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■お役立ちコラム特集

2021/07/06

相続税が基礎控除内なら申告不要?計算方法と注意点

家族が亡くなって自分が財産を受け継いだ時に発生する相続税。
相続税は誰に対しても課税されるものなのでしょうか。
実は、年間に発生する遺産相続の大部分は相続の申告が不要なケースもあります。
では、自分が受け継いだ財産が、相続税の申告対象に当てはまるかどうかはどうやって判断すれば良いのでしょうか。
この記事では、相続税の申告対象に当てはまるかどうか判断をするための計算方法や注意すべき点を解説します。

基礎控除内であれば相続税の申告は不要


相続税には基礎控除と呼ばれる非課税枠が存在します。
相続した財産が一定の金額以下であれば非課税となり、相続税がかかりません。
したがって基礎控除の範囲内であれば相続税の申告も不要です。

年間に発生する遺産相続の件数のうち、約92パーセントの人が相続税の申告をせずに相続しているとされています。
その一方で、相続した財産が基礎控除よりほんのわずか多いだけでも相続税が発生して申告も必要になるので、相続した財産の総額が基礎控除額と変わらない時は注意が必要です。
また、自分は申告が不要なケースだと思って申告せずにいても、相続した財産の見落としや計算ミスなどで、相続した財産の総額が基礎控除に対して超過しているケースがあります。
その場合、相続税にプラスして延滞税や加算税などのペナルティが税務署から課されるので、本来より多額の税金がとられてしまうことになりかねません。
自分のケースが相続税の申告が不要なケースに当てはまるかどうかの判断は慎重に行う必要があります。

課税対象になる財産と課税対象にならない財産


自分が受け継いだ財産は全てが相続税の対象になるのでしょうか。

相続財産には「課税対象になる財産」と「課税対象にならない財産」が存在します。
自分が受け継いだ財産が、相続税の申告が不要なケースなのかを判断するために、課税対象になる財産か対象にならない財産かを把握しておくことは重要です。

課税対象になる財産
【本来の相続財産】
● お金(現金・預貯金・有価証券など)
● 不動産(宅地・土地権・借家権など)
● 動産(車・宝石・骨董品など)
● 事業用財産(売掛金・商品など)
● 各種権利(著作権・特許権など)

【みなし財産】
● 死亡保険金
● 死亡退職金
● 相続時精算課税制度を適用した財産
● 死亡から3年以内の贈与

課税対象とならない財産
● 仏具関係(祭壇・祭具など)
● 葬儀費用
● 特定法人へ寄付したお金(相続税の申告を行う前までの期間)
● 一定の金額までの死亡保険金
● 一定の金額までの死亡退職金
ちなみに、一定の金額までの保険金や退職金は、以下の計算式で算出可能です。

500万円×法定相続人の数

基礎控除の計算方法


相続税の申告が必要かどうかを判断するには基礎控除を知ることが必要です。
では、基礎控除はどのように計算するのでしょうか。以下の計算式で算出可能です。

3,000万円+(600万円×人数)

例えば、法廷相続人が配偶者と子ども2人のケースは「3,000万円+600万円×3人=4800万円」となるので、自分が受け継いだ財産が4800万円以下であれば、相続税の申告は不要です。

ここでいう財産とは、本来の相続財産に死亡保険金などのみなし財産を足して、仏具関係のように課税対象とならない財産を引いた後の金額を指します。

相続税が0円の時は申告不要?


基礎控除額を算出した結果、相続税が0円になるケースが存在します。
その場合、税務署に対して相続税の申告は行わなくても良いのでしょうか。

相続税が0円だった時も、相続税の申告が必要な場合はあります。
総額が基礎控除以上であった場合にも特例や控除を適用することで税額が0円となるケースが存在するためです。
相続税の申告が必要な特例や控除を、以下に挙げておきます。

・小規模宅地等の特例
・特定計画山林の特例など

このうち、配偶者の税額軽減という特例は、配偶者が亡くなった人の財産を相続する場合、法定相続分か1億6,000万円かのいずれか高い金額までは相続税がかからないという措置です。

この特例の適用を受ける場合には相続税の申告が必要なので、配偶者で税金がかからないケースだからといって申告は不要と考えていると大変危険なことになります。
万が一、これを知らずに相続税の申告をしないでおくと、期限後に申告漏れを税務署から指摘される可能性があるので注意が必要です。

ここで取り上げた以外の控除や特例は、利用した結果相続税が0円になれば申告の必要はありません。
特例や控除を利用する時には申告が必要か不要かを確認した上で利用しましょう。


基礎控除を計算する時の注意点


基礎控除を計算する時には法定相続人も確かめておく必要があります。
法定相続人とは民法で定められている相続人のことで、配偶者、子、父母、兄弟姉妹が当てはまります。
また、婚姻関係がある配偶者は法定相続人となりますが、内縁関係の妻や事実婚のパートナーは法定相続人にはなれません。
配偶者以外の法定相続人には相続順位があり、順位に基づいて決まります。

故人の子が亡くなっている時は孫が代襲相続人となる


故人の子どもが亡くなっている場合、亡くなった子どもの子、故人にとっては孫を代襲相続人として法定相続人に入れて算出します。
その結果、基礎控除計算の際に孫が2人以上いる場合は子が存命だった時よりも法定相続人が増えることになります。代襲相続人には以下のパターンがあります。

● 被相続人の子→被相続人の孫
● 被相続人の父母→被相続人の祖父母
● 被相続人の兄弟姉妹→兄弟姉妹の子(甥や姪)

遺言による相続人はカウントしない


遺言の中に法定相続人ではない人への贈与がある場合でも、その人物を法定相続人に入れてカウントすることはできません。
配偶者や子どもを法定相続人として計算します。

相続人が養子の場合は法定相続人に制限がある


養子が相続人になる場合、法定相続人としてカウントできるのは実子がいない場合は2人までと制限があります。
実子がいる場合は、実子の数にプラスして養子1人を法定相続人に含めることができます。

このため、上限を超えて養子縁組をしても相続税の節税には結びつかないので注意が必要です。

相続放棄をした場合


相続放棄があった場合でも、法律上は法定相続人の1人としてみなされます。
相続を放棄したことによって次の順位の人に相続権が移ったとしても、相続税の計算を行う際は、その放棄がなかったものとして計算されるのです。

例えば、法定相続人が4人いてそのうちの1人が相続の放棄をしたとしても、法定相続人の数をベースとするため、4人で計算されるということになります。
相続放棄したからといって、基礎控除額が減って相続税が増えるといったことはありません。納税者にとってはむしろメリットになるといえます。

欠格・排除者がいる場合


法定相続人の中に、財産を狙っての殺害または殺害未遂の刑に処された人や亡くなった人に対して遺言書が自分に有利になるよう作成または修正した人がいる場合は、これらに該当する人は相続の欠格となって法定相続人の権利を失います。

また、法定相続人が虐待や侮辱行為を行っていた場合、亡くなった人は家庭裁判所に申し立てを行うことで、法定相続人の権利を剥奪することも可能です。


分からない時は専門家に相談する


相続税の基礎控除額は、受け継いだ遺産全てが対象になるとは限りません。
課税対象になる財産と課税対象外になる財産があり、複雑になる傾向があります。
また、法定相続人の数によっても算出される金額が異なります。
相続税の納付期限は、亡くなった翌日から数えて10ヶ月以内と決められているので、遅れることがないよう注意が必要です。
不明な部分が多い場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。




はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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