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■お役立ちコラム特集

2021/07/07

相続人の順位と法定相続分の基本|子供がいない場合はどうなる?

被相続人から財産を相続できる法定相続人は家族構成に応じて相続人になれる優先順位が異なります。
この優先順位のことを相続順位と言います。
すでに子供が亡くなっていて孫しかいない場合や、子供が亡くなっていて自身の父母しか居ない場合など様々なパターンがありますので、しっかり確認しておきましょう。

今回は、相続人の順位と法定相続分について、基本となる知識をご紹介します。

法定相続と財産を貰える権利


法定相続人とは、民法に規定されている相続人となる人のことです。
法律により順位が定められています。
配偶者のように必ず相続人になる人もいれば、子供、両親、兄弟と順位が低くなっていくので、被相続人に子がいる場合は血縁者であっても相続できない場合も当然あるのです。

配偶者は常に相続人


最も順位が高いのが配偶者となり、法廷相続人の中で最も割合が多く、最優先となります。
配偶者と第一順位の子供がいる場合は、財産の半分をこの二人で分け合うことが一般的です。
子供が複数人居る場合は、配偶者に相続された半分を頭数で分けます。

別の例題として、亡くなった人と配偶者の間に子が居らず、被相続人の両親が居る状態の場合は割合が異なり、配偶者は2/3の財産を受け取ることが可能になり、両親は残り1/3を分け合います。
基本的には、配偶者は遺言状などの例外が無い限り最優先なのです。

配偶者以外の子以外の順位


被相続人と配偶者の間の子が第一順位。
また、被相続人から見て孫がいる場合、子が無くなっている時はこの孫が第一順位となります。
父母は第二順位であり、被相続人と配偶者の間に子がいない場合は、相続人になります。
その次に被相続人から見た、兄弟姉妹が相続人となっていくのです。

順位が下がるごとに相続割合も変動。配偶者がいる場合、被相続人の子は全体の1/2、父母の場合は全体の1/3、兄弟姉妹の場合は全体の1/4の金額を、同順位の同士で均等に分けていくことになります。

同順位の場合


各順位の中に同一順位の人が複数人いる場合を共同相続人と言います。
その順位で分配された財産を均等に分ける必要が出てきますので、子供が2人いる場合は財産の1/2を分け合い、1/4ずつもらえることになるのです。

確認は戸籍謄本で行う


法定相続人の範囲を確認する方法として、戸籍謄本を確認します。
原則として、相続人を確認するために必要なのは、亡くなった方=被相続人の方が生まれた時から亡くなった時までの戸籍謄本が必要です。
一般の戸籍のほかに、改製原戸籍が必要となる場合もあります。

法定相続人の色々なパターン


配偶者は常に相続人となりますが、配偶者以外の相続人には順位があります。
同じ順位の人は全員が相続人となり、相続割合は平等です。また、遺言書がある場合は遺言内容が優先されます。
ここでは、法定相続人の様々なパターンをご紹介します。

被相続人から見て配偶者と子がいる場合、この場合の相続人は配偶者と第一順位の子です。
第一順位の子供がいるので第二順位の被相続人の両親が生きていたとしても相続人となることはできません。

子供が居ない場合、孫が居る場合


被相続人から見て第1順位である子供が既に亡くなっており孫が存在している場合は孫が相続人となります。
このケースを代襲相続といい、孫が第一順位の法定相続人です。

胎児が居る場合


夫の死後に子供が誕生した場合は、配偶者とその子が法定相続人となります。
死産の場合、子は相続人になることはできないため、第二順位の相続人が法定相続人となります。
お腹に赤ちゃんがいた場合は生まれてくるまでは相続人が誰になるかわからないので、子供が生まれてから遺産分割協議に入ることが一般的です。

前妻、前夫との間に子が居る場合


離婚再婚などのために以前の妻と間に子供がいる場合は、その子も第一順位です。
子供から見て実の親が亡くなった場合はであれば、氏が異なっていたとしても子供は権利を失いません。

例外として、別れた妻や夫の間の子が別の再婚相手の間で特別養子縁組になっている場合は、実親との相続関係が断ち切られてしまい、相続人になることできません。

認知された子が居る場合


相続問題でトラブルになることが多いのは、隠し子がいる場合です。
被相続者から見て愛人関係にいる人との間にできた子も実の子と同じ扱いとなります。
法律上夫婦と認められた相手以外との認知された子供がいる場合は、その子も遺産相続をすることが可能となります。

行方不明者が居る場合


相続人が複数いる場合で、行方不明者がいる場合は相続人とされます。
被相続人に配偶者と子が二人いる場合の例ですと、子が一人行方不明となっている状態の場合にはその行方不明者である子も認められます。

相続人の一人が行方不明な状態で、その人を除いて遺産分割協議を行っても行方不明者が出てきた際にそれまでの決めごとが覆される可能性があります。
相続が発生した時点で行方不明者がいる場合は、行方不明者と連絡を取るようにするようにしましょう。
例外として、その人物が何かしらの理由により、相続破棄をした場合は、これに含まれません。

相続の対象が居ない場合や、遺言書がある場合


被相続人に対して親族がいない状況かつ遺言書が残っていない状況の際は、相続人がいないという状況になります。
その他にもこの相続人がいないという状況や、相続人全員が相続放棄をしているという状況の時です。
それ以外に遺言書の扱いについてもご紹介します。

相続人となる人が居ない場合


相続人がいない状態は親族全員がいないという以外にも相続人全員が相続放棄をしている状況も含まれます。
特定されると放棄された財産は国庫に財産が納められます。
身内が身内や親戚がいない場合であっても遺言書を残すことで相続をすることは可能なので、こうした相続人がいない状況というのは親族もおらず、遺言書もない状況のことです。

遺言書がある場合


遺言書にもいくつかの種類があります。直筆遺言書は、遺言する本人が自身の手で書いた遺言書です。

公正証書遺言は、公証役場という公的な機関で保管されます。
紛失や破損のリスクは非常に少なくなり、公証人という法律のプロが作成するので記載不備という理由での無効も起こりにくくなります。
費用はかかりますが、専門家の手を通すことでより確実なものにすることが可能です。

秘密証書遺言というものもあります。
いつ証書遺言というのは自身で遺言書を作成し公証人役場に保管してもらう方法です。
遺言書の内容は遺産分割協議よりも優先されますので、法律で決められた相続割合よりも優先されるということになります。
相続関係で揉めないようにするためにあらかじめ準備しておくというのも一つの手段です。

相続にはルールが存在する


相続人という立場において配偶者は常に優先されるような構造になっていて、基本的には一番近しい血縁者が優先されるというような構造となっています。
事前のトラブル回避や、遺族同士の揉め事をなくすために遺言書を作成しておくことで優先したい人に財産を渡すことも可能とです。

自身の財産を相続させる際にはルールをしっかり把握しておくことが大切です。
親族同士でトラブルが起きないように、事前に生前贈与や遺言書などを活用して対策をとっておきましょう。

将来揉めそうだと判断した場合は、事前に家族・親族間で話し合うことも重要であり、話し合いによって問題を解決できる場合も少なくありません。
相続のルールを知っておき、相続が発生したらスムーズに話を進められるようにしておきましょう。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

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