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■お役立ちコラム特集

2021/07/06

ゆうちょ銀行の相続手続きの流れと必要書類

亡くなった方がゆうちょ銀行に口座を持っていた場合、相続の手続きが必要です。
ゆうちょ銀行の場合、他行と少し流れが違うので戸惑う人も多いかもしれません。
今回は、そんなゆうちょ銀行の相続手続きの流れと、必要書類について解説します。

ゆうちょ銀行の相続手続きの流れ


ゆうちょ銀行以外の銀行で相続の手続きをする際は窓口ですべてが完結しますが、ゆうちょ銀行の場合窓口で書類を提出したあとは相続貯金事務センターという所とやり取りをすることになります。
郵送でのやり取りも発生しますので、流れを知っておくとスムーズに進められるでしょう。手続きの流れは以下の通りです。

①相続の申し出
②必要書類のご案内が郵送されてくる
③必要書類の用意
④ゆうちょ銀行窓口に書類の提出
⑤解約又は口座名義人変更が完了

では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

相続の申し出


まずは、ゆうちょ銀行に口座を持っている口座名義人が亡くなって相続手続きの必要があるということを、相続確認票で申し出る必要があります。
この手続きは、窓口又は相続WEB案内サービスというサイトで申請ができます。

必要書類のご案内が郵送されてくる


相続の申し出が完了すると、相続貯金事務センターから、貯金等相続手続請求書と委任状が指定の住所に郵送されてきます。

必要書類の用意


相続貯金事務センターから貯金等相続手続請求書と委任状以外に用意する必要がある書類はのちほど解説します。

ゆうちょ銀行窓口に書類の提出


ここまでで揃えた書類をゆうちょ銀行の窓口に提出します。窓口は全国どこのゆうちょ銀行でも受け付けてもらえます。

解約又は口座名義人変更が完了


書類に不備がなく無事受理されると相続払戻金として口座の現金を受け取ることができます。
もしくは口座の名義人の変更が完了になります。

相続手続きに必要となるゆうちょ銀行の書類


ここでは、相続貯金事務センターから届く書類やその他に用意が必要な書類について解説します。

相続確認表



ゆうちょ銀行の窓口又は相続WEB案内サービスで申請することができる相続確認表は、亡くなった方がゆうちょ銀行で貯金があったのかの確認と、相続人との関係を確認するための書面です。亡くなった方の貯金の状況がわからない場合は、窓口もしくはホームページから貯金等照会書を取得して、必要事項を記入の上、窓口にて状況を照会してもらってください。
亡くなった方名義のゆうちょ銀行内におけるすべての貯金状況を知ることができます。

貯金等相続手続請求書



相続確認表をゆうちょ銀行の窓口で提出すると、1~2週間ほどで必要書類のご案内という封書が郵送されてきます。
その中に貯金等相続手続請求書が同封されています。

この貯金等相続手続請求書には、相続する人全員の署名と実印の押印が必要です。

ゆうちょ銀行以外で取得する必要書類


亡くなられた方の財産を相続する相続人の方が、ご自身で取得しなければならない書類もたくさんあります。
亡くなられた方と亡くなられた方の財産を相続する相続人の関係性を確認するための戸籍謄本類、実印であるかを証明するための印鑑登録証などです。

遺産分割協議書や戸籍謄本は最終的な手続きが終わったあと、もしくは必要書類を窓口にて提出するときに、その場でコピーを取ってくれて原本は返却してくれます。
印鑑登録証明書は、原則的には返却されないことになっています。
ですが、どうしても返却して欲しいという場合は、忘れずに窓口で申し出るか、もしくはメモなどを付けて提出しておきましょう。

亡くなられた方の戸籍謄本


亡くなられた方の出生から亡くなる日までの戸籍謄本一式を揃える必要があります。
亡くなられた方が最後に本籍地として住所を置いていた役所から順にさかのぼって取得していくことをおすすめします。

