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■お役立ちコラム特集

2021/07/06

相続税と贈与税の税率を比較!損益分岐点を見極めよう

亡くなられた方の財産を譲り受けることを相続、生前に財産を譲り受けることを贈与といいます。
意味合いは違いますが、どちらも「財産を譲られる」という部分では同じなので、課税の対象となり税金を払うことになります。

基本的に相続税は贈与税に比べて税率が低いとされていますが、贈与税をうまく使った方が節税できることもあるのです。
今回は、贈与税と相続税の違い、節税効果のある相続時精算課税制度の特例、贈与税などについて解説します。


贈与と相続はどちらがお得か


贈与税は相続税と比べると基礎控除額が低く設定されており、そのうえ税率が高く設定されています。
これは、相続税の節税対策として生前贈与がなされないようにするための設定です。
ただし、贈与税は「時期」と「人」を分けて行うことで節税が可能となります。
相続税の税率よりも低い税率で贈与できれば、相続税を節税できるのです。
ここでは、相続と贈与、それぞれの税率について詳しく見ていきましょう。

相続税



相続税の計算方法は、まず相続するものの洗い出しから始まります。
預金、証券、生命保険金や死亡退職金、不動産やクルマなどのいわゆるプラスの財産から、借入金や税金などの未払金の債務、生命保険金や死亡退職金などの非課税部分、通夜葬式費用などマイナスの財産と基礎控除額を引いて「遺産総額」を算出します。

そして、法定相続分で相続したものと仮定して相続税の総額を計算し、それを法定相続人各自の遺産の受取割合で按分し、相続額を算出。
法定相続人それぞれの受取金額が決まったところで、金額に合わせて相続税額を計算します。

相続税の速算表




贈与税


贈与税は、まだ存命の方から財産の一部を譲り受けるときにかかってくる税金のことです。
贈与税は、毎年1月1日~12月31日までの1年の間に譲り受けた財産の価額を合計した金額にかかります。
「暦年課税」という贈与税の課税方法があり、年110万円までの譲り受けであれば税金はかかりません。

贈与税の計算方法は、譲り受けた合計額から基礎控除の110万円を差し引いた金額に、下記税率をかけて税額を算出していきます。
贈与税の税率が、2015年から「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」に分かれました。
また、特例贈与財産とは、1月1日現在で20歳以上の子どもや孫などに、祖父母や両親などから何らかの課税対象のものを譲り受けることを指します。
それぞれの税率は、下の表の通りです。







相続税と贈与税の損得分岐点



税率と基礎控除額だけで考えると贈与の方が損をするような気もしますが、自分が元気なうちに贈与して喜ぶ顔が見たいという人もいます。
贈与の場合、自分が贈与する相手を選び、自分の希望通りの財産を譲れることがメリットのひとつだと言えるでしょう。

では、できるだけ節税を意識しながら贈与するには、どうしたら良いのでしょうか。
それは、自分がどんな財産を持っていて、ゆくゆく誰がどう相続することになるのかを棚卸しすることです。
また、配偶者や法定相続人の軽減税率を考えて、相続税の税率を調べてみると良いでしょう。

もし相続税の税率が20%になる場合、それよりも低い贈与税率で贈与できるようであれば、節税になります。


例)相続財産6億円・法定相続人が子2人である場合

6億円-基礎控除額4,200万円÷2=2.79億円
これは相続税の税率45%です。
贈与税の基礎控除額110万円+一般税率が40%で課税額1,000万円なので、合計1,110万円以下の生前贈与をすれば、相続税の節税になります。

ただし、生前に贈与するものにより、不動産取得税・登録免許税や登記費用、その他諸々手数料や手間もかかりますので、そのコストと労力も考慮にいれて考える必要があります。
また、現預金や現金、有価証券などお金類を生前贈与してしまうと、それを手にした瞬間から消費してしまい、相続の際に納税資金が足りなくなってしまうこともよくある話です。

たとえば、現金以外の有価証券や土地家屋、クルマなどは時価によるものなので、いざ相続の段階になったら値下がりしているということも考えられます。
そういった場合にはむしろ節税にならなかったということになる可能性もあります。

そこで、相続品の洗い出しをしたら最低でも1年に1回は洗い出しをし直して試算を行うことをおすすめします。

生前贈与の注意点


生前贈与を受けても、その後3年以内に譲ってくれた方が亡くなられてしまうと、相続が発生してしまいます。
相続では、亡くなられた日からさかのぼって3年以内に贈与されたものは相続額に換算することとされています。
これは、もうまもなくお別れの時だと悟った被相続人が、あわてて贈与して相続税を減らそうという目論見を阻止するためです。

ただし、贈与額控除というものがあるのでご安心ください。
その財産を譲り受けたときに贈与税の支払いをしていれば、その贈与税額を相続税額から控除することができます。

年110万円以下なら贈与税がかからない


譲られる人1人につき1年間に110万円までの贈与では贈与税はかかりません。
ですので、子ども3人と孫2人に毎年110万円を贈与すれば、相続財産が110万円×5人=550万円ずつ毎年減っていく計算になり、その分の相続税額はなくなります。

贈与税は、譲り受ける人ごとに基礎控除が110万円あるので、もし短い期間で生前贈与をしたいと思っているのであれば、できるだけたくさんの人に贈与をすることでその効果は上がります。
しかし、財産を譲り渡す相手が少ない場合、節税効果を期待するには長い時間が必要です。

相続税の税率と比べてもっと低い贈与税の税率の範囲内で贈与を行えば、確実に節税できます。
相続発生までにまだ時間の余裕があるときは、毎年できるだけより低い贈与税率の範囲内で、相続人たちにこまめに贈与していくと良いでしょう。

計画的な贈与は一括贈与とみなされることも


1人が1年間で110万円以内の贈与を受けても贈与税は課税されないことから、単純に親が子どもや孫の名義の預金口座に毎年110万円ずつ預け入れて安心している人も少なくありません。
そのように毎年毎年、同じ金額を同じ人に譲っていくことを「連年贈与」といいます。

ただし、5年や10年と長期的・計画的に贈与してしまうと、長期間の給付を目的とした「定期金の贈与」とされてしまい、贈与税が一括してかかってきてしまうことになるので注意が必要です。
このような事態を防ぐためには、贈与契約を毎年行う必要があります。

110万円以下の贈与は課税されないからといっても、毎年贈与を税務署にすんなりと認めてもらうのは難しいと心得ておきましょう。
対策としては、少し税額を払ってでも申告をしておくか、贈与される側がその事実をきちんと認識し、通帳や印鑑を本人が保管しておくことも大切です。
たとえ口座名義が贈与される人の名義であっても、被相続人となる人が通帳や印鑑を保管していては、結局相続税の対象となりますので、注意しましょう。

また、生前贈与契約書を専門家のもとでしっかりと書面で取り交わし、確定日付を公証人役場で取っておくこともおすすめします。

相続と贈与は長い目で見よう


相続と贈与、一口にどちらがお得かと言っても見極めは難しいです。
資産の洗い出しができたら税率表をもとに生前贈与と相続の分岐点を見つけ、損のないように長い目で見て少しずつ贈与していくことをおすすめします。
これらの計算はとても難しいのも事実です。
ゆくゆく困ったことにならないように、専門家の力を借りることも選択肢のひとつと言えるでしょう。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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