無料で受け付けています。
初回の無料相談をしてみて、最終的に依頼をするかどうか考えることができます。
いくつかの税理士事務所を比較したうえでさらなる依頼をする税理士事務所を決めることもできます。
無料相談を利用する際の注意点
この項目では、相続税の無料相談を受ける際の注意点について、解説をしていきます。
できるだけ必要書類を集めよう
無料相談を受ける際には、次の二つの情報を集めておきましょう。
一つ目は、相続対象となる財産を、資産と負債とを含めてリストにしておくことです。
二つ目は、被相続人の一覧です。
無料でサポートを受けられる範囲は限られている
無料相談は気軽に相談できるというメリットもありますが、反面サポートを受けられる範囲は限定されていることも事実です。
相談できる日時が限定されていたり、相談できる時間が短かったりすることがあります。
また、無料相談の場合個別具体的な相談には応じてもらえず、一般的なルールだけしか応えてくれないことが多いです。
無料相談を活用して上手に相続税の申告をしよう
この記事では、相続税の無料相談についてを解説してきました。
無料相談には何種類か選択肢があり、それぞれ気軽に相談できるという長所があります。
ただし、無料相談では原則具体的な相談や節税のための相談は応じてくれないため、税理士を中心とした専門家への相談を検討してはいかがでしょうか。
はじめての相続編集部
情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。
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