1. トップ
  2. コラム一覧
  3. ■お役立ちコラム特集
  4. 相続税の期限は10カ月!期限延長ができる条件と手続き

■お役立ちコラム特集

2021/07/07

相続税の期限は10カ月!期限延長ができる条件と手続き

相続税の申告の期限はいつ頃だったっけ…? と気になっている方もいらっしゃるでしょう。
相続税の申告の期限は決まっています。期限内に申請できなかった場合、期限延長できるか、ペナルティがあるか不安な方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな方に向けて相続税の申告期限について詳細に解説していきます。
また、期限延長はできるのか、相続税の手続き方法についてもご紹介しますので、相続税の期限について心配されている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

相続税の申告期限


申告期限は、相続があることを知った日の翌日から10カ月以内とされています。
例えば、9月23日に被相続人が死亡された場合には、翌年の7月23日が申告期限となります。
また、相続税を支払う期限である納付期限も申告期限と同様の日付です。申告の期限が土日祝日に当たる場合、その翌日もしくは月曜が申告期限となるので注意しましょう。

申告の期限としては相続が発生したその日から1年というわけではなく、10カ月であることはきちんと覚えておきましょう。
申告期限を過ぎてしまうとペナルティが課されるので要注意です。

相続税の申告期限に間に合わない理由


相続税の申告期限が10カ月だと、充分に時間が残っていると感じる方が多いです。
しかしながら、相続税の申告期限に間に合わない方も少なくはありません。
その原因はなぜでしょうか。
ここでは、相続税の申告の期限に間に合わないケースや理由について詳しくご紹介します。

資料収集に時間がかかる


相続税申告書を作成する際には、大量の資料を収集する必要があります。
例えば、本人確認資料を手に入れるためにも、被相続人の「除籍謄本」「改製原戸籍謄本」「住民票の除票」が必要です。
また、相続する方々すべての「住民票」「戸籍謄本」「印鑑証明」など多くの書類集めも必要です。

相続する方が平日の時間帯に役場に行くことができない場合には、相続する方々すべての書類収集をするだけでも何カ月も必要となるケースも少なくありません。

また、銀行口座の解約・払戻に、相続する方々皆の同意書が必要です。
したがって、相続に関する資料収集はスムーズにはいかないことが多く、その結果として相続税の申告時期に間に合わないことが少なくありません。
事前に余裕をもって資料収集をおこなうことが重要です。

財産目録を作成するのが難しい


相続税を申告するにあたって、被相続人の財産調査を実施して、財産価値を計算する必要があります。
例えば、被相続人が生前に財産を記録した遺言書を作成していない場合には、被相続人の財産を探さなければならないため、非常に多くの時間を要します。
また、財産評価は、財産評価基本通達によって規定されていて、相続税の申告経験がない方が最初から評価方法を調査して財産の評価額を算出するには、多量の時間が必要です。

遺産分割協議で揉めることがある


財産目録が作成できたとしても、相続人の間で遺産分割協議を実施する必要があります。
相続する方が1人の場合なら問題は特にありません。
しかし、相続する方が複数の場合、遺産分割協議で揉めることも大いにあり、意見が1つにまとまらず、順調に手続きが進められないケースも少なくありません。

相続税申告では、遺産分割によっては相続税にかかる税率が違うため、申告期限までに遺産分割の結果を報告しなければなりません。
相続する方々の意見が取りまとめできない時でも、申告期限が延長されることはないため、注意する必要があります。
したがって、被相続人の方と前もって相談しておくことも大切です。

相続税の期間が延長できる条件


相続税申告する際に、特別な理由がある場合には、税務署に申告すれば2カ月の範囲で申告期限を延長することが可能です。
申告期限が延長できる例は下記が挙げられます。

1.相続する方の胎児が生まれた場合(相続税申告の際には生まれてなく、生まれたとみなして相続人とされていた場合)
2.遺贈に関わる遺言書や遺贈放棄がある場合
3.相続する方の認知によって相続人に異動が発生した場合
4.死亡退職金が支給されることが確定した場合

上記のような特別な場合では、相続税の申告期限を延長することが可能です。
最近では、新型コロナウイルス感染症による影響に伴う延長が認められています。
申告期限に間に合わないとしてもやむを得ない事情と認められる場合には、個別に期限が延長される特例もあります。
申告期限の10カ月間は思っている以上に早く、手続きには手間のかかる作業が多いです。
延長できるかどうかはきちんと把握しておきましょう。

相続税の手続き方法


相続税の手続きは初めて実施する方も少なくないでしょう。
また、手続きが多く、規定や手順も細部まで定められています。そのため、疲弊してしまう方も少なくありません。
これまでにも説明したように、相続税の申告を行う手続きには期日が設けられています。
したがって、要領よく手続きを実施することが大切です。
ここでは、被相続人が死亡されてから相続税申告までの一連の手続きについて詳しく紹介します。

1週間


被相続人が死亡されたら市区町村へ死亡届を提出する必要があります。
また、取引している金融機関へ連絡する必要もあります。
特に期限はありませんが、債務や遺産の概要を把握して、相続を放棄するかどうかを早いうちに決めておくことも重要です。
また、相続する方に誰がいるのか確認することも大切といえます。
手続きに関して早いうちにできることを実施するのがコツです。

2カ月


この段階では、相続する方が誰なのかと相続に関する遺言書の確認が必要です。
例えば、役場へ問い合わせしなければならない場合もあるでしょう。
また、被相続人と相続人の本籍地から戸籍情報を入手する必要もあります。

さらに、遺産目録を作成するために、被相続人の家の遺品探しや金融機関における残高照会を実施しなければなりません。
郵便物やメールなどから手続きの連絡が来ることもあるでしょう。

