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■お役立ちコラム特集

2021/06/25

税理士へ相続税申告を依頼する費用相場~安いだけで選ぶのはNG~

遺産相続の際には申告をして、適切な相続税を納めなくてはいけません。
相続税申告を正しく行うために税理士へ依頼をする方は、税理士の報酬がどれくらいなのか気になるものでしょう。
税理士報酬にはある程度、金額の目安があり、参考にすることで依頼時の予算設定に役立ちます。
こちらでは、相続税申告時の税理士報酬の目安や税理士を選ぶ際のポイントなどを詳しくご紹介します。

相続税申告における税理士費用はどれくらい?


相続税を申告する際に、税理士へ依頼する費用の目安はどのくらいなのでしょうか。
ここでは、税理士費用の目安や金額の根拠について解説します。
ある程度の相場を理解しておき、依頼する際の予算設定に役立てましょう。

一般的な税理士費用目安は相続総額の1%


相続税申告時の一般的な税理士費用の目安は、相続総額の1%程度だと言われています。
実際には案件の難易度によって異なりますが、目安として覚えておくとよいでしょう。
例えば、遺産総額が5,000万円だった場合はその1%である50万円、1億円だった場合は100万円が目安です。

ただし、案件の難易度があまり高くない場合には0.5%~0.8%程度になる場合もあります。
案件の難易度は、必要な税理士の数や相続に関する遺族間での争いの有無などによって変わります。
多くのパターンにおいて、ヒアリング段階で難易度はわかるものであるため、気になる場合は、税理士に最初の相談時に大体の費用を聞いてしまってもよいでしょう。

どうして税理士費用はそんなに高いの?


ここまで読んでいただくと、少し費用が高いと感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、相続税申告時には以下のような業務をする必要があるため、十分に相応な値段であると言えます。

・ 膨大な量の関係資料チェック
・ 数カ月の対応期間
・ 役所とのやり取り
・ 現地確認
・ お金の動きを数年~10年分確認する作業

税金に関する業務は、一歩間違えると追徴課税を受けてしまう可能性があるため、慎重に作業する必要があります。
また、万が一、税務署の調査対象になったとしても、税理士がしっかりと対応してくれるため、一定のコストは覚悟しなくてはならないのです。
中には安価で依頼を受け、アフターフォローをしない税理士もいますが、依頼をするのであればしっかりと対応してくれる税理士を選ぶことが重要でしょう。

また、案件によっては財産分与に関するコンサルティングのようなことを求められるケースもあるため、相続税を扱う税理士には一定以上の専門性が求められます。

税理士報酬の内訳は?


相続税の申告を行う際の税理士報酬の具体的な内訳は、おおむね以下の通りです。

・ 基本報酬
原則として相続税の総額に応じて決められる、依頼時の基本料金です。

・ 加算報酬
加算報酬は、相続人数や相続の内容、申告期限までに残された日数などによって増える料金です。
通常の案件よりも時間的余裕がない場合や税務調査対策を依頼する場合など、内容が難しい場合には報酬も高額になります。

・ その他費用
戸籍謄本や登記簿謄本などの必要書類を取得するための実費や書類作成を依頼するケースなどでは、追加で費用が掛かります。


税理士報酬は、上記要素の合計で算出されます。通常、基本報酬だけであれば遺産総額の1%には届きません。
つまり、案件の難易度によって費用が異なるのは、加算報酬やその他費用が発生する可能性があるからです。

相続税申告は自分でもできる?


