1. トップ
  2. コラム一覧
  3. ■お役立ちコラム特集
  4. 死亡保険金も相続税の対象になる場合も!条件や申告方法を解説

■お役立ちコラム特集

2021/07/07

死亡保険金も相続税の対象になる場合も!条件や申告方法を解説

平成27年に相続税の改正が行われ相続税の対象となるものが拡大されました。
相続関係の課税対象額を調べてみると、生命保険の保険料が非課税枠、課税枠と分かれていて、どうした場合に課税対象になるのかわかりにくいことがあります。
今回は、死亡保険金が相続税の対象になる場合や、条件・申告方法などを詳しく解説します。

死亡保険にも相続税がかかる


残された遺族の生活を保障するための死亡保険ですが、実は死亡保険も金額と相続人の人数によっては課税対象となります。
保険料の金額と相続人の人数を確認し、課税対象となるか非課税で済むのかどうか把握しておきましょう。

死亡保険の非課税金額の計算方法


死亡保険金は課税対象となりますが、本来死亡保険に関しては残された家族のための生活保障という役割を持っているため、一定金額内であれば非課税となります。

死亡保険金の非課税金額の算出方法は以下の通りです。

500万円×法定相続人の人数=死亡保険金の非課税金額

以上の式を用いて実際に計算してみましょう。

例:配偶者1人と子が3人の法定相続人が4人の場合

500万円×4(法定相続人の人数)=2,000万円

この場合、もし2,000万円の保険金受受取となる場合は単純計算で1人あたり500万円までが非課税で相続できる範囲です。
もし受け取る死亡保険料が2,000万円以下なら、保険料は妻と3人の子供全員が非課税で全額相続することができます。

この時点で非課税となった保険料は、課税遺産総額には含まれません。保険料は全額そのまま受け取れます。

続いて、相続税が発生する場合を見てみましょう。

例:配偶者と子が2人で法定相続人が3人、保険金の受取金額が2000万円の場合

500万円×3(法定相続人の人数)=1,500万円

この場合、1,500万円が非課税となり、課税総額には含まれません。
超過した500万円は課税対象となり、相続税の対象となるのです。

このように保険金の受取金額が同一であっても、法定相続人の人数によって相続税が発生します。

基礎控除額の範囲内なら相続税はかからない



遺産総額の中には基礎控除額というものが設けられています。

控除額の出し方は以下の通りです。

3,000万円+600万円×法定相続人の人数= 相続税の基礎控除額

遺産総額がこの相続税の基礎控除額以下である場合は相続税が課税されることはありません。
保険料の課税分を足しても上記で算出した基礎控除額に届いていないのであれば、相続税自体発生していないので、保険料は全額受け取ることができるのです。

死亡保険や生命保険は受け取った人によって税金が異なる


死亡保険金に関しては契約者被保険者保険金受取人が誰になるかによって税金のかかり方が変わってきます。
お金を受け取った人が支払う税金の種類は、所得税、相続税、贈与税が対象となります。ではその違いを確認していきましょう。

契約者と被保険者、受取人の関係で変わる


死亡保険金の税金は被保険者である死亡してしまったかと受取人の方契約者の方がどういった関係になっているかで変わってきます。
ここで言う契約者とは、保険料を支払っている方で保険の名義人となる方です。

被保険者は、病気や入院で保障を受けられる、死亡した際に遺族に保険金がおりる対象の方です。
保険金受取人は、被保険者の方が死亡した際に保険金を受け取れる人物が該当します。

相続税として扱われる場合・・・契約者と被保険者(死亡した方)が同一で受取人が別の場合
所得税として扱われる場合・・・契約者と保険金受取人が同一で被保険者が別(死亡した方)の場合
贈与税として扱われる場合 ・・・契約者と被保険者(死亡した方)と保険金受取人が別々の場合

このように受取人の関係性によって税金が異なるので、死亡保険や生命保険の契約者そして被保険者受取人の関係性は事前によく確認しておく必要があります。
申告の際に間違えないように注意しましょう。

生命保険は入院給付金など非課税なものもある


生命保険に入っているからといって必ず全てが課税対象になるというわけではありません。
手術給付金、通院給付金やがん診断1時金などに関しては税金がかからないものとなっています。

事故や疾患などによって受け取れる給付金が非課税と覚えておくとわかりやすいです。
この部分に関しては所得税の法令で決まっている関係でどの保険も同じ扱いとなります。

死亡保険にかかる税金の申告


死亡保険は、契約者と被保険者保険金受取人の関係性により、税金が変化することがわかりました。
相続税になった場合、相続税は原則相続開始から10ヶ月以内の申告が必要となるため、早めに準備をしておくこと必要です。
所得税とみなされた場合確定申告が必要な場合もあるので、保険金がどの課税対象になっているのかしっかりと把握し、どの程度引かれるのか確認しておきましょう。

相続税の申告


死亡保険料遺族が受け取ったはい受け取り金額が

500万円×法定相続人の人数=基礎控除額

以上の範囲内に収まっている場合は死亡保険金に対しての相続税はかかっていない状況であります。
該当の計算式より超過した額が相続税の対象となります。

例:300万円の死亡保険金を受け取った場合、相続税は0円となります。

相続税の申告は相続開始から10カ月以内と期間が決まっているので、相続税申告書の提出、納税は、早めに行いましょう。

所得税の場合


死亡保険金を所得税として課税される場合受け取りの方法によって一時所得、雑所得として課税されます。
死亡保険金を受領した場合に関しては、一時所得という扱いになります。