3カ月


この段階では、遺産継承に関して判断する必要があります。
相続放棄もしくは限定承認する場合には被相続人が死亡してから3カ月以内に被相続人における住所地の管轄している家庭裁判所に申請することが必要です。

4カ月


一般的に、被相続人の事業継承する場合には、4カ月以内に相続する方が新しく青色申告申請書の届出が必要です。
また、所得税の申告・納付に関しては被相続人が死亡してから4カ月以内に行う必要があります。

5カ月~9カ月


以上までの手続きが完了したら、相続する方々で遺産分割協議を実施することが必要です。
遺言書がある場合には遺言書に基づいて遺産分割を行います。
ただし、遺留分の侵害有無については要確認です。
一方、遺言書がない場合には、法定相続人全員で協議する必要があります。
法定相続人それぞれには法定相続分の権利があります。
裁判所への調停・審判申し立ても一つの方法です。
また、この段階で、遺産や債務の調査・遺産の評価や査定・遺産分割協議書の作成・相続税申告書の作成を済ませておくことが重要です。

10カ月


被相続人が死亡してから10カ月が相続税の申告期限です。
相続税申告書を所轄の税務署に提出して、納税を済ませます。
もしも間に合わない場合にはペナルティが課されるため、注意しましょう。

相続税の申告期限を把握して適切な準備をしよう!


相続税の申告期限は相続を行う人が亡くなってから10カ月です。
手続きには、資料収集や遺産分割協議など時間が必要です。
そのため、思っていたよりも早く期限が来てしまい、相続税の申告ができず、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される事例も少なくありません。
なお、相続税の申告期限を伸ばすことができる特別な場合もあります。

まずは相続税の申告期限と手続き方法・手順を把握することが重要です。
なるべく早いうちに書類集めなどできることを実施していくことがコツです。
自分で相続税の申告ができるか不安がある方は、税理士に相談することをおすすめします。



はじめての相続編集部


情報提供と専門家マッチングで円滑な相続税の手続きをサポートすることをミッションに掲げた、マッチングWebメディア「はじめての相続」の編集部です。
出版社が運営していることが強みで、「利用者目線」と「わかりやすさ」を心掛けて相続に関する記事を発信しております。
子育て中のママや学生など、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属しています。

この記事の関連記事

ゴルフ会員権の相続税評価の方法と相続の流れ

ゴルフが好きだった方の財産を相続した際によくあるのが、財産を…

ゴルフが好きだった方の財産を相続した際によくあるのが、財産を…

相続税の速算表の使い方|計算シミュレーションが簡単にできる

自分が支払うことになる相続税がどのくらいなのか、具体的な金額…

自分が支払うことになる相続税がどのくらいなのか、具体的な金額…

相続税の延納はデメリットに注意!条件や手続きの方法まとめ

遺産相続で相続税を払わないといけないけれど手元にお金がない、…

遺産相続で相続税を払わないといけないけれど手元にお金がない、…

相続人不存在の遺産の行方―手続きの流れと登記の方法

親兄弟など親族のような近しい人々がいない場合に、相続人がいな…

親兄弟など親族のような近しい人々がいない場合に、相続人がいな…

相続人の範囲はどこまで?配偶者や子供がいないと誰が相続する?

被相続人が死亡された際には、相続税の申告を実施しなければなり…

被相続人が死亡された際には、相続税の申告を実施しなければなり…

相続税の納付期限はいつまで?超過するとどうなるの?

大切な人が亡くなり葬儀が終わった後、相続について遺族同士で話…

大切な人が亡くなり葬儀が終わった後、相続について遺族同士で話…

相続税の2割加算とは?なぜなのか知らないと損をするかも

被相続人の遺産を相続する際、相続人の中には相続税が2割加算さ…

被相続人の遺産を相続する際、相続人の中には相続税が2割加算さ…

遺産にかかる税金はいくら?計算方法や税金対策の基本を学ぶ

遺産を相続したら、いくら相続税がかかるか考えたことはあるでし…

遺産を相続したら、いくら相続税がかかるか考えたことはあるでし…

人気記事ランキング

女性に寄り添う相続専門税理士が教える、相続発生前にできること

今回は、久保順子税理士事務所代表の久保順子さんに「女性に寄…

元国税調査官の税理士が教える!税務調査対策のポイント!

今回は、元国税調査官である稲川善文税理士事務所代表の稲川善文…

まずは話してみることから。アットホームな相続事務所

今回は司法書士・行政書士菅井事務所、菅井之央さんにお話しを伺…

若手税理士の視点でみる「相続」

今回は新宿税理士事務所代表、坂根崇真さんにお話しを伺ってきま…

札幌遺産相続手続き専門代行所について教えてください!

今回は札幌遺産相続手続き専門代行所(行政書士 千田 大輔 行…

不動産に強い税理士が教える生前対策について

今回は渡邉優税理士事務所代表、渡邉優さんにお話を聞いてきまし…

こんなことまでできるんです! 相続手続き代行の専門家に依頼できることとは!?

今回は遺産相続手続まごころ代行センター代表、嶋田裕志さんにお…

負債物件はどうすればいいの?

今回は、株式会社ファースト不動産鑑定代表、古家一郎さんにお話…

元国税OB税理士の目線で見極める、いい税理士の見分け方

今回は新百合ヶ丘相続税理士事務所【しんゆり相続・しんゆり相続…

時間や労力を惜しまずに、お客様と真摯に向き合う姿勢

今回は、司法書士法人花沢事務所の花沢良子さんにお話をうかがい…

人気記事ランキング

相続簡単資料ダウンロードはこちらから