戸籍謄本の内容を出生から亡くなる日まですべて確認することで、相続できる権利がある相続人の数を正確に把握することが出来ます。
戸籍謄本は、その戸籍にだれもいなくなった場合には除籍謄本となります。
また、戸籍法という法律の一部改正により、戸籍のデータ化がされています。

亡くなられた方の戸籍謄本を出生時までさかのぼって取得していくと、改製原戸籍戸籍謄本除籍謄本という3つの謄本が揃うのことが一般的です。
さらに、県をまたいだ引っ越しや婚姻などを機に、本籍地を変更している方も多々いるので、すべての戸籍謄本を揃えるには、かなりの時間を要する場合もあります。
取得には早め早めに行動することをおすすめします。

相続人全員の戸籍謄本


亡くなられた方の財産を相続する相続人全員の戸籍謄本が必要です。
戸籍謄本は有効期限がないものですが、可能な限り相続が発生した日(故人が亡くなられた日)以後に発行された、日付の新しい戸籍謄本を揃えることが望ましいでしょう。

亡くなられた方の財産を相続する相続人それぞれの本籍地を管轄する役所で取得することができます。
現在の居住地と本籍地が離れている場合には、郵送で請求することもできます。
役所に電話で問い合わせたり、役所のホームページで確認したりしてから取得手続きを進めましょう。
急ぐ場合には、速達対応してくれる役所も多いので、担当部署の方にそのように依頼するのもひとつの方法です。

相続人全員の有効期限内の印鑑登録証明書


亡くなられた方の財産を相続する相続人全員の印鑑登録証明書を準備する必要があります。
貯金等相続手続請求書には、必ず実印を押す必要がありますので、実印が正しいものかを証明する意味で印鑑登録証明書を提出します。

印鑑登録証明書には有効期限がありますので、相続発生日(故人が亡くなった日)以降に取得したもので、取得から6ヶ月以内のものをご用意ください。
つまり提出日へ近くに取得すれば安心ということです。

また、印鑑登録証明書はどなたか身内の方に代理で取得してもらうことはできません。
必ず相続人の方々本人に取得していただかなければなりません。
そのため、早めにそれぞれの相続人に取得を依頼する必要があります。

遺産分割協議書や遺言書はなくても大丈夫


遺産分割協議書や遺言書は原本の提出が必須です。コピーでは不可となります。
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認が済んでいる旨を確認できる書類も添付することが必要です。

ただし、遺産分割協議書は、相続の手続きをすすめていく上で絶対に必要な書類ではありません。
相続人が何人でも、法律で定められた法定相続分で分割する場合は、必ずしも作成しなくても良いということになっています。

しかし、のちのちトラブルとなる可能性もあるので、相続財産の分割方法は相続人が全員納得したということを、しっかりと書面に残しておくことをおすすめします。

貯金等相続手続請求書に相続人全員分の署名・実印がしっかりされていれば、手続きは特に大きな問題なくちゃんと進んでいきますので安心してください。

ゆうちょ銀行の手続きは他行と違う


ゆうちょ銀行での相続の手続きでは、亡くなられた方の戸籍謄本一式や相続人全員の戸籍謄本など、一般的な相続の手続きで必要となる書類に加え、ゆうちょ銀行所定の貯金等相続手続請求書相続確認表という書類を入手することが必須です。

他の金融機関と違い窓口で相続の手続きができないので、書類に不備がある場合は郵送での返送ややり取りが生じるため、他行での手続きよりも時間がかかります。

亡くなった方の財産を相続する相続人の人数が多いと、訂正する内容により時間がかかりますし、印鑑登録証明書には有効期限があり、その期限が切れてしまうとまた同じ書類を取得しなければならないという問題も生じてきます。
取得する書類や記入内容などに不足や不備がないように、十分に確認した上で慎重に手続きを進めてください。

手続で分からないことがあれば早めに窓口で確認して不安を解消させましょう。
ホームページでも確認する、もしくは専門家に相談することをおすすめします。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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