金額の死亡保険お金以外に他の所得がない場合、保険金の総額から払い込んだ保険料もしくは掛け金の額を差し引きします。
一時所得の特別控除額は50万円を差し引いた金額になり、課税対象となるのはここからさらに1/2にした金額となります。

一時所得の計算方法

死亡保険金額-払い込み保険料-特別控除÷2=課税対象額

死亡保険金を年金で受領した場合は公的年金等以外の雑所得という扱いです。
所得の金額はその年に受け取った現金の額からその金額に対応する払込保険料もしくは掛け金の額を差し引きます。
年金を受け取る際には原則として所得税が源泉徴収されています。

所得税の申告は所得があった年の翌年の2月16日~3月15日の期間に行う必要があります。
納付期限は3月15日までなので、超過しないように気を付けましょう。

贈与税の場合


保険料が贈与税として課税される場合です。贈与税には基礎控除額110万円というものが設けられています。
受け取った死亡保険金が110万円以上の場合、受け取った死亡保険の金額より110万円を引いて、その残りの金額が贈与税の課税対象となります。

贈与税の税率は相続税などに比べて高くなっており、税金対策を考えているのであれば、 保険を契約する際に契約者を誰にするか被保険者を誰にするかというのは重要になるので気をつけておきましょう。

贈与税の申告においても、翌年の2月16日~3月15日の期間に行う必要があります。
金額が高くなってしまい、一括納付が困難な場合は、所定の条件を満たしている場合に延納も可能です。
5年に内の年払いも可能ですが、利子が発生してしまいます。

保険料も課税対象になると意識して申告洩れを防ごう


生命保険の死亡保険も相続税の対象になる場合があります。控除などで非課税枠になる場合もありますが、保険料の金額と相続人の人数によっては相続税の対象となります。
さらに被保険者と受取人、契約者の関係性により課税対象となる税金も異なるので注意が必要です。

受け取った死亡保険や生命保険がどの税金に属しどの程度の納税が必要なのか、不安な場合は専門家の力を借りて正確に計算するようにしましょう。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

この記事の関連記事

ゴルフ会員権の相続税評価の方法と相続の流れ

ゴルフが好きだった方の財産を相続した際によくあるのが、財産を…

ゴルフが好きだった方の財産を相続した際によくあるのが、財産を…

相続税の速算表の使い方|計算シミュレーションが簡単にできる

自分が支払うことになる相続税がどのくらいなのか、具体的な金額…

自分が支払うことになる相続税がどのくらいなのか、具体的な金額…

相続税の延納はデメリットに注意!条件や手続きの方法まとめ

遺産相続で相続税を払わないといけないけれど手元にお金がない、…

遺産相続で相続税を払わないといけないけれど手元にお金がない、…

相続人不存在の遺産の行方―手続きの流れと登記の方法

親兄弟など親族のような近しい人々がいない場合に、相続人がいな…

親兄弟など親族のような近しい人々がいない場合に、相続人がいな…

相続人の範囲はどこまで?配偶者や子供がいないと誰が相続する?

被相続人が死亡された際には、相続税の申告を実施しなければなり…

被相続人が死亡された際には、相続税の申告を実施しなければなり…

相続税の納付期限はいつまで?超過するとどうなるの?

大切な人が亡くなり葬儀が終わった後、相続について遺族同士で話…

大切な人が亡くなり葬儀が終わった後、相続について遺族同士で話…

相続税の2割加算とは?なぜなのか知らないと損をするかも

被相続人の遺産を相続する際、相続人の中には相続税が2割加算さ…

被相続人の遺産を相続する際、相続人の中には相続税が2割加算さ…

遺産にかかる税金はいくら?計算方法や税金対策の基本を学ぶ

遺産を相続したら、いくら相続税がかかるか考えたことはあるでし…

遺産を相続したら、いくら相続税がかかるか考えたことはあるでし…

人気記事ランキング

女性に寄り添う相続専門税理士が教える、相続発生前にできること

今回は、久保順子税理士事務所代表の久保順子さんに「女性に寄…

元国税調査官の税理士が教える!税務調査対策のポイント!

今回は、元国税調査官である稲川善文税理士事務所代表の稲川善文…

まずは話してみることから。アットホームな相続事務所

今回は司法書士・行政書士菅井事務所、菅井之央さんにお話しを伺…

若手税理士の視点でみる「相続」

今回は新宿税理士事務所代表、坂根崇真さんにお話しを伺ってきま…

札幌遺産相続手続き専門代行所について教えてください!

今回は札幌遺産相続手続き専門代行所(行政書士 千田 大輔 行…

不動産に強い税理士が教える生前対策について

今回は渡邉優税理士事務所代表、渡邉優さんにお話を聞いてきまし…

こんなことまでできるんです! 相続手続き代行の専門家に依頼できることとは!?

今回は遺産相続手続まごころ代行センター代表、嶋田裕志さんにお…

負債物件はどうすればいいの?

今回は、株式会社ファースト不動産鑑定代表、古家一郎さんにお話…

元国税OB税理士の目線で見極める、いい税理士の見分け方

今回は新百合ヶ丘相続税理士事務所【しんゆり相続・しんゆり相続…

時間や労力を惜しまずに、お客様と真摯に向き合う姿勢

今回は、司法書士法人花沢事務所の花沢良子さんにお話をうかがい…

人気記事ランキング

相続簡単資料ダウンロードはこちらから