相続税は税金に関する手続きのため、税理士に依頼する方も多いでしょう。
しかし、実は必ずしも税理士に依頼しなければならないわけではなく、自分で申告を済ませることも可能です。

ただし、案件によっては自分で行うのを避けた方がよいケースもあるため、見極めが大切でしょう。
以下では、一般の方でも問題なく申告できる可能性が高いケースと税理士へ依頼した方がよいと判断されるケースを紹介します。

税理士に依頼しなくても問題ない可能性が高いケース


申告が比較的簡単だと判断できるケースでは、自分で申告しても問題がない可能性が高いです。具体的には、以下のようなパターンです。

・ 相続額に争いがない
・ 遺族間で税理士に依頼しないことへの了承が取れている
・ 相続税の申告をする必要がないことがわかっている

遺産総額がわかっており、自分で申告することに遺族全員の了承が取れているケースでは、税理士に依頼せず進めても問題が発生しない可能性が高いと思われます。
また、そもそも相続税の申告が必要ないと判断されるケースもあります。
申告要否の判断は国税庁HPにある相続税の申告要否判定コーナーを活用するとよいでしょう。

税理士に依頼した方がよいケース


以下のようなケースでは、税理士に依頼した方がよいでしょう。

・ 遺産総額が判明していない
・ 遺族間で同意が得られていない
・ 忙しくて申告に時間を割けない
・ 正しく遂行できるか自信がない

上記に限らず、申告に際して少しでも不安要素がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。
大切な家族が亡くなって精神的にもつらい中ですから、可能な限り税理士を利用して負担を軽くした方がよいでしょう。

相続税申告時の税理士を選ぶポイント


税理士に支払う報酬はなるべく安いに越したことはないと考える方も多いでしょうが、実際に選択する際には料金の安さだけで選ぶのは避けましょう。

サービスを最小限にして安価な料金を設定している税理士も中にはいますが、あまり親身になってくれないケースもあります。
また、税務署からの連絡に対応してくれないケースもあるため、税理士を選ぶ際には金額面だけを気にするのではなく、サービス面にも注目することが必要です。
ここでは、相続税申告を依頼する税理士を選ぶポイントを4つに整理して紹介します。

税理士事務所の経験値や実績


税理士事務所を選ぶ際には、経験値や実績を確認するようにしましょう。
例えば、以下のような情報をチェックすることで、その税理士事務所が経験豊富か否か判断することができます。

・ 年間の申告件数実績
相続税申告を得意とする税理士事務所を見つけるには、年間の申告件数実績を確認することをおすすめします。
具体的には、年間申告件数が100件程度あれば、ある程度信頼できると考えられるでしょう。
また、件数が多くても、税理士事務所の規模が大きい場合には1人当たりの担当案件数は少なくなります。v税理士1人当たりが年間で5件以上は手掛けている事務所であれば、ある程度信頼できると考えられるでしょう。

・ 相続税の税務調査率
税務調査率がなるべく低い税理士の方が、安心して依頼できるでしょう。
相続税の申告では平均10件に1件、つまり10%が税務調査に入られています。
そのため、税務調査率が数%程度であればとても精度が高く信頼できる税理士だと考えることができます。

料金体系が明示されているか否か


ホームページで料金形態を明示しているか否かは、重要な要素の1つです。
料金をあいまいにした状態で引き受けて、後で高額報酬を請求する税理士がいる可能性もあります。

事務所に在籍する税理士の人数割合


事務所の人員数に対する税理士の人数割合も、チェックしておきたいところです。
規模の大きい事務所でも、税理士資格を持った職員が全然いないケースも考えられます。
専門性の高い依頼をするわけですから、なるべく税理士資格を持った方に担当してもらえる事務所を選びましょう。

税理士事務所がサポートしてくれる範囲


「どこまでサポートしてくれるのか」は、税理士を選ぶ際の重要な要素です。
相続税の申告は手続きの面倒さや税金の話だけでなく、遺族間でのもめごとにつながる危険性もあります。
弁護士と連携して最適な遺産分割になるよう細やかなサポートをしてくれる税理士がベストでしょう。

相続税申告時の税理士は費用相場等で総合的に決める


相続税申告時の税理士報酬の目安は、遺産総額の1%程度だと言われています。
ただし、実際の報酬は案件の難易度によって増減するということは認識しておかなくてはいけません。
税理士を選ぶ際には報酬の安さだけでは決めず、サポート面も比較して総合的に決めるようにしましょう。
料金体系の明確さや税理士の実績、サポート範囲などを確認しながら、最適な税理士を見つけてみてください。




